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昨年の11月と12月にモルダバイトの偽物を購入されられそうになった消費者の実際に当方に寄せられた相談例と対処方法について記した。今回はさらに踏み込んだ内容を記載したいと思う。まず、モルダバイトの偽物はパッと見て分かるものと蛍光樟?叛分析装置にかけてみなければ正確な判別できない高度な技術を使用した偽物がある。モルダバイトは天然ガラスであるので化学組成が人工ガラスと異なる。詳しくは記載できないが、天然ガラスと人工ガラスはNa（ナトリウム）などの組成分布割合が異なり、蛍光樟?任修痢鵑鯣羈咾靴独淑未垢襪里任△襦０?澆亡嬖矛覯未箸靴討蓮嵬和だ弌廚筺嵜郵ガラス」といった内容で偽物のモルダバイトは表記される。当方では市場に出回っているモルダバイトと称する偽物のモルダバイトを偽物としてのサンプル標本として外地で入れたが、日本でも当然出回っている。インターネット上の写真画像のみでは「パッとみてわかる偽物モルダバイト」を除いて正確な判断はどんな人でも無理である。鑑別書が付いていれば安心だ、と思われる消費者も多いが、一概にそうとも言い切れない。鑑別書はどんな人でもどんな業者でも自由に作成できるのである。この点多くの一般の方は誤解されている方が多い。話は逸れるが、最近の鑑別機関のニュースとして、当方では一度も利用していなかったが、とあるＡＧＬ会員の大手鑑別機関が「疑念が払拭されるまでダイヤの鑑定を中止」し、ＡＧＬを自主的に退会するなど、有名な鑑別機関においても色々なことが起きている現状が有る（2010/06/21、上記の自主退会した鑑別機関はその後ＡＧＬにより除名処分相当の判断がされた。）。本題に戻るが、モルダバイトの偽物の見分けは一般の方でも色々な天然モルダバイトを見るなど、「天然モルダバイト」を量を見れば大方は分かるようになる。特に内包泡（バブル）と龍川模様を見て頂きたい。しかし、業者はともかくも、一般の方においてそのような時間も労力も掛けることが出来ないのが現状であるので、最低でも天然モルダバイトブレスレットでは「龍川模様」、天然モルダバイト原石であれば「表面」を注意して頂きたい。原石の表面は天然モルダバイトの場合、（表現が困難であるが）原石表面の凹凸が不均一で深みと浅みが複雑なものが多い。これは隕石衝突によって地下のガラス質成分が超高温と高圧力によってほんの一瞬で飛び散り、自然落下や大気冷却により冷え固まったモルダバイトの生成段階に由来する為である。この天然ガラスは同種のテクタイトでも同様である。なお、全ての天然モルダバイトの原石に「龍川模様」は入っていないのでその点注意を要する。近年の市場に出回っている偽物モルダバイトのビーズ（人工ガラス・模造石）はバブル（泡）を人工的に挿入しているものが多い。今から10年前の1990年代後半から2000年頃からモルダバイト偽物ビーズが出てきており、今から7年前の2003年頃からは外地でモルダバイト偽物原石を見かけるようになった。日本国内では今から5年前の2005年頃から偽モルダバイトのビーズ及び原石が出回っている。ちなみに今月は、一般の方に天然モルダバイトの見分け方を説明をする機会が数回ほどあり、偽物のモルダバイトの標本と天然の本物のモルダバイトの原石を比較してご覧になって頂いたが、いづれの方の感想は全く同じで、まるで見分けがつかない、とのことだった。当方では極力詳細な説明をしている為か、取引先や一般の方から喜んでもらえている。嬉しいことの反面、我々貿易業社も日々研究や勉強を欠かさなく精進しなければならないと改めて考える。様々な鉱物の偽物との戦いが今日も続く。

写真画像は市場に出回っているモルダバイト偽物ペンダントトップ（模造石）を資料採取し、鑑別した結果証明書。

追記（2010/06/25）：上記本文記載の、とある大手鑑別機関は宝石鑑別団体協議会（ＡＧＬ）において自主退会が承認された後に除名相当の処分が下され、2010年06月21日から2年間は会員復帰申請が出来ない旨報告されている。

本稿は日昇堂インターネット通販部筆。(http://www.sunrisefirm.com)。