お立ち台では福留(右)にうながされ、両手で「10勝」をアピール【拡大】
一方で「もっと勝てた」とも…。24度目の先発。2年目は試行錯誤の日々だ。研究されるプロは、同じことをしていたら勝てない-。ブルペンでは「今のは体が開いていますか?」「シュート回転は?」など、より細かく相手に聞いているという。さらに昨年はサイン通り投げたが、今年は「いろいろ考えている。迷うこともあるけれど、勉強して、上のレベルにいきたい」と、自分の意思を配球に込めた。
結果、思うように成績が出ない。5月20日のオリックス戦ではプロワースト2回6失点で首脳陣から最後通告を突きつけられた。知人に「2軍に落ちるかも」とも漏らした。昨季は感じなかった弱気、悩める日々。それでも己で乗り越えた。
支えたのは、強じんな体だ。1年間を戦い抜くべく、今年は球団トレーナーと話し合い、ウエートの方法を変えた。上半身の日、下半身の日と細かく分け、計画。6月末からは夏バテとけが予防のため、試合前練習が始まる1時間前から誰もいない聖地を走った。「暑くなる前に走らせることで体が暑さに慣れやすくなるし、つったりということがなくなる」と土屋トレーナー。ここまで投球回数は「157」。シーズンの規定投球回144を、初めて超えた。