久しぶりにAmazonでエラリー・クイーンの作品を眺めていたらビックリ!!
なんと角川文庫版の「国名シリーズ」の表紙がラノベテイストになってるやんけ!!
2013年に出版されているので、もう1年前か。持っている本の表紙をわざわざチェックしたりしないからな、気付かなかった。
なんかイメージと全然違うけど……(苦笑)
個人的にはクイーンよりもドルリー・レーン(悲劇4部作の探偵役)のほうがイラストに向いていると思う。
「引退した耳の聞こえないシェイクスピア俳優」なんて絵になるじゃない?
でもイケメンじゃないからダメなのかな。
日本の小説ではもう珍しくもなんともないラノベ風表紙ですが、しかし、海外の古典ミステリまでこんなイラストがつくっていうのはスゴイですね。
(クイーンの国名シリーズは「ローマ帽子」1929年で、残りはすべて1930年代の作品)
時代は変わっていくな。
本格ミステリはラノベ風表紙むき
ただ、本格ミステリってのはもともと登場人物が記号化・キャラ化されているところがあって、「国名シリーズ」の探偵クイーンも「主人公」「名探偵」としての役回りで統一されているわけです。
(中後期のクイーンの作品では話が違ってきますが)
本格ミステリというのは、どこかコミック的で、キャラ小説めいてる。
そういう意味では、文学作品に比べると、本格ミステリ作品はラノベ風表紙はマッチしやすいジャンルだと思う。思った。
だから、マンガにしても違和感が無い作品が多いし。
エラリー・クイーンは少女漫画にもなっていたけど、小説より読みやすかったくらいだもん。
いまいち評価の高くない「悪魔の報酬」「ハートの4」「ドラゴンの歯」あたりはマンガにしたら面白くなりそうだ(もともと映像化を考えていたフシがあるわけだから……)
もともと、日本でも一番はじめにラノベ風表紙がつきはじめたのは、本格ミステリなんじゃないだろうか?メフィスト賞作家たち。
ホームズもイラスト入りだった
そういえば……
シャーロック・ホームズは最初に雑誌に連載された時からシドニー・パジェットというイラストレーターによる挿絵が入っていて、好評だったそうです。
ホームズがよくかぶっている鹿撃ち帽(ディア・ストーカー)は原作には記述がなく、イラストによってイメージが定着した、というのは有名な話。
イラストがあるのが悪いってことはないよね。
PS:調べたら角川文庫はホームズまで表紙がこんなになっていた……これは嫌だなあ。
パスティーユならともかく、原作にはもとのイラストを使って欲しい。
イメージと違うのはちょっと困る
ただ、もともとイラストが無い状態で読んだ本だと、イメージが崩壊する恐れはあるな。
「日本のクイーン」こと有栖川有栖さんの火村英生シリーズは、イラストを見て、完璧にイメージ崩壊しましたもん。
まあ、女性人気の高いシリーズなのでこうなるんだろう。でもな……
始めて読むときにこのイラストで読んでいたら、別におかしいことはない。いや、そもそも読まなかったと思うけど。
でも、私の中ではもっとよれっとした社会不適合者みたいな風貌でしたから(苦笑)火村シリーズはすっかり読まなくなってしまいましたね。
最初に紹介したエラリー・クイーンもだいぶ違うしなあ。なんかもうちょっと伊達男な感じなんだよな。
あと、本格ミステリはともかく、純文学作品などのラノベ風表紙には、私はまだ抵抗がありますね。
そんなに読む方じゃないから別に良いんだけど……