ジーター、お待たせ今季本拠１号　ホーム最後の８連戦で複数安打スタート

　【ニューヨーク穐村賢】今季限りでの現役引退を表明しているデレク・ジーター遊撃手（４０）が１８日のブルージェイズ戦で、地元では今季初となるソロアーチを左翼席に架けた。

　１点リードの６回１死走者なし。カウント３ボール１ストライクから、ブ軍先発ディッキーの真ん中高め、８２マイル（約１３２キロ）直球をたたくと、打った瞬間それと分かる打球が左翼ポール際へ消えた。「彼はナックルボーラーだが、何球かに１球は直球を投げてくる。私は原則、直球待ちだしね」とジーター。本拠地ではこの日を含め残り８戦。その初戦を本塁打を含む複数安打で飾り、チームも快勝とあって、自然と表情も和らいだ。

　今季は出場１３６試合で打率２割５分、４本塁打、４１打点ともうひとつの成績。チームもポストシーズン（ＰＳ）進出が厳しい状況だが、主将らしく「これからの試合も、とにかく勝つという気持ちで戦うだけ」と諦めない姿勢を示した。

　ジーターの“さよなら興行”は最終章に入った。スポーツ飲料「ゲータレード」がこの日からインターネット上で、ジーターの日常をフランク・シナトラの名曲「マイウェー」に乗せて紹介する１分３０秒間の特別ＣＭを流し始めるなど、有終への機運は高まるばかりだが、本人は「最後の最後まで全力を尽くし、キャリアを全うするだけ」と感傷に浸ることもなく、勝負に徹する。