原監督(右端)が五回に2ランを放った阿部をベンチ前で出迎え。V3へラストスパートだ (撮影・中鉢久美子)【拡大】
ヨーでる♪ ヨーでる♪ 脳内を駆けめぐるメロディー。最近、子供と口ずさんでいる「ようかい体操第一」の歌詞そのままに、阿部に9月初めての本塁打が、出た。
「前の2打席は三振していたので、開き直っていった。最悪でも走者を進める打撃を意識したけど、高めにスライダーが浮いてきたので振り切った。久しぶりに会心の当たりだったよ」
2-0の五回無死二塁。フルカウントから石川の真ん中高めのスライダーをフルスイング。右翼席上段へ、8月29日のDeNA戦(横浜)以来の18号2ラン。石川からは、三浦(DeNA)の11本に次いで多い通算10本目のアーチ。“よう出る”相手から、打った。
「ようかい体操第一」は、ゲームやアニメで大人気の「妖怪ウォッチ」の中の1曲。阿部家の3人の子供たちもアニメに夢中で、「ヨーでる♪ ヨーでる♪ ってね。テレビをよく見ているよ」。考えてみれば、これほどバッターにとって縁起のいい歌詞もない。安打も本塁打も“よう出る”。最高のおまじないだ。
喜ぶ子供の笑顔はパパにとって何よりの癒やし。前日18日には広島から朝一番、午前7時45分発の航空機で帰京した。9連戦明けで、パパの帰りを待ちわびる子供たちのため、「きょうは相手をしてあげないとな」と眠い目をこすりながら家路に就いた。そしてこの日は再び、もはや当たり前の光景となった若手に交じっての早出特打。働くパパに戻った。