短期市場こうみる:短国に利回り低下余地、日銀は積極買入継続か=東短リサーチ 寺田氏
[東京 26日 ロイター] -
<東短リサーチ・研究員 寺田寿明氏>
26日に行われた新発3カ月物国庫短期証券の最高落札利回りが約8年4カ月ぶりの水準に低下した。6月の四半期決算期末を控えて、余剰資金を債券運用でつぶしておきたいとする国内投資家の需要が強かったのだろう。
日銀の積極的な買い入れで、国庫短期証券の需給が引き締まっていることも見逃せない。日銀は、27日にも買い入れ(スタート日:7月1日)を通告する可能性がある。
7月の資金需給を見渡すと、財政等要因を中心に不足傾向が見込まれている。不足額を埋めるために、日銀は買い入れをある程度入れざるを得ないのではないか。7月の日銀買い入れ総額を10兆円から12兆円、13兆円程度と仮定すると、月5回として1回あたり2兆─2兆5000億円の買い入れが想定される。
6月決算月を通過すれば、国内投資家の需要が減退するとの見方もあるが、こうした日銀の買い入れ姿勢を踏まえると、需給は締まりやすい。国庫短期証券のレートに低下余地があるのではないか。
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