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実用性が高い、コールセンターの“督促OL”によるスキルたち

「今度電話してきたら、ぶっ殺す!!」と言われに行く職場。あまりにもな環境で、数々のスキルが開発された。

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昔、某「光○信」でテレアポのバイトをしていたのだが、二度とやりたくない。確かに、時給は良い。1200円+歩合給で、契約を取り付ける度に報酬が発生する。壁には各バイトの名前が記されたグラフがあり、一つ契約を取るとそこにお花が貼られていく。表を見れば、誰が優秀かは一目瞭然。競争意識を喚起する意味合いもあるのだろうか? しかし、私は数ヶ月で脱落してしまう。
でも、それでも、私はどちらかといえば持った方。見切りをつけ、一カ月も経たないうちに辞めてしまう人も少なくなかったから。そして、雇う側もそれは承知の上だったように見えた。恐らく、私のバイト歴の中で最もハードだった職種である。

電話越しに怒鳴りつけられる苦痛と消耗度合いは、忘れられない。ハッキリ言って、しんどい。そして、その対策法としては「感情を消す」くらいしか無いと私は思っていた。
……あの頃にこの本を読んでいたら、もっと上手に電話業務をこなせていたかもしれない。昨年、文藝春秋から発売された『督促OL 修行日記』(著・榎本まみ)が良いのだ。信販会社に入社し、コールセンター(支払い延滞顧客への督促を行う部署)に配属されたOLによる奮闘記である。
いや、それだけではない。入社時には全く成績が出せなかった著者だが、遂には300人のオペレーターを指示するチームに最年少で配属され、年間2000億円の債権を回収するまでになる。そんな姿が記録された、現代の成長記。
「ツイッター経由で著者が更新していたブログの存在を知り、書籍化をアプローチしました」(文藝春秋「CREA」局出版部・井上敬子氏)
榎本氏が2010年より始めているブログや、当時連載されていたJCASTのコラムなどを元に大幅加筆、書籍用に書き下ろして出来上がった一冊だそう。

それにしても同書、ツカミが秀逸である。ページを開くと、いきなり「今からお前を殺しに行くからな」なんて物騒な文章が目に飛び込んでくるのだから……。
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ライター情報: 寺西ジャジューカ

1978年生まれ。ブライアン・ジョーンズとビートたけしと前田日明と大江慎也と有吉弘行を敬愛する。
好物=局アナ、篠田麻里子

Twitter:@T_joujouka
Facebook:寺西ジャジューカ

2013年3月19日 07時00分

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