広島土砂災害から1か月、犠牲者74人を追悼
2014年9月20日20時24分 スポーツ報知
74人が亡くなった広島市の土砂災害の発生から1カ月となった20日、同市中区の市役所で追悼行事が営まれ、遺族や友人らが花を手向け、犠牲者の冥福を祈った。
今もなお、一部の住民は避難生活を続け、復興への道のりは遠い。松井一実市長は「教訓を肝に銘じ、災害に強い、安心に暮らせる町の実現に向け全力を尽くす」と決意を新たにした。
市役所1階のロビーに献花台が設置され、遺族や市職員ら約100人が参列。全員で黙とうをささげた後、松井市長と湯崎英彦知事が献花した。
松井市長は「(犠牲者の)無念の思い、いかばかりかと痛恨の情を禁じ得ない」と哀悼の意を表し、湯崎知事は「災害死ゼロ」を目標に掲げ、県全体で防災対策に取り組むことを誓った。
災害当日から、行方不明者の捜索や土砂の撤去作業に当たった警察や消防、自衛隊の代表も出席。会場は夕方まで開かれ、次々と訪れた市民らが花を供え、献花台は白菊やカスミソウなどの花であふれた。
次女村田宏美さん(54)と利主さん(59)の夫婦を失った西本幸子さん(77)は「何が何だか分からないまま1か月が来ました。今日は涙を流してはいけないと思ったけど、ついねえ」と手にした白いハンカチを目に当てた。
一家4人が犠牲となった冨永利夫さん(61)の知人の自営業石川弘美さん(67)は「心の中で『家族全員がこんなことに、残念だったのう』と語りかけた」と話し、亡くなった斎藤要子さん(73)の友人の中川弘子さん(71)は「葬儀に出られなかったが、ようやくお参りできた」と涙をにじませた。