はやぶさ2:公開 12月打ち上げ予定、有機物採取目指す

毎日新聞 2014年08月31日 19時18分(最終更新 08月31日 21時34分)

公開された「はやぶさ2」の機体。右側面の中央に見える丸い部分が再突入カプセル。下部にのぞく金属部分があらたに設置された衝突装置=神奈川県相模原市で2014年8月31日午後2時57分、梅村直承撮影
公開された「はやぶさ2」の機体。右側面の中央に見える丸い部分が再突入カプセル。下部にのぞく金属部分があらたに設置された衝突装置=神奈川県相模原市で2014年8月31日午後2時57分、梅村直承撮影

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は31日、今年12月にも打ち上げ予定の小惑星探査機「はやぶさ2」を、相模原市で報道陣に公開した。世界で初めて小惑星イトカワの微粒子を採取し、2010年に帰還を果たした「はやぶさ」の後継機。新たな技術で、生命の起源とされる有機物を含む試料を持ち帰ることを目指す。

 探査する小惑星「1999JU3」(直径920メートル)には、太陽系誕生初期の状態を残す水を含む鉱物や有機物があると考えられている。今回、小惑星表面に加え、人工的にクレーターを作り、内部の岩石採取も狙う。機体はそのための衝突装置や、水の存在を探るセンサーを新たに備えた。鉱物分析用の小型着陸ロボットも搭載する。

 高さ1.25メートル、幅1メートルで、宇宙空間で太陽電池パネルを開くと幅6メートルになる。重さ約600キロ。18年に小惑星に到達し、試料を入れたカプセルを20年に地球に帰還させる計画だ。開発費は約289億円。

 責任者を務めるJAXAの国中均プロジェクトマネジャーは「成功すれば有機物がどう進化してきたかが分かり、世界に大きなインパクトを与えられる。気を引き締めて新たな航海に立ち向かいたい」と語った。【千葉紀和】

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