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経済
【原子力再興(上)1】始まったロボット実験 世界が迎える廃炉時代、革新技術がつくる「強い日本」
直径約6メートル、高さ約25メートルの巨大な熱交換器を、ロボットアームが火花を散らしながら輪切りにしていく。ロボットの操作は、熱交換器がある建屋とは別棟の作業室。端末を操作する作業員は、「今後の作業を円滑に行うために、操作のノウハウを積み重ねているところだ」と説明した。
日本で初めて営業運転を開始した日本原子力発電の東海発電所(茨城県東海村)では、4台ある熱交換器のうち、2台目の撤去作業に向け準備が進められている。東日本大震災に伴う事故で廃炉が決まった東京電力福島第1原子力発電所と異なる『もう一つの廃炉』の姿がここにある。
熱交換器の周りの放射線量は低いため、人手でも解体作業はできる。あえて遠隔操作のロボットで解体するのは、高い放射線量下で行われる将来の廃炉作業を視野に入れたものだ。
安全性と耐久性を最優先して造られる原発は解体・撤去を前提として設計されていない。廃炉に伴う技術の蓄積は将来の原発の革新にもつながる。廃止措置プロジェクト推進室の近江正副室長は「先行して廃炉の問題点を解決し、他発電所の苦労を少しでも減らしたい」と語る。
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