愛人は職業!? 女性をお金で買う男性の心理
愛人とは職業である。いきなり、なんて冗談をと思われるかもしれない。
しかし、現役の愛人たち──A子さん、芳野さん、えりさん、3人の赤裸々な対談を読めば、それが事実だとわかる。とても倫理的とは言い難いが、需要があるからこそビジネスとして成り立つ。
彼女たちを求める男性の心理とは。今回は、とある本の内容からひもといていく。
ご年配の男性とお付き合いしているA子さんの場合。
お相手のTさんは、大学進学で上京してきた彼女に住む家まで与え、月80万もの施しをしてくれると言う。そんなに高額であるにも関わらず、意外にもA子さんに体の関係をせまることは少ないとのこと。学費や祖父の医療費、実家の借金と、三重苦のA子さん。彼女自身も、助けてくれるTさんへの期待に応えようと努力を惜しまない。料理やおしゃれは当然、ジェネレーションギャップを埋めるため、Tさんの好きな歌やドラマなどを借りているのだそうだ。また学費としてもらった分、学校の勉強も怠らない。
同じように、“単純に、若い女の子と定期的にデートをして人生を新鮮に過ごしたい”という相手と関係を持ったことがある芳野さん。彼女はこう分析する。“仕事がひと段落すると、他人に奉仕したくなるんだよ。”
また、月80万という金額については。“怠けないから高額なのかも(笑)TさんはA子ちゃんの将来に期待しているんだろうね。”Tさんが愛人に求めるものは、若さだけでなく、勤勉さ、そして何より将来性なのだ。
えりさんの場合。
男性側は独身の会社員、なのに彼が愛人として関係を求めるのは、下記の理由から。
性欲だけ補いたい、今は仕事以外したくない……27歳という若さながら役職が付いており、残業になることも多いのだそう。
彼を待つ間、えりさんは12時までは会社近くの喫茶店で、それを過ぎると屋外へ。雪や雨、ひどい花粉症にも耐える。そうまでして待たせるなんて、彼氏だったら最悪だ。それでもえりさんは、将来的には彼との結婚を望む。“貰ったお金は結構貯金しているもん。結婚資金みたいな感じで。”
これに対し芳野さんは、“愛人の給金は、口止め料と、結婚や恋をねだらないでくれっていう抑止力だ”と指摘する。“お金を渡さない分、男性側も我慢するのが恋。お金を渡して、我慢しないで済むのが愛人かな。”
ならば、結婚については。“愛人と結婚したい男は少ないよ。妻と、愛人と、二人で一対だから。どちらかが抜けたら、どちらも壊れるから。えりちゃんの相手の場合は、仕事とえりちゃんと他の何か……全部ないとダメなんだと思う。”
いずれ、彼も家庭を考える日がくるだろう。そのとき彼が妻として迎えるのは、えりさんだろうか、それとも……。献身的なえりさんの努力が報われることを祈りたい。
最後は、過去に6人の男性と愛人関係を持ってきた芳野さんの場合。愛人を持ちたがる男性には、下記のようなことを言う人が多いのではと指摘する。“学生時代の恋人と結婚して、奥さんを好きだけれど他の女も見てみたい人とか、男としての自信を取り戻したいとか。”
男はプライドの高い生き物。妻以外の女性にも好かれたい気持ちがある。ただプライドだけで、わざわざ愛人へのコストをかけたり、妻に隠し事を持つリスクを負ったりしない。
“今は妻より愛人の方が好きだけれど、妻を捨てて愛人と結婚したら、元妻の方がよかったって言い始める。絶対的な何かを求めて、今目の前にある幸せが分らないっていうか……。”
そんな男性らに、愛人たちもただ翻弄(ほんろう)されるわけにはいかない。“『恋人』っぽく演じながら、情をうつさないこと”と、芳野さんはくぎをさす。“何かあった時に、刺されるのは夫たちじゃなくて愛人側だから。”じっさい、二人目の交際相手の奥さんとは、刃傷沙汰になったのだそう。「愛人」業は、命がけだ。
これを読んで筆者も、愛人や、愛人を持ちたがる男性についての考え方が変わった。広がる経済格差から、愛人でなければ生きていくこともままならなかった彼女たち。“倫理じゃお腹は膨れない時がある(笑)体を売ってやりたいことができるなら、売った方がましな時がある。”と、芳野さんは言う。
生きるということは難しい。ただ、彼女たちの言葉は、決して暗くはない。どん底でありながらも笑う。「愛人」だから、努めてそう振る舞っているだけだとしても。生きることに絶望しない。そして結局、男性は彼女たちのそういったひたむきさに惹(ひ)かれ、「愛人」として受け入れているのかもしれない。
彼女たちの対談が収められた『40万で処女を売ったA子 イマドキ愛人事情』(神埼晃著/impress QuickBooks)は、kindle、楽天koboで好評発売中だ。
(平原 学)
しかし、現役の愛人たち──A子さん、芳野さん、えりさん、3人の赤裸々な対談を読めば、それが事実だとわかる。とても倫理的とは言い難いが、需要があるからこそビジネスとして成り立つ。
彼女たちを求める男性の心理とは。今回は、とある本の内容からひもといていく。
1.おじいちゃんが孫をかわいがるみたいに
ご年配の男性とお付き合いしているA子さんの場合。
お相手のTさんは、大学進学で上京してきた彼女に住む家まで与え、月80万もの施しをしてくれると言う。そんなに高額であるにも関わらず、意外にもA子さんに体の関係をせまることは少ないとのこと。学費や祖父の医療費、実家の借金と、三重苦のA子さん。彼女自身も、助けてくれるTさんへの期待に応えようと努力を惜しまない。料理やおしゃれは当然、ジェネレーションギャップを埋めるため、Tさんの好きな歌やドラマなどを借りているのだそうだ。また学費としてもらった分、学校の勉強も怠らない。
同じように、“単純に、若い女の子と定期的にデートをして人生を新鮮に過ごしたい”という相手と関係を持ったことがある芳野さん。彼女はこう分析する。“仕事がひと段落すると、他人に奉仕したくなるんだよ。”
また、月80万という金額については。“怠けないから高額なのかも(笑)TさんはA子ちゃんの将来に期待しているんだろうね。”Tさんが愛人に求めるものは、若さだけでなく、勤勉さ、そして何より将来性なのだ。
2.恋をしたら、相手のことを大切にしなきゃいけないから面倒
えりさんの場合。
男性側は独身の会社員、なのに彼が愛人として関係を求めるのは、下記の理由から。
性欲だけ補いたい、今は仕事以外したくない……27歳という若さながら役職が付いており、残業になることも多いのだそう。
彼を待つ間、えりさんは12時までは会社近くの喫茶店で、それを過ぎると屋外へ。雪や雨、ひどい花粉症にも耐える。そうまでして待たせるなんて、彼氏だったら最悪だ。それでもえりさんは、将来的には彼との結婚を望む。“貰ったお金は結構貯金しているもん。結婚資金みたいな感じで。”
これに対し芳野さんは、“愛人の給金は、口止め料と、結婚や恋をねだらないでくれっていう抑止力だ”と指摘する。“お金を渡さない分、男性側も我慢するのが恋。お金を渡して、我慢しないで済むのが愛人かな。”
ならば、結婚については。“愛人と結婚したい男は少ないよ。妻と、愛人と、二人で一対だから。どちらかが抜けたら、どちらも壊れるから。えりちゃんの相手の場合は、仕事とえりちゃんと他の何か……全部ないとダメなんだと思う。”
いずれ、彼も家庭を考える日がくるだろう。そのとき彼が妻として迎えるのは、えりさんだろうか、それとも……。献身的なえりさんの努力が報われることを祈りたい。
3.愛人と恋人みたいに過ごしたい
最後は、過去に6人の男性と愛人関係を持ってきた芳野さんの場合。愛人を持ちたがる男性には、下記のようなことを言う人が多いのではと指摘する。“学生時代の恋人と結婚して、奥さんを好きだけれど他の女も見てみたい人とか、男としての自信を取り戻したいとか。”
男はプライドの高い生き物。妻以外の女性にも好かれたい気持ちがある。ただプライドだけで、わざわざ愛人へのコストをかけたり、妻に隠し事を持つリスクを負ったりしない。
“今は妻より愛人の方が好きだけれど、妻を捨てて愛人と結婚したら、元妻の方がよかったって言い始める。絶対的な何かを求めて、今目の前にある幸せが分らないっていうか……。”
そんな男性らに、愛人たちもただ翻弄(ほんろう)されるわけにはいかない。“『恋人』っぽく演じながら、情をうつさないこと”と、芳野さんはくぎをさす。“何かあった時に、刺されるのは夫たちじゃなくて愛人側だから。”じっさい、二人目の交際相手の奥さんとは、刃傷沙汰になったのだそう。「愛人」業は、命がけだ。
これを読んで筆者も、愛人や、愛人を持ちたがる男性についての考え方が変わった。広がる経済格差から、愛人でなければ生きていくこともままならなかった彼女たち。“倫理じゃお腹は膨れない時がある(笑)体を売ってやりたいことができるなら、売った方がましな時がある。”と、芳野さんは言う。
生きるということは難しい。ただ、彼女たちの言葉は、決して暗くはない。どん底でありながらも笑う。「愛人」だから、努めてそう振る舞っているだけだとしても。生きることに絶望しない。そして結局、男性は彼女たちのそういったひたむきさに惹(ひ)かれ、「愛人」として受け入れているのかもしれない。
彼女たちの対談が収められた『40万で処女を売ったA子 イマドキ愛人事情』(神埼晃著/impress QuickBooks)は、kindle、楽天koboで好評発売中だ。
(平原 学)