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経済
【原子力再興(上)1】始まったロボット実験 世界が迎える廃炉時代、革新技術がつくる「強い日本」
「日本の最良の防御は、継続的なエネルギー源の多様化や石油備蓄の積み増しとともに、強力な原子力プログラムを維持することだ」
今年7月、元米国エネルギー省副長官のウィリアム・マーチン氏は、講演でこう述べ、原子力が日本の総合的な国家安全保障に不可欠だと強調した。
大震災後、それまで2割程度だった日本の1次エネルギーの自給率は24年に6・0%まで低下。東シナ海における日本のガス田開発は、中国との排他的経済水域(EEZ)をめぐる相違から進んでいない。
今後エネルギーの輸入に問題が生じたとき、他国が日本の弱みにつけこみ領土問題に発展する恐れがあると、マーチン氏は警鐘を鳴らす。
原発の安全性向上を目指す取り組みだけでなく、核燃料サイクルや廃炉を含めたさまざまな原子力技術の集積が、強い日本を作る原動力だ。
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原子力規制委員会が安全審査の“合格証”を出した九州電力川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)をめぐり、政府が地元自治体に書面で働きかけを行うなど、再稼働に向けた手続きが本格的に進み始めた。一方で九電や関西電力では、高経年化原発について、廃炉を含めた検討の動きもある。原子力を取り巻く環境が変わりつつある中、安定的なエネルギー確保と国際競争力の維持に不可欠な技術と人に焦点を当て、再興への道を探る。
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