【楽天】今季初5連勝“闘将心”がサヨナラ呼んだ「走れー!」
2014年9月21日6時1分 スポーツ報知
◆楽天3x―2日本ハム(20日・コボスタ宮城)
勝負どころで、星野監督はベンチを立ち上がった。「走れー!」。張り上げた大声は、2万4247人の観客の声援にかき消されることなく、二塁ベース上にいた森山の耳にまで届いた。
同点の9回、無死一、二塁。西田の打席だ。クロッタが3球目を投げる前、バントのサインを出していたが、構わない。大きなモーションを見抜いて、森山の背中を押した。見事、三盗成功。その後、1死から島内の右翼線安打でサヨナラ勝ち。今季初の5連勝だ。
指揮官は勇退を表明しても、闘志、勝負勘を失っていない。1点を追う7回、無死一、二塁。松井稼の打席で代打・森山を送った。19日の試合では2度、この日も1度、バント失敗での併殺があった。「本当に(重圧が)きついところで決めてくれた。いい仕事をしてくれた」と星野監督。ここでも森山が攻撃のリズムを生み出し、西田の一時は逆転となる中前2点打を導いていた。
「闘争心を皆さんに見せつけないとプロじゃない」。個々が1つでも先の塁を奪おうとする意欲を持つことは、就任当時から徹底して伝えてきたことだ。森山は12年オフ、オリックスを戦力外になったが、走力を見込んで獲得した。辞任は決めたが、最後まで勝利にこだわり、足でかき回し、貴重な1勝をつかんだ。
3位・日本ハムとの直接対決で貴重な2連勝を収め、3位とのゲーム差を6・5に縮めた。3タテに向け、「明日(21日)はウチが辛島で、大谷か。行ける!」と先発投手の名前を挙げて会見を締めくくった。残り14試合。可能性は低いが、ゼロではない。大逆転でのCS進出へ執念を見せる。(畑中 祐司)