号泣元県議カラ出張認めた!野々村氏、政務費大半も議員活動に使わず
政務活動費で日帰り出張など不自然な支出を繰り返し、7月の釈明会見での号泣が話題となった兵庫県の野々村竜太郎元県議(48)が、県警の任意の調べに「出張はほとんど行っていない」と供述していることが18日、捜査関係者への取材で分かった。「受け取った政務費の大半は議員活動に使っていない」とも供述。県警は詐欺容疑などで書類送検する方向で捜査を進めている。
野々村氏は収支報告書に、2013年度は、自宅のある兵庫県西宮市から城崎温泉、佐用町(ともに兵庫県)、東京、福岡の4か所への日帰り交通費として領収書を添付しないまま計195回分、約300万円を政務活動費から支出したと記載していた。11~13年度の3年間では計約340回、総額約780万円を政務費から支出。捜査関係者によると、野々村氏はこれらの出張の大半について、行っていないことを認める供述をしたという。
また、11~13年度に切手代として計上した約250万円の大半で商品券などの金券を購入していたことや、事務費名目で食料品を買ったことも認めたという。「受け取った政務費の大半は議員活動に使っていない」とも供述したという。
政務活動費は、住民の意思を自治体運営に反映させる目的で支給されるもので、野々村氏が所属していた兵庫県議会では当時、月額最大で50万円。野々村氏に対しては、県議会や市民団体が7月に刑事告発。県警はこれまで、詐欺や虚偽公文書作成・同行使容疑で複数回にわたり、本人から任意で事情を聞いていた。
野々村氏は7月1日に行った会見で、自身の不正疑惑について「この日本を…うっうっ~うっ世の中を、よ、世の中を変えたい。その一心で…」などと泣きわめき、時の人に。当時は、具体的な訪問先や金額の根拠について「記憶にない」「もちろん政務活動費は大事ですけれども、議員という大きなくくりの中では、ごくごく小さいものなんです!」などと奇声を交えて釈明。だが、同11日に県議を辞職した。
“カラ出張”など大半を不正支出を認めている野々村氏は、既に11年度から受け取った政務費1834万円を全額返済。県警はこれらの点を考慮し、詐欺容疑などで書類送検する方向だ。