映像'14 毎月最終日曜日 24時50分~25時50分放送
≫次回放送は9月21日(日) 深夜1時20分~
かつて神戸は集団的自衛権の最前線だった。朝鮮戦争でアメリカ軍の出撃拠点となり、戦車や2万人を超える海兵隊が戦地に向かい、8000人近い日本の民間人が巻き込まれた。
アメリカに極秘で要請された海上輸送や掃海活動で多くの死傷者もでた。ベトナム戦争でも神戸はアメリカの軍事戦略に翻弄され続ける。核兵器を搭載した艦船が入港していた。集団的自衛権の行使容認が閣議決定された今、神戸は再びアメリカの軍事拠点となるのか。知られざる神戸の過去から考える。
「紹介しきれない。もう1時間放送できれば・・・」編集を終えた今、番組で伝えきれなかった“知られざる”事実の多さを前に悔しさを感じている。
戦後日本の安全保障政策が転換点を迎える中、慣れ親しんだ街から集団的自衛権を見つめたいと思ったのが取材のきっかけだった。
そして3か月間、機密解除されたアメリカの外交資料をひたすら読み込む日々が始まった。――神戸と米軍の関係は意外に古い。
戦後、アメリカの日本の占領政策方針は非軍事化と民主化だった。
しかし朝鮮戦争がその後の日本のあり方を決定づけた。人知れず日本の民間人が8千人以上参加させられていた。
そのとき出撃拠点の一つとなったのが神戸だ。掃海活動や海上輸送で多くの日本人死傷者が出たが、戦争放棄を謳った憲法違反となるため犠牲者の存在は闇に葬られた。
1952年に日本が独立を果たした後も神戸は米軍の拠点だった。核を搭載した空母が寄港し、京都と奈良の県境の弾薬貯蔵施設で核兵器を組み立てる部隊も駐留していた。
アメリカは共産主義からの防波堤として明確に日本を軍事戦略に組み込んだ。自衛隊が発足した後、日米安保条約が結ばれ、米軍基地が固定化された。
実はこの頃からアメリカは集団的自衛権の行使を水面下で日本に要請していた。
取材を進める中でいつも感じていたことがある。
安倍首相が提唱する“戦後”レジームからの脱却が、すなわち日米同盟の強化にかたよってはいないだろうか。日本を取り巻く安全保障環境が変化する中、一定の自衛力は必要だと考えるし、アメリカの軍事的な後ろ盾による抑止力も個人的には否定しない。
だが、何故、安倍首相のいう“押し付けられた”憲法の解釈を変更してまで集団的自衛権行使を容認し、日米の軍事的一体性の強化ばかりを優先するのか。
何故、日米地位協定や在日米軍基地といった不平等の是正に真正面から向き合わないのだろうか。この議論を避けたままで日米同盟が継続するのだろうか。
“知られざる不平等”をかいまみた今、進んでいるのは「戦後からの脱却」ではなく、「戦後の延長強化」なのではないか。そんな懸念を深めている。
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