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「第15回広島国際アニメーションフェスティバル」【番外編】

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アニメーション史研究家の津堅信之氏。

――『海外では、もはや「アニメ」と「アニメーション」とは、別もの!』。今年2月28日に祥伝社より上梓された日本のアニメは何がすごいのか-世界が惹かれた理由は、そんなオビに書かれた惹句が印象的な新書だ。“アニメ”と“アニメーション”が別物である点について、日本人にはピンと来ないのは、“アニメ”が“アニメーション”の略称でしかないためである。ところが、海外では“Anime”と“Animation”で表記が完全に区別されている。日本のマンガが“Manga”で通じているのと同じく、日本の“アニメ”が“Anime”で通じているのだ。

 では“Animation”は何なのかというと、主に日本ではいわゆる「商業」ではなく「アート」として扱われるテイストの作品が多くを占める(ちなみに日本人が制作した「アート」方面の作品も“Animation”になるので注意したい)。今回、このあたりの話のややこしさを整理すべく、アニメーション史研究家で、京都精華大学マンガ学部アニメーション学科准教授でもある著者の津堅信之さんに、第15回広島国際アニメーションフェスティバル(以下、広島)の会場で、“アニメ”と“アニメーション”について話を伺った。

津堅信之さん(以下、津堅)「“アニメ(Anime)”と“アニメーション(Animation)”の見られ方としては本に書いた通りで、日本のいわゆる商業“アニメ”が、ローマ字の“Anime”と表現されるのに尽きると思う。ただ、紹介する日本人の側が”アニメ”と”アニメーション”を区別する際の統一感がとれてないので、そこにむしろギャップがあるかなと。本のオビは、編集さんが面白がって作ったんだけど」

 断っておくと、本書は「あなたは、日本のアニメを誤解している!」とオビに大書されているように、海外での日本のアニメ需要が実情とかけ離れて論じられていることに対する警鐘となっている。この原因は、マスコミの伝え方が断片的・恣意的で、前後の文脈を省略していることにあるだろう。こうした論点については本書を読んでもらうとして、本稿では本書でも扱われている“アニメ”と”アニメーション”の違いについて、深く話を伺っていく。

津堅「“アニメ”という言葉ができたのが『鉄腕アトム』の頃だとすると、1963年で、リミテッド(アニメ)かフル(アニメーション)かという違いは伝聞でしかなかった。杉井ギサブロー監督が虫プロダクションに入った時に、『先生、これじゃ(作画枚数が足りなくて)動かないですよ』と手塚治虫に言ったら、手塚は『いいんだ。これアニメだから』って聞いたという話はよく出る。以前に調査した当時のもので、雑誌『映画評論』の中に連載されてた森卓也さんの『アニメーション入門』って本がある(本は66年刊)。それは連載されてたのが62年だけど、その中でも森さんが“アニメ”という言葉を使っているので、『鉄腕アトム』のちょっと前から映画雑誌では使われ始めてた。ただ、森卓也さんは単純にアニメーションの略語として使ってて、日本の“アニメ”と海外の“アニメーション”との区別として使ってるわけではない。意識して使い分けるようになってきたのは80年代から。つまり“テレビマンガ”とか、“マンガ映画”とかの言葉が一般じゃなくなってきている時期からになる」

 ちなみに今回の広島では、生前に手塚治虫が手がけていた『森の伝説』の未完部分に関して、「第二楽章」を実の息子である手塚眞さんが完成させ、ワールドプレミア(世界初公開)したことでも注目された。『森の伝説』の「第一楽章」と「第四楽章」は、“アニメ”と“アニメーション”を織り交ぜた作品としても有名だ。

津堅「これも本(『日本のアニメは何がすごいのか』)に書いたことだけど、80年代にNFB(カナダ国立映画制作庁)とかの作品が紹介された時に、研究者や熱心なファンの話の中でも“アニメ”と“アニメーション”を使い分けようという不文律みたいなのができはじめた。決定打になったのは、海外で“Anime”って(言葉が)ローマ字で各国語で流布するようになったこと。それで逆に僕らも“アニメ”と“アニメーション”の峻別がやりやすくなった。もしそれがなければ、“アニメ”と“アニメーション”は違うんだといってもマニアックすぎる話のように受け取られてきたかもしれない」

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