イタリア全国紙「レプブリカ」は19日、データ集計を専門に扱う企業と共同で制作した「イタリア人のサッカーに対する意識調査」の集計結果を公表している。
ブラジルW杯で惨めな敗戦を喫したイタリア代表だが、国内のサッカー人気は低下するどころか上昇。イタリア代表監督に就任したコンテには、多くのサッカーファンから絶大な信頼が寄せられている。
その一方でタベッキオ会長を含むイタリアサッカー協会は、10人中2人の支持しか得られていない。
あなたはサッカーファンですか?
サッカーファンであると答えた人は全体の40%。2010年に比べて12%も減少してはいるが、昨年より4%上昇している。
どの程度のファンですか?
サッカーファンであると回答した人には、熱中度を10段階で評価してもらった。1〜6がライト層、7〜8が熱心なファン、9〜10が熱狂的ファンと定義する。昨年に比べて熱狂的なファンは5%低下、ライト層が5%上昇している。
試合をどうやって追いかけているのか
残念ながら昨年に比べて「スタジアムで観戦する」と回答した人は5%下落している。これはスタジアム環境の悪さが大きく影響しているのだろう。有料TV放送、無料TV放送、PCやタブレット・スマートフォンなどわずかに減少している中、飛躍的な伸びを見せたのがラジオ中継だ。ラジオは特に若年層からの人気が高い。
好きなクラブは?
相変わらずイタリアではユベントスが圧倒的な人気を誇る。インテルとミランのファン数を足して、ようやくユベントスを超えるくらいだ。4位はイタリア南部で人気を集めるナポリ。首都ローマに本拠地を構えるASローマが続く。
嫌いなクラブはありますか?
嫌いなクラブがあると回答した人は54%。2年前より減っているが、4年前は42%だった。
嫌いなクラブはどこですか?
圧倒的な人気を誇るユベントスだが、嫌いなクラブがあると回答したファン(54%)の約半数28%がアンチ・ユベントス。インテルとミランも嫌いなクラブとして上位にいるが、近年に比べるとアンチの数は減っている。
ビッグクラブ3チームの敵対関係
嫌いなクラブがあると回答したインテルのファン81%、ミランファン70%が「嫌いなクラブはユベントス」。ミラノダービーを戦う間柄であるものの、両クラブともユベントスの方がよっぽど嫌いなようだ。アンチ・ミランのインテルファンは11%、アンチ・インテルを唱えたミランファンは30%に留まった。
ミラノの両クラブから目の敵にされているユベントスのファンは、半数以上(57%)がインテルが嫌いだと回答。ミランを憎んでいるファンはその半分以下の22%だ。
イタリア代表監督のコンテを支持するか
74%のファンがコンテを信頼している。特に「熱狂的ファン」と回答している人たちの80%がコンテを支持。3連覇を達成したユベントスより、ミランファンからの支持率が高いところも面白い。一方でローマファンの支持率は62%と、他のクラブに比べるとかなり低い。
審判、協会、協会会長を信頼していますか?
カルチョポリが発覚してから、イタリア人主審は疑惑の目を向けられる対象となった。それでも現在では62%のファンの信頼を集めている。ライト層よりも熱心なサッカーファンたちから信頼される傾向にある。
W杯での惨敗から新体制となり再スタートを切ったイタリアサッカー協会だが、27%のファンにしか信頼されていない。特にライト層の支持率は15%と極めて懐疑的だ。
原因は協会会長に就任したタベッキオ氏に由来するところが大きい。人種差別発言など様々な失言により、世論は完全に新会長を目の敵にしている。タベッキオ会長を支持するファンは全体の21%しかいないのだ。
外国人枠を制限すべき?
外国人選手の数を制限して、イタリア人選手の枠を確保する案が浮上している。これには76%のファンがイタリアサッカーとアズーリの将来を危惧して賛成票を投じている。クラブの競争力が落ちることから反対しているファンは21%に留まった。特に「熱狂的なファン」の賛成票が多い部分にも注目したい。
スタジアムの人種差別行動は問題か?
人種差別コールによりゴール裏閉鎖が相次いだ昨シーズンのセリエA。2013年に続いて80%を超えるファンが「極めて重大な問題」だと回答している。