外出で恐怖7割、性被害や暴力行為も 県視覚障害者協会アンケート
埼玉新聞 9月21日(日)16時24分配信
県内で視覚障害者や盲導犬に対する暴力が明らかになる中、県視覚障害者福祉協会(熊谷市)は20日、県内の会員や盲学校の生徒ら112人から得た被害状況などの調査結果を発表した。外出で危険や恐怖を感じたことがある人は、約7割の75人に上った。悪質なケースでは、白いつえがぶつかった腹いせに顔や体をたたかれたり、道案内すると言われ性被害に遭ったなどの実態が明らかになった。
外出で危険や恐怖を感じた経験を持つ75人のうち、白いつえや体の接触により罵声を浴びせられるなどの被害に遭ったのは47人。怒鳴られたり、顔や体をたたかれたほか、「車や自転車に白いつえを飛ばされた」「折られた」など、対人接触から被害を受けるケースが大半を占めた。人通りの少ない場所に案内されて胸を触られ、抵抗するとブラウスを引きちぎられた女性がいたほか、複数の人に囲まれ「金を出せ」と脅されたケースもあった。
駅構内やホームでの被害も多くみられた。「電車がつえを挟んだまま動いてしまった」「電車とホームの隙間に落ちてけがをした」など大きな事故につながりかねない実態が浮き彫りになった。さらに「ホームで電車を待っている時、電車が動いているのに後ろから押された」など、混雑の多い駅は視覚障害者にとって常に危険が伴う。
同協会理事で自身も視覚障害を持つ石川晶夫さん(50)は「視覚障害者が何らかのトラブルに巻き込まれることは日常茶飯事。僕らは目が見えないから泣き寝入りするしかない。それはとても悔しいこと。つえの意味、点字ブロックの意味を多くの人に理解してほしい」と話している。
今回の調査は、盲導犬が鋭利な物で刺される事件や県立盲学校に通う女子生徒が足を蹴られる事件を受け、同協会が実態を把握するために実施。視覚障害者用の「音声読み上げソフト」を使い、約300人にメールで協力を求めた。同協会副会長の宮城正さん(53)は「被害の実態がここまで詳細に分かるのは初めて。盲導犬や女子生徒の事件が偶然の出来事ではないことを知ってほしい」と訴えている。
最終更新:9月21日(日)16時24分
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