中学生の喫煙:「親が吸う」と喫煙率2倍にも
毎日新聞 2014年09月20日 15時00分(最終更新 09月20日 15時39分)
◇男子生徒は友人の喫煙も影響
中学生の喫煙行動は親の喫煙に影響されていることが、宮崎県立看護大の江藤敏治教授(予防医学)らの調査で分かった。男子生徒の場合は、友人の喫煙も影響していることが示された。
江藤教授らは2007〜10年、九州の14中学校の1〜3年生約4900人を対象に調査を実施した。「たばこを吸っているか」との質問に、「吸っている」と答えた生徒は全体で3.3%(153人)、男子4.5%(110人)、女子1.8%(43人)だった。
過去の調査でも、中学生の喫煙率は3%前後だったが、今回は周囲の喫煙状況を合わせて聞いた。その結果、保護者の喫煙率は58%で、保護者がたばこを吸わない中学生の喫煙率は2.1%だったが、保護者が吸う場合の喫煙率は3.9%と、1.9倍も高かった。
また「周りに喫煙している生徒がいるか」と聞いたところ、「いない」と答えた男子の喫煙率が3.4%だったのに対し、「いる」と答えた男子の喫煙率は8.6%と大幅に高かった。女子は違いはなかった。
江藤教授は「たばこについての正しい知識を持てるように、家族への啓発活動が重要であることを示す結果だ。害だけではなく、自分や家族の体を大切にしようと伝えることが効果的だ」と話す。【下桐実雅子】