【ＢＯＸ】４５歳・池山「負ければ引退」最年長防衛挑む

　◆プロボクシング女子ダブル世界戦　▽ＷＢＯ女子世界アトム級　タイトルマッチ１０回戦　池山直―秋田屋まさえ（２０日、大阪・アゼリア大正ホール）

　女子ダブル世界戦は２０日、大阪・アゼリア大正ホールでゴングが鳴る。調印式と計量が１９日に大阪市内で行われ、４選手はいずれも一発で計量をパスした。ＷＢＯ女子世界アトム級タイトルマッチは、池山直が男女通じて国内史上最年長４５歳２日での世界王座防衛を目指す。ＷＢＯ女子世界ミニフライ級王座決定戦は、池原シーサー久美子が世界初挑戦で王座獲得を狙う。

　池山は、１８日に４５歳の誕生日を迎えた。「また一つ年をとった。四捨五入すれば５０になる。ハンデを頂けるのならありがたい」。ボソッとジョークを飛ばした。

　世界では、バーナード・ホプキンス（米国）が、４月のＩＢＦ・ＷＢＡ世界ライトヘビー級王座統一戦で、自らが持つ最年長防衛記録を４９歳３か月に伸ばした。池山は、ＷＢＡ女子世界スーパーフライ級王者の藤岡奈穂子（竹原＆畑山）が持つ、３８歳３２３日の最年長防衛記録の更新が懸かる。

　３１歳でボクシングを始め、５月に４４歳２４１日で世界王者になった。岡山市役所の公務員でファイトマネーは受け取っていない。祝勝会が続いて「ただで飲み食いできた」と王者の恩恵を受けたが、日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）からは年齢のため、以前から「負ければ引退」の勧告を受けている。４年前に勝った秋田屋まさえとの合計８１歳対決は、天国か地獄かの一戦だ。（伊井　亮一）

　◆プロボクサーの年齢制限　１７歳以上３６歳まで。３７歳になったボクサーのライセンスは自動的に、現役王者はタイトルを失った時に失効する。元王者（日本、東洋太平洋、世界）、世界挑戦経験者、世界ランク１５位以内から申請があれば、医師の特別診断をクリアした場合のみ許可される。池山は世界ランカーの条件で現役を続けていた。一時引退状態になり、昨年１２月まで３年のブランクがあったため、世界戦限定でライセンスが交付されている。