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できごと
維新の党結党…かすむ野党再編、足もとも懸念抱え 「きちんとした野党必要」と橋下共同代表
新党名をめぐる対立など数々のハードルを乗り越え、日本維新の会と結いの党は21日、ようやく新党「維新の党」の結党大会にこぎ着けた。だが、政府・与党との立ち位置や国家観にはなお距離がみられ、懸念材料は抱えたままだ。新党が目指す安倍晋三政権に対抗する野党再編も、他の野党がそれぞれの事情を抱えており、見通しは立っていない。(内藤慎二)
「政府・与党に緊張感を持ってもらうためには、きちんとした野党を作る必要がある。これは維新、結いの一番の根幹の思いだ」
新党の共同代表に就いた橋下徹氏は結党大会でこう語り、安倍政権とは「是々非々」の関係で臨む考えを示した。
一方、元結い代表の江田憲司共同代表は安倍政権への協力姿勢をほとんど打ち出さず、ひたすら野党の結集を前面に出すことを訴えた。江田氏は、大会終了後の記者会見で「橋下氏と私の考えは全く一致している」と強調したものの、上京のたびに菅(すが)義(よし)偉(ひで)官房長官らとの会談が常態化している橋下氏との間で、対安倍政権の足並みがそろっているとは言い難い。
所属議員数で勝る「維新主導」の動きにも結い側は警戒心を完全には解いていない。維新側は当初「国会議員組織の役員会に党本部役員は出席させない」との規定を盛り込む予定だったが、国政に関わる権限の低下を懸念する江田氏側から激しい抗議を受け、再検討を余儀なくされた。
維新、結いの溝は、結党大会の会場でもみられた。結党大会の壇上には国旗が置かれ、大会に先立つ結いの臨時党大会に国旗はなかった。新党の綱領には「統治機構改革で『この国のかたち』を変える」と盛り込んだが、憲法改正など国政の根本的な課題での相違は対立に発展しかねない。
両者の共通点は綱領にも掲げた「改革勢力の結集」であり、さらなる野党再編の必要性では一致している。結党大会には民主、みんな、生活各党の代表から祝電が届き、橋下氏は記者会見で「政権を一度担った民主党のメンバーに旗を振ってもらいたい」と、なおラブコールを送った。
しかし、対与党の選挙協力には前向きな民主党も、野党再編は「必ずしも一つの党にまとまるということではない」(岡田克也代表代行)と「自主再建」に重きを置く姿勢を崩さない。海江田万里代表が意欲を示す生活との統一会派の結成すら進展せず、野党再編にどこまで本気で取り組むかは不透明だ。
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