孫楊(左)と朴泰桓(右)を従え、金メダルを手に笑顔の萩野 (共同)【拡大】
地元・韓国のファンが悲鳴を上げる。完全アウェーの舞台で、萩野が番狂わせを演じた。“自由形の2大エース”を下しての金メダル。電光掲示板を見上げると、信じられないと言わんばかりに何度もまばたきした。
「1位を取れるとは思っていなかった。素晴らしい選手たちに勝つことができて、とてもうれしい」
驚異的な追い上げで下馬評を覆した。ロンドン五輪で同着の銀メダルだった朴泰桓と孫楊に挟まれた第5コース。2人は400メートルでは、それぞれ北京五輪とロンドン五輪を制し、欧米勢が中心だった自由形で世界トップに上り詰めたスイマーだ。
萩野は最初の50メートルこそ2位で通過したが徐々に離され、150メートルはトップの孫楊に0秒93差をつけられて3位でターン。それでもスタミナには自信がある。「朴選手がバテているなと感じた。何とか頑張れば食える(抜ける)かもしれない」とラスト50メートルで猛スパート。残り15メートルで両者をかわし、今季世界ランク2位の記録をマークした。