【薄毛と病気の意外な関係】理研、毛根に統合失調症や自閉症を診断する指標となる遺伝子を発見
理化学研究所は9月12日、脳に特異的な発現パターンを示す遺伝子が、頭皮の毛根においても有意に発現しているという研究成果を発表しました。
こちらの因子は、統合失調症や自閉症などの精神疾患発症の遺伝子マーカーとなる可能性があり、今後それらの早期発見に繋がることが期待されます。
統合失調症や自閉症などの精神疾患では、遺伝子の発現状態を含めて脳に何らかの変調が生じることが原因と考えられている。しかし、脳の一部を採取することはできないため、現在の診断は患者の行動や体験、家族の情報などに基づくところが大きく、客観的な「生物学的診断ツール」がないため、精神疾患の早期診断を補助する「バイオマーカー」の開発が待たれていた。
同研究グループは、脳の細胞と同じ外胚葉由来であり、サンプルの採取が容易な頭皮の毛根細胞に着目。解析の結果、脳だけで発現していると考えられていた遺伝子の多くが、毛根細胞でも発現していることを見いだし、毛根細胞が脳内の遺伝子発現の状態を反映している可能性を突き止めた。さらに詳しく調査した結果、統合失調症の人では脂肪酸結合タンパク質(FABP)の1つであるFABP4をつくる「FABP4遺伝子」の発現量が対照群に比べ約40%低下し、自閉症の方の毛根細胞では神経系の細胞同士の結合に関与する「CNTNAP2遺伝子」の発現が低下していることが判明した。マイナビニュース: 理研、毛根に統合失調症や自閉症を診断する指標となる遺伝子を発見より抜粋
と、脳科学から見た興味はここまででしょう。
それでは、こちらの研究成果を、ヘアケアの側面から見てみるとどうでしょうか。
頭皮と脳は隣接しているもののその間に頭蓋骨があるため、近くともお互いに影響を及ぼし合うことはないであろうと考えられていました。
しかしながら、こちらの研究により、実は何かしらの方法で頭皮と脳の遺伝子発現が関係し合っている可能性が示唆されました。
これはすなわち、頭皮の状態は脳に、脳の状態は頭皮に影響を及ぼす可能性があるということです。
脳の疲れ・ストレスは脳だけでなく頭皮にも伝わり、正常な頭皮の働きに干渉することがあるのかもしれません。
円形脱毛症、AGAの原因の1つとしてストレスがあるとこれまで言われてきましたが、それを直接的に裏付ける科学的な根拠はありませんでした。
こちらの研究成果は、脳の働きと、頭皮・ヘアサイクルの働きを結びつける重要な手がかりなのかもしれません。
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