集中的に大量のデータを送りつけてウェブサイトをパンクさせる「DDoS(ディードス)攻撃」でオンラインゲーム運営会社の業務を妨害したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は18日、熊本市在住の高校1年の少年(16)を電子計算機損壊等業務妨害の疑いで書類送検した。同課によると、DDoS攻撃を仕掛けた人物を立件するのは全国初という。
DDoSは「Distributed Denial of Service」(分散型サービス妨害)の略。サーバーの処理能力を超える大量のデータを送りつけ、ウェブサイトを表示できなくしたり、表示を遅くしたりする。
送検容疑は今年3月19~20日、DDoS攻撃を代行する海外の有料サイトを使って、「ゲームオン」(東京)のサーバーに33回にわたって大量のデータを送りつけ、業務を妨害した疑い。同社が運営するオンラインゲームを妨害するのが目的だったという。
少年が海外サイトに攻撃先のIPアドレスを指示。発信元を隠すため、設定に不備のある国内外のサーバーを経由して、大量のデータを送りつけていた。サイバー犯罪対策課によると、少年は「ゲームの運営方法に不満があった。DDoS攻撃したらダウンして面白くなり、何度かやった」と話している。
少年は戦闘ゲームの利用者だったが、同社からアカウントを凍結されて遊べなくなったことに腹を立てたという。少年は別のゲーム会社2社にもDDoS攻撃をしたと話しており、サイバー犯罪対策課が調べている。
ゲームオンのサーバーには、最大で通常の約20倍の負荷がかかり、約10時間にわたって使用不能になった。同社が今年8月、渋谷署に被害届を出していた。サーバーの接続履歴から少年の関与が浮上したという。
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