通信サービスのトラブルに対する消費者保護策を検討している総務省のワーキンググループ(WG)は18日の会合で報告書案をまとめた。焦点となっているスマートフォン(スマホ)の購入・契約直後の解約について店舗で購入済みの端末は解約後の返品・返金の制度化を見送るとした。消費者はLTEなどの回線契約は違約金なく解約できるが、数万円に上る端末代金は支払いを求められることになる。
6月末にまとめたWG中間報告では、消費者は回線契約の解約とともに端末も無条件で返品でき返金を受けられるとする、踏み込んだ案を提示していた。販売店や通信事業者からの反論を受け、こうした消費者保護策が大きく後退した格好となった。
総務省は報告書案に対する意見募集(パブリックコメント)を経て電気通信事業法などの改正案をまとめ、早ければ15年の通常国会に提出する方針。
WGの中間報告では特定の事業者でしか使えない「SIMロック端末」について、解約後に消費者が販売店に返品でき、販売店はこれに応じ返金するよう義務付ける方針を示していた。その後、8~9月の会合でヒアリングに出席した販売店関係者らは「返品・返金制度を乱用する消費者が出る恐れがある」「返品された端末は再販売できず、販売店の経営に与える影響が大きい」と主張。通信事業者からも「契約前のお試しサービスやトラブル時の相談窓口などを整備する」との表明があった。これらを受けWGが方針を変更した。
通信販売や訪問販売など店舗以外で端末を購入・契約した場合は、中間報告と同様に購入直後の返品・返金制度の対象とする方針。またLTEや第3世代携帯電話(3G)などの回線契約は、違約金なしで契約直後に解約可能とする中間報告の内容を踏襲した。
18日の会合では今回変更された店舗での端末返品・返金について議論が集中。複数のメンバーから「通信会社や販売店は端末が実質0円であることをアピールして販促しており、解約後に高額の端末代金を請求するのは消費者保護に反する」「解約後のSIMロック端末が消費者の手元に残っても使えない」など異論が相次いだ。
結局「通信サービスに関する苦情の件数や内容、トラブル発生後に解決された比率などを監視し、改善が見られなければ店舗における端末の返品・返金の制度化を改めて検討する」との方針を確認した上で、報告書案を原案通り了承した。ただ、監視期間や再検討の時期などの具体案は議論されていない。
WGではこれまで、購入直後の解約や返品・返金を「クーリングオフ」と表記していたが、特定商取引法などで定めるクーリングオフと趣旨や内容が異なるとして「初期契約解除」という名称に改めるとした。
(電子報道部 金子寛人)
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クーリングオフ、スマートフォン、返品、総務省
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