今週の軍事関連ニュース (2014/07/18)
 

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一般ニュース

今日のニュースいろいろ
  • 米韓両国の海軍の合同演習が 2014/7/16 にスタートした (7/19 まで)。韓国軍の関係者によると、日本海と木浦 Mokpo 沖の洋上で 2 つの演習を平行実施するとのこと (USS George Washington (CVN-73) が参加するのは後者)。また、翌週には日米韓の合同救難訓練も行われる。米海軍がこの演習に送り込んだのは、空母以外では USS Antietam (CG-54)、USS Shiloh (CG-67)、USS John S. McCain (DDG-56)、USS Mustin (DDG-89)、USS Pinckney (DDG-91)、USS Kidd (DDG-100)、P-3C×1 機。(DefenseNews 2014/7/16, US Navy 2014/7/16)
  • 米空軍は今週から、2016 年分の軍用衛星打ち上げに関するコンペティションを開始する。過去 10 年に渡って軍用衛星の打ち上げを独占していた EELV (Evolved Expendable Launch Vehicle) にとっては、初のライバル登場。(DefenseNews 2014/7/16)
  • NATO は、ウクライナとの国境地帯に展開していたロシア軍が 6 月にいったん 1,000 名を下回るところまで減少したにもかかわらず、また最近になって 10,000-12,000 名規模に増勢されたと説明。ロシアに対して軍の撤収を求めている。米国防総省報道官の Steve Warren 陸軍大佐も、同様の数字を挙げて懸念を表明した。また、NATO はロシアに対して、ウクライナ国内の親露派武装勢力に対する武器や資金の提供も止めるよう求めている。(SpaceWar 2014/7/14, AFPS 2014/7/16)
  • Roscosmos のナンバーツー・Alexander Ivanov 氏は 2014/7/14 に、2014/7/9 に Plesetsk Cosmodrome で試射を実施した Angara-1.2PP SLV (Space Launch Vehicle) について「ICBM (Intercontinental Ballistic Missile) への転用はない」と発言。ちなみに、試射では 21 分間で 5,700km を飛翔した。(SpaceWar 2014/7/16)

今日のニュースいろいろ
  • 米中両国の海軍トップが北京で会談、協力関係の強化を議題として協議を行ったとのこと。東シナ海や南シナ海における領有権争いの件も、議題になった模様。ただし、某関係者によると「あくまで本題は協力関係」。(DefenseNews 2014/7/15)
  • William Hague 英外相が 2014/7/14 に辞任を表明したのに伴い、翌日、Philip Hammond 英国防相が外相に横滑り就任した。後任の国防相には、Michael Fallon 氏が指名されたが、これまた別の大臣ポストからの横滑り。(Reuters 2014/7/15, MoD UK 2014/7/15)
  • Farnborough International Airshow に出席しようとしたロシア代表団や報道関係者にビザが下りなかった件について、Alexei Meshkov 露副外相は「政治的な動きだ」と非難した。また、在英露大使館がイギリス政府に抗議文書を提出したとのこと。また、Yuri Slusar 露通商産業相はロシアの報道関係者に対して「海外の展示会、なかんずく Farnborough について、今後の取り組みを再考する」と発言。(RIA Novosti 2014/7/14, IHS Jane's 360 2014/7/15)

今日のニュースいろいろ
  • 2014/7/13 に Vienna で行われたイランと欧米諸国の間の外相級核問題協議は、合意がまとまらずに物別れ。イラン側は相変わらず、核兵器の開発を否定するとともに制裁の解除を要求。さらに、イラン側代表の Abbas Araqchi 氏は交渉からの離脱もちらつかせている。(SpaceWar 2014/7/12-13)
  • カナダ空軍 (RCAF : Royal Canadian Air Force) は "Operation Reassurance" として CF-18×6 機をルーマニアに派遣しているが、これを 8 月にリトアニアに移動させる。その後、9-12 月にかけてバルト海上空の第 36 次哨戒任務を担当する予定。(RCAF 2014/7/11)
  • NATO が共同運用している E-3A 部隊からカナダ軍が撤収することになり、2014/7/11 に NATO Air Base Geilenkirchen でセレモニーが行われた。カナダ軍の最後のメンバーが去るのは 8/29 になる。(DVIDS 2014/7/14)
  • David Cameron 英首相が、軍の能力向上を図るために 11 億ポンドの資金投下を行う計画を発表した。これには、ISTAR (Intelligence, Surveillance, Target Acquisition and Reconnaissance) 能力向上のために実施する 8 億ポンドの資金投下と、既存戦力の能力向上を図るための 3 億ポンドの資金投下で構成する。後者には、Typhoon を対象とする E-Scan レーダー CAPTOR-E の導入や、砕氷巡視船 HMS Protector の調達を含む。その他の施策として、以下のものを挙げている。
    • Farnborough に UK Defence Solutions Centre を設置、産業界に対して政府が支援する形で新技術の開発を推進する。
    • 400 万ポンドを投じて、Portsmouth に UK Centre for Maritime Intelligent Systems を設置、軍と産学会が組んで無人艇や潜水艦などの技術開発を推進する
    • Defence Apprenticeship Trailblazer の設立により、新卒者に対してシステム工学分野で修士レベルのスキルを持たせる施策を講じる
    (MoD UK 2014/7/14)
  • 台湾陸軍が、CSIST (Chung Shan Institute of Science and Technology) が開発した UAV×32 機を 3 月に配備、当初は台東を拠点として東部と南部、後に台湾海峡方面でも偵察を開始した、と Liberty Times 紙が報じている由。(DefenseNews 2014/7/13)
  • 韓国軍は、北朝鮮が 2014/7/13 に日本海岸から短射程弾道ミサイル×2 発を発射したことを明らかにした。飛翔距離は 500km 程度だとしている。また、聯合ニュースでは「発射地点は DMZ (Demilitarized Zone) から 20km 程度しか離れていなかった」と報道。この発射については、2014/7/16-21 にかけて実施を予定している日米韓の合同訓練に反発したもの、との見方が。この訓練には USS George Washington (CVN-73) が参加する予定で、同艦は 2014/7/11 に釜山 Busan に入港済み。(DefenseNews 2014/7/13) [その後、2014/7/14 に日本海に向けて多連装ロケットを 100 発ほどぶっ放したとの情報も]

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産業・装備・調達

最近のニュースいろいろ
  • 露国防省が Almaz-Antey に S-300×4 システムを発注した。Sergei Shoigu 露国防相によると、これは自国向けではなく、ベラルーシ向け。(DefenseNews 2014/7/15)
  • 米空軍は 2014/8/4-6 にかけてテキサス州 San Antonio で、T-X 計画に関する説明会を開催する。(DID 2014/7/15)
  • 露空軍が、ストップギャップとしての MiG-29SMT×16 機に続いて、MiG-35×40 機を発注するとの報道。将来的には 100 機まで増やすとの話も。(DID 2014/7/15)
  • BrahMos Aerospace が、BrahMos のブースターとエンジンを小型化して軽量化を図った BrahMos Mini を航空機・潜水艦搭載用に開発、年内に試験を開始するとの話。(The Indian Express 2014/7/15)
  • Ilyushin Aviation Complex の広報担当者が、2014/7/15 に露海軍向けの Il-38 アップグレード改修機・Il-38N の初号機をデリバリーすることを明らかにした。Novella-P-38 捜索/追跡システムなどを装備する。(RIA Novosti 2014/7/14)
  • Raytheon Co. 製 M982 Excalibur 誘導砲弾の単価が $70,000 程度まで下落、これを受けてアメリカの FY2014 国防予算では 2,870 万ドルの予算を増額、もともとの 929 発に 403 発を追加して総数 1,332 発とする方向 (予算総額は 7,730 万ドルから 1 億 590 万ドルに)。その一方で、ATK (Alliant Techsystems Inc.) 製の M1156 PGK (Precision Guidance Kit) は単価が $13,000 に達しており、予算を 3,600 万ドル削られるとの凶報が。ただし、オーストラリアからの受注があったのは吉報。(DID 2014/7/15, IHS Jane's 360 2014/7/13)
  • アラブ首長国連邦 (UAE : United Arab Emirates) の防衛関連メーカー三社・Mubadala Development、Tawazun、EAI (Emirates Advanced Investments) が合併協議を進めており、6 ヶ月以内に合併が実現するとの報道。2015 年の IDEX 開催前に発表があるのではないかとみられている。(DefenseNews 2014/7/14)
  • RUAG Space は Arianespace から、Ariane 5 用のペイロード フェアリングを受注した。2019 年まで供給するという内容で、総額 1 億スイスフランの案件。(SpaceWar 2014/7/8)
  • インド海軍の Type 15B 駆逐艦・INS Kolkata が、8 月に就役する予定。IAI/Elta 製の AESA (Active Electronically Scanned Array) レーダー MF-STAR、Barak-8 艦対空ミサイル、PJ-10 Brahmos 巡航ミサイルを装備する。(DID 2014/7/14)
  • SIPRI (Stockholm International Peace Research Institute) によると、石油やその他の天然資源による収入増加を背景として、サブサハラ諸国でマルチロール戦闘機の導入事案が増加しているとのこと。2008-2013 年とその前の 6 年間と比較すると、規模が倍増しているとの指摘。エチオピアは 2013 年 7 月に、中古再生補修機の Su-30K×18 機を発注、年内にデリバリーの予定。ウガンダも 2013 年 5 月に Su-30MK×6 機を追加調達、合計 12 機とした。アンゴラは 2012 年の 6 機に続いて 2013 年にも Su-30K×12 機を発注、前者と、後者のうち 6 機を受領済み。チャドは 2009 年にウクライナから MiG-29 を入手、最初の 3 機をお披露目したところ。このほか、エジプトが MiG-29 または MiG-35×24 機の調達を考えている。(DefenseNews 2014/7/13)
  • Raytheon Co. では、地上用の Boomerang と Warrior X システムをベースとするヘリ搭載用音響式狙撃源探知システム・Boomerang Air の開発と開発試験を進めているところで、年内に米軍向けのデリバリーを可能としたい考え。また、Farnborough International Airshow の席で対外輸出の可能性も模索するとしている。試験には CH-47 と UH-60 を使用しているとのこと。(DefenseNews 2014/7/13)
  • 仏空軍の Mirage F1 が、2014/7/14 の祝日に合わせて、Mont de Marsan から発進してラストフライトを実施する。(@FrancoisJulian via @AirbusGroupNews 2014/7/13)

F-35 関連のあれやこれや
  • 訪英している米国防総省の Frank Kendall 調達主任が、2014/6/23 に発生した F-35A の火災事故原因について「ファン ブレードの摩擦が原因」「ワンオフのもので、一般的に発生する問題を抱えているというものではない」と発言。前者は、調査担当者がそう考えているという話で、まだ原因調査そのものは進行中。その事故の件とは別に、プログラムの進捗については「2010 年の時点では飛行試験を 10-15% しか消化できていなかったが、現在は 60% まで消化した」との発言が。(DefenseNews 2014/7/13, IHS Jane's 360 2014/7/13, AFPS 2014/7/14)
  • 米海兵隊司令官の James Amos 大将も同様に「ワンオフ発言」をしており、「注意は払うが、深刻な問題とはみなしていない」との見解を示した。同大将によると、2014/7/14 の時点で 95-96 機が検査済みだが、飛行再開が認められた機体は 3 機のみとのこと。また、「ファン ブレードの摩擦説」については「原因はまだ分かっていない」とした。(DefenseNews 2014/7/15)
  • その後、2014/7/15 に米国防総省報道官の John Kirby 海軍少将は「米海空軍の耐空性審査部門が前日に、F-35 の飛行再開を承認した」と発表した。ただし限定的な飛行再開許可で、課せられた制約は原因が確定するまで有効となる。発表の時点で、Farnborough International Air Show への参加の可否は未確定とされていたが、その後、間に合わずに不参加と確定。(DefenseNews Intercept 2014/7/15, @PentagonPresSec 2014/7/15, USAF 2014/7/15)
  • Rockwell Collins ESA Vision Systems LLC (Rockwell Collins Inc. と Elbit Systems Ltd. のジョイント ベンチャー) は、F-35 用の Gen III HMDS (Helmet Mounted Display System) を Lockheed Martin Corp. にデリバリーした。ソフトウェア面のインテグレーションを行うためのもの。低率初期生産 (LRIP : Low Rate Initial Production) ロット 7 から、この Gen III HMDS を導入することになっている。(Rockwell Collins 2014/7/15)
  • BAE Systems は、F-35A/B/C 用の水平尾翼を対象とする静止試験と疲労試験が完了した、と発表した。想定寿命の 3 倍にあたる、24,000 飛行時間分の耐久性を備えていることを検証できたとの説明。この試験は 2008 年にスタート、予定より早く 2014 年の 6 月に完了した。(BAE Systems 2014/7/14)
  • 米海兵隊の F-35B 訓練部隊・VMFAT-501 "Warloads" が、Eglin AFB から MCAS (Marine Corps Air Station) Beaufort への移駐を開始しているが、移駐完了は 2015 年春の予定。米海兵隊だけでなく、英海空軍と伊海軍の F-35B パイロットも同隊で訓練を受ける。(Lockheed Martin Code One blog 2014/7/11)
  • イギリス軍で、F-35×4 機・Typhoon×2 機・E-3D×1 機という編成での航空戦を想定したシミュレーション実験が行われた。F-35 と Typhoon が E-3D とデータリンクで情報交換を行い、F-35 が地上の固定目標や移動目標を叩いている間に、Typhoon が上空掩護を担当するというシナリオ。以前からさまざまな任務シナリオのシミュレーションを実施しているが、そのうち最新のもの。F-35 用のデスクトップ シミュレータは Lockheed Martin Corp. が用意したもので、Samlesbury に設置。Typhoon のシミュレータは RAF Leuchars 、E-3D の乗員 2 名は Sentry lab (RAF Waddington) を使用、これらを連接して実施した。(BAE Systems 2014/7/14)

イスラエル向け FMS (DSCA 2014/7/14)
米国防安全保障協力局 (DSCA : Defense Security Cooperation Agency) は議会に対して、イスラエル向けに FMS (Foreign Military Sales) 経由で AIM-9X Sidewinder を輸出すると通告した。総額は 5 億 4,400 万ドル。内訳は以下の通り。
  • AIM-9X-2 Sidewinder ブロック II AUR (All-Up Round)×600
  • CATM-9X-2 CATM (Captive Air Training Missile)×50
  • 模擬弾 (Dummy Air Training Missile)×4
  • コンテナ、支援機材、試験機材、プロビジョニング、スペアパーツ、補修用パーツ、訓練、訓練機材、文書類、技術支援業務、その他の兵站支援業務
担当メーカーは Raytheon Co., Missile Systems (Tucson, AZ)。オフセットの設定はなし。

FCAS のスタディ契約 (MoD UK 2014/7/15)
英仏両国は先日に報道された通り、2014/7/15 に Farnborough International Air Show の席上で、FCAS (Future Combat Air System) のフィージビリティ スタディ実施に関する合意文書 (Programme Arrangement) に調印した。2 年間で 1 億 5,000 万ユーロ (1 億 2,000 万ポンド) の資金を投下する。1 月に両国の首脳会談において、共同声明で実施を表明していたもの。
  • 機体を担当する BAE Systems と Dassault Aviation が歓迎の声明をリリース。(BAE Systems / Dassault Aviation 2014/7/15)
  • Rolls-Royce と Snecma も、歓迎の声明をリリース。FCAS のエンジンを担当する両社は、2 年がかりの実証プログラム準備フェーズを進めているところで、数ヶ月以内に完了、その後は実現可能性フェーズの契約調印に向けた折衝に駒を進める予定。(Rolls-Royce 2014/7/15)
  • 一方、センサーの分野でも Thales と Selex ES が共同で作業を進めると発表。対等分担で実施するとしている。両社は英 DSTL (Defence Science and Technology Laboratory) と仏国防調達局 (DGA : Delegation Generale pour l'Armement) から、FCAS 用のセンサー バックボーン・PERFECTA (多機能センサー スイートの管制とデータ処理を担当する) の開発契約を得ている。(Thales 2014/7/15)

今日の米軍調達 (Contracts 2014/7/15)
ARMY
  • Johnson Controls Building Automation Systems LLC (Huntsville, AL) : インフラの監視・管制システムを調達・導入する作業と、空調関連で実施する同種サービスを $450,000,000 で。2019/7/14 まで。Army Corps of Engineers, Huntsville, AL (W912DY-14-D-0063)
  • General Atomics - Systems Integration LLC (San Diego, CA) : アフガニスタンに展開している Beechcraft C-12 Highlighter×2 機について、運用・維持・インテグレーションに関する修正契約を $38,781,663 で。2015/7/13 まで。Army Contracting Command, Redstone Arsenal, AL (W58RGZ-13-C-0124/P00019)
  • Northrop Grumman Corp. (Huntsville, AL) : IAMD S280 (Integrated Air and Missile Defense S280) をベースライン M1085 から M1148 に切り替える件について、修正契約を $18,258,765 で。指揮所シェルター (Command Post Platform Shelter) から、FMTV (Family of Medium Tactical Vehicles) LHS (Load Handling System) に搭載する S-280 シェルターに変更する。2015/9/30 まで。Army Contracting Command, Redstone Arsenal, AL (W31P4Q-08-C-0418/P00107)
  • Great Lakes Dredge and Dock Co., LLC (Oak Brook, IL) : New York harbor の Newark Bay Port Elizabeth Channel、Newark Bay North、Newark Bay South、Kill Van Kull で実施する浚渫工事について、修正契約を $17,027,415 で。2014/9/7 まで。Army Corps of Engineers, New York, NY (W912DS-13-C-0045/P00003)
USTRANSCOM (US Transportation Command)
  • Federal Express Charter Programs Team Arrangement (Memphis, TN) : 既発注分の国際空輸業務に関する修正契約を $57,810,843 で。チーム メンバーは以下の通り。
    • Air Transport International LLC (Wilmington, OH)
    • Atlas Air Inc. (Purchase, NY)
    • Delta Air Lines Inc. (Atlanta, GA)
    • Federal Express Corp. (Memphis, TN)
    • Polar Air Cargo Worldwide Inc. (Purchase, NY)
    • MN Airlines LLC (dba Sun Country Airlines, Mendota Heights, MN)
    累計受注額は $1,176,792,312。2014/9/30 まで。USTRANSCOM (US Transportation Command) Directorate of Acquisition, Scott AFB, IL (HTC711-13-D-CC02/P00012)
NAVY
  • BAE Systems Land and Armaments LP, Weapons Systems (Minneapolis, MN) : IPS (Integrated Power Systems) 用パワー ロード モジュールの研究開発について、修正契約を $43,245,218 で。EM (Electromagnetic) レールガン用のパルス パワー コンテナを設計するとともに、試験用のプロトタイプを製作する。2016/12 まで。NAVSEA (Naval Sea Systems Command), Washington Navy Yard, Washington DC (N00024-12-C-4221)
  • BAE Systems Norfolk Ship Repair (Norfolk, VA) : USS San Jacinto (CG-56) を対象とする FY2014 分の DSRA (Drydocking Selected Restricted Availability) について、修正契約を $29,773,261 で。2015/1 まで。Norfolk Ship Support Activity, Norfolk, VA (N00024-11-C-4403)
  • Walsh Construction Co. II LLC (Chicago, IL) : NSA (Naval Support Activity) Bethesda (Bethesda, MD) で実施する電気系統と冷却塔の建設工事を $26,947,000 で。送電インフラのアップグレードに関わる案件。2016/1 まで。NAVFAC (Naval Facilities Engineering Command), Washington, Washington DC (N40080-14-C-0158)
  • General Atomics (San Diego, CA) : EMALS (Electromagnetic Aircraft Launch System) 用のソフトウェアとサポートについて、インテグレーションと導入の作業に関する修正契約を $10,267,000 で。2015/10 まで。NAWC-AD (Naval Air Warfare Center Aircraft Division), Lakehurst, NJ (N68335-09-C-0573)
MDA (Missile Defense Agency)
  • Lockheed Martin Mission System and Training (Moorestown, NJ) : ABMD (Aegis Ballistic Missile Defense) Program Office 向けの先進コンセプト構想に関わる、ベースラインとアップグレードに必要な技術の洗い出し作業について、オプション契約分を $20,000,000 で。累計受注額は $1,808,932,405。2015/12/15 まで。MDA (Missile Defense Agency), Dahlgren, VA (HQ0276-10-C-0001/P00148)
DLA (Defense Logistics Agency)
  • Merchants Food Service (Hattiesburg, MS) : ルイジアナとミシシッピーで実施する給養業務を $7,220,745 (価格修正条項付き) で。陸海空軍向け・4 ヶ月間のブリッジ契約、2014/11/15 まで。DLA (Defense Logistics Agency) Troop Support, Philadelphia, PA (SPE300-14-D-3015)

今日の報道発表 (北米編)
  • Boeing Co. は DARPA (Defense Advanced Research Projects Agency) から、衛星打ち上げヴィークル・XS-1 の予備設計契約を 400 万ドルで受注した。なお、この件では Blue Origin が協力する。同社以外に、Masten Space Systems と XCOR Aerospace のチーム、Northrop Grumman Corp. と Virgin Galactic のチームも同様の契約を受注した。まずデモンストレーション用の飛翔体を開発、中核となる技術やプロセスに関するリスク低減を図り、実機の製作とフライトに向けて熟成を図る。(Boeing 2014/7/15, DARPA 2014/7/15)
  • Raytheon Co. は Kongsberg Gruppen と、OASuW (Offensive Anti-Surface Warfare) ミッション向けのソリューションを提供する目的で合同チームを編成、JSM (Joint Strike Missile) を提案していくことになった。すでに JSM はノルウェー空軍 (RNoAF : Royal Norwegian Air Force) 向けに開発を進めているが、米海軍でも OASuW 分野の次世代兵装を求めていることから、今回の動きになった次第。Raytheon と Kongsberg はすでに、防空システムの分野で協力関係にある。(Raytheon 2014/7/15)
  • Raytheon Co. は、窒化ガリウム (GaN : Gallium Nitride) と AESA (Active Electronically Scanned Array) を組み合わせて Patriot 用のレーダーに応用するデモンストレーションを実施した。全周をカバーできるようにした上でこれらのテクノロジーを組み合わせることで、対応可能エリアの拡大や、探知・識別・交戦に要する時間の短縮といった効果が得られるとの説明。また、GaN ベースの AESA は信頼性の向上とライフサイクルコストの低減にもつながるとしている。(Raytheon 2014/7/15)
  • Raytheon Co. は、USS John Paul Jones (DDG-53) が SM-6 で高々度を飛翔する超音速標的 (AQM-37) の要撃に成功したと発表した。すでに同艦と SM-6 の組み合わせは、巡航ミサイルを想定した BQM-74 の要撃にも成功している。SM-6 は 2013 年 12 月に米海軍で配備を開始、これまでに 100 発以上をデリバリー済み。超音速標的の要撃成功で、FOC (Full Operational Capability) 達成に向けて前進したとしている。(Raytheon 2014/7/15)
  • GA-ASI (General Atomics Aeronautical Systems Inc.) は、2014/5/19-28 にかけてノルウェー・Brekstad の Orland Main Air Station で行われた NATO の大規模トライアル・UV14 (Unified Vision 2014) において相互運用性のデモンストレーションを実施したことを明らかにした。UV14 は JISR (Joint Intelligence, Surveillance and Reconnaissance) 能力に関するトライアルで、そこに B/MQ-9 Reaper を模擬する King Air 350 (有人機) を持ち込んで、データの収集や配信といった作業を実施したもの。使用したセンサー機器は以下の通り。
    • GA-ASI 製 Lynx ブロック 20 レーダー
    • FLIR Systems Inc. 製 Star SAFIRE 3800HD センサー ターレット
    • L-3 Communications 製 TCDL (Tactical Common Data Link)
    • GA-ASI 製ペイロード管理ソフトウェア Claw
    • STARE (System for Tactical Archival, Retrieval, and Exploitation) ソフトウェア
    • Link 16
    (GA-ASI 2014/7/15)
  • GA-ASI (General Atomics Aeronautical Systems Inc.) は、Farnborough International Air Show の席で、Advanced Cockpit Block 50 GCS (Ground Control Station) のデモンストレーションを実施した。同社は IRAD (Internal Research and Development) 案件として、米空軍から Advanced Cockpit 開発の 4 年契約を受注したばかりで、GCS×7 セットとマニュアル、それと訓練業務をデリバリーすることになっている。(GA-ASI 2014/7/15)
  • Textron Inc. 傘下・Textron Systems の Weapon & Sensor Systems 部門が Farnborough International Air Show の席で、小型軽量の精密誘導兵器・Fury を発表した。開発に際しては Thales UK が協力、両社が過去の兵装開発経験を持ち寄り、開発期間の短縮を図ったとしている。サイズは全長 27in・弾体直径 3in、重量 12.7lb。会場では Beechcraft AT-6 に搭載した状態で展示したが、インターフェイスの共通化により、UAV を含む多様な機体に搭載可能だとしている。小型なので搭載時の空気抵抗が少ないとの説明。命中精度は誤差 1m だが、試射では目標から 0.2m の範囲に着弾したとしている。信管は撃発・空中起爆・遅発の 3 モード。誘導は GPS (Global Positioning System) と INS (Inertial Navigation System) とセミアクティブ レーザーの組み合わせ。移動目標と静止目標の双方に対応可能。(Textron 2014/7/14)
  • 米海兵隊 Warfighting Lab は、貨物輸送用水陸両用車・UHAC (Ultra Heavy-lift Amphibious Connector) のプロトタイプを、RIMPAC 2014 演習の一環として、2014/7/11 に Marine Corps Training Area Bellows でお披露目した。充分な浮上航走速度を確保しつつ、LCAC (Landing Craft Air Cushion) ではアクセスできないところでも走れるのが売り。ONR (Office of Naval Research) が資金を負担して開発した。(US Navy 2014/7/14)

今日の報道発表 (その他編)
  • CAE Inc. は NAPMO (NATO Airborne Early Warning & Control Program Management Organization) から、E-3A 用フライトデッキ シミュレータの近代化改修契約を受注した。ドイツの NATO Airbase Geilenkirchen に設置してあるシミュレータを、機体側の近代化改修に合わせて更新するもの。実機の方は最新の CNS/ATM (Communication, Navigation, Surveillance/Air Traffic Management) の対応するための改修を進めており、シミュレータの方も機体と足並みを揃えて 2018 年までに改修を終える予定。ちなみに、このシミュレータは CAE 製で、運用開始は 1982 年。その後、CDB (Common Database) への更新を初めとして100 件以上の改修を受けている由。(CAE 2014/7/15)
  • 12 ヶ月がかりで ASMD (Anti-Ship Missile Defence) アップグレード改修を受けていたオーストラリア海軍 (RAN : Royal Australian Navy) の ANZAC フリゲート・HMAS ANZAC が、作業を担当している BAE Systems の Henderson Shipyard で出渠した。この後、最終艤装と試験を経て年末の公試に臨む。これに先立ち、同型艦の HMAS Arunta も ASMD 改修を実施、FBW (Fleet Base West) から公試に出たところ。2 月には HMAS Warramunga が Henderson Shipyard で入渠しており、現在は改修作業中。(BAE Systems 2014/7/15)
  • AgustaWestland は、伊国防省向けに RUAS/OPH (Rotorcraft Unmanned Aerial System / Optionally Piloted Helicopter) のデモンストレーションを実施した。最新の遠隔操作式回転翼機技術と、イタリア軍の能力向上に資するためのポテンシャルについて評価するのが目的。なお、デモでは安全対策としてパイロットを乗せていた。同社は National Military Research Plan の下で国防省の航空武器部門から開発契約を受注、PZL-Swidnik の SW-4 Solo を RUAS/OPH に改造した。2013 年 9 月から 2014 年 5 月にかけて、イタリアとポーランドで開発作業や飛行試験を実施。ISR (Intelligence, Surveillance and Reconnaissance) や貨物輸送など、多様な用途に対応可能だとしている。(AgustaWestland 2014/7/14)
  • Chemring Technology Solutions (Romsey, England) は、アダプティブ アンテナを用いて GPS (Global Positioning System) の妨害に対処する、GINCAN システムを開発した、と発表した。現時点で入手可能な製品としてはもっとも小型で、チップのサイズはわずか 6 平方ミリメートル。車載型衛星航法システム、移動体通信機器、インフラ保護など、多様な応用が可能だとしている。(Chemring Technology Solutions 2014/7/14)
  • ブラジルの FT Sistemas S/A がブラジル軍向けに開発している UAV・Horus 100 で、Rockwell Collins Inc. 製 マイクロ INS (Inertial Navigation Sensor) を使用することになった。(Rockwell Collins 2014/7/15)
  • Lockheed Martin Corp. は、宇宙関連技術を担当するオフィスをイギリスに開設した。(Lockheed Martin 2014/7/15)
  • Boeing Co. は南アの Paramount Group との間で、防衛・安全保障分野の輸出市場において共同で市場開拓を進める、という内容の協力合意に調印した。航空機に強い Boeing と車両に強い Paramount が組んで、アフリカ諸国に航空機や陸戦兵器を販売するのが狙い。想定分野は、国境警備、輸送機、海賊対策、人道支援など。(Boeing 2014/7/15)
  • Bell Helicopter Textron Inc. はスウェーデン国家警察から、Bell 429×7 機を受注した。(Bell Helicopter Textron 2014/7/14)

今日の米軍調達 (Contracts 2014/7/14)
AIR FORCE
  • 以下の各社は、NETCENTS-2 (Network-Centric Solutions-2) アプリケーション サービスの業務を総額 $960,000,000 で。
    • Lockheed Martin Corp (Gaithersburg, MD) : FA87732-13-D-0001
    • Jacobs Technology (Fort Walton Beach, FL) : FA8732-13-D-0002
    • SRA International (Fairfax, VA) : FA8732-13-D-0003
    • L-3 National Security Solutions (Reston, VA) : FA8732-13-D-0004
    • Raytheon Co (Garland, TX) : FA8732-13-D-0006
    • InfoReliance Corp (Fairfax, VA) : FA8732-13-D-0026
    • CACI-ISS Inc (Chantilly, VA) : FA8732-13-D-0027
    • Northrop Grumman Information Systems (Herndon, VA) : FA8732-13-D-0028
    • GDIT (General Dynamics Information Technology, Needham, MA) : FA8732-13-D-0029
    • International Business Machines Corp (Reston, VA) : FA8732-13-D-0030
    維持、マイグレーション、インテグレーション、訓練、ヘルプデスク、試験、運用支援などを担当。契約期間は 10 年間。AFLCMC (Air Force Life Cycle Management Center)/HICK, Maxwell AFB-Gunter Annex, AL
NAVY
  • Lockheed Martin Aeronautics Co. (Fort Worth, TX) : F-35 の低率初期生産分 (LRIP : Low Rate Initial Production) ロット 6 に関する修正契約を $278,649,002 で。デポ フェーズ I-IV を含む単発の維持管理作業を実施するもの。2018/10 まで。NAVAIR (Naval Air Systems Command), Patuxent River, MD (N00019-11-C-0083)
  • Northrop Grumman Systems Corp., Maritime Systems (Charlottesville, VA) : 以下の機材・合計 202 アイテムを対象とする兵站支援業務 (PBL : Performance Based Logistics) を $61,177,585 (not-to-exceed) で。
    • WSN リングレーザージャイロ航法システム
    • AN/BPS-15 レーダー
    • AN/BPS-16 レーダー
    • ミサイル駆逐艦向け統合艦橋システム
    • AN/SPQ-9B レーダー
    2019/7/14 まで。NAVSUP Weapon Systems Support, Mechanicsburg, PA (N00104-14-D-ZD00)
  • BAE Systems Information and Electronic Systems Integration Inc. (Greenlawn, NY) : 以下のアイテムを総額 $12,420,183 で。
    • モード 5 対応 CIT (Combined Interrogator Transponder)×249 セット : 米海軍向け×132、フィンランド向け×69、オーストラリア向け×46、スイス向け×2
    • 電源 SRA (Shop Replaceable Assembliy)×26 セット : 米海軍向け
    • 統合 CIT システム×10 : フィンランド向け×8、スイス向け×2
    • Production Acceptance Test Capability×1 ロット (米海軍向け)
    いずれも F/A-18 搭載用。米海軍向け $7,570,415 (61%)、フィンランド向け $2,874,560 (23.1%)、オーストラリア向け $1,879,744 (15.1%)、スイス向け $95,464 (0.8%)、米海軍向け以外は FMS (Foreign Military Sales) 案件。2017/3 まで。NAVAIR (Naval Air Systems Command), Patuxent River, MD (N00019-14-D-0025)
  • Boeing Co. (St. Louis, MO) : 以下の機材に関する修正契約を $6,947,488 で。(N00019-14-C-0032)
    • SUU-789A/A センターライン パイロン (米海軍向け×35、オーストラリア向け×15)
    • AN/ALE-50 ウェル カバー (米海軍向け×11)
    米海軍向け $4,907,038 (70%)、オーストラリア空軍 (RAAF : Royal Australian Air Force) 向けの FMS (Foreign Military Sales) $2,040,450 (30%)。2017/5 まで。NAVAIR (Naval Air Systems Command), Patuxent River, MD
ARMY
  • 以下の各社は、米陸軍工兵隊 (USACE : US Army Corps of Engineers) Northwestern Division 管内にある水力発電所を対象とする、発電機材の再生/交換作業を総額 $99,500,000 で。
    • Voith Hydro Inc (York, PA) : W9127N-14-D-0003
    • National Electric Coil Inc (Columbus, OH) : W9127N-14-D-0004
    • Alstom Power Inc (Littleton, CO) : W9127N-14-D-0005
    • Andritz Hydro, Corp (Charlotte, NC) : W9127N-14-D-0006
    以下の地区が対象。
    • Portland District
    • Seattle District
    • Walla Walla District
    • Omaha District
    • Kansas City District
    2019/7/13 まで。Army Corps of Engineers, Portland, Oregon District
  • Lockheed Martin Corp. (Grand Prairie, TX) : PAC-3 用発射機の改修キットを対象とするフェーズ II 再設計について、修正契約を $28,453,514 で。クウェート向けの FMS (Foreign Military Sales) 案件、2017/9/30 まで。Army Contracting Command, Redstone Arsenal, AL (W31P4Q-12-G-0001/#0007)
  • IBM Corp. (Reston, VA) : 監査サポート (Army General Fund Audit Support Services) の業務に関する修正契約を $12,223,063 で。2015/1/19 まで。Army Contracting Command, Aberdeen, MD (W912DY-13-F-0037/P00007)
DLA (Defense Logistics Agency)
  • AvKare Inc. (Pulaski, TN) : プラバスタチンを $9,728,923 で。軍ならびに民間部局向け、2015/7/18 まで。DLA (Defense Logistics Agency) Troop Support, Philadelphia, PA (SPE2D2-14-D-0004)

今日の報道発表 (北米編)
  • General Dynamics Fidelis Cybersecurity Solutions は、MAPP (Microsoft Active Protections Program) に参画したと発表した。これにより、Microsoft Corp. から月例の脆弱性情報に関する詳細な情報を得て、Fidelis XPS カスタマーを対象とする包括的かつ迅速な保護を実現するとの説明。(General Dynamics Fidelis Cybersecurity Solutions 2014/7/14)
  • Boeing Co. は、米空軍から受注している AGM-86 ALCM (Air-Launched Cruise Missile) のアーミング デバイス再生産の作業について、延長分の契約を 730 万ドルで受注した。さらに 6 年間・5,000 万ドル分のオプション契約も設定。(Boeing 2014/7/14)
  • Lockheed Martin Corp. は米陸軍 AMCOM (Army Aviation and Missile Command) から、PAC-3 (Patriot Advanced Capability-3) を対象とする整備・監視業務 (Maintenance & Surveillance Services) の契約を 2 億 1,200 万ドルで受注した。Missile Support Center 経由で実施するもので、海外カスタマーも対象に含む。(Lockheed Martin 2014/7/14)
  • Raytheon Co. は、BGM-176B Griffin から派生した SeaGriffin について、誘導飛翔試験が完了したと発表した。これにより、セミアクティブ レーザー誘導の有効性を立証できたとしている。SeaGriffin はシーカーをデュアルモード化、セミアクティブ レーザー誘導に加えて、画像赤外線 (IIR : Imaging Infrared) シーカーを備えており、データリンク経由で IIR 動画のストリーミング中継を受けられる。これを小艇攻撃時の目標確認に利用する仕組み。この誘導飛翔試験は、同社が自己資金で実施している。射程を 3 倍近くに延伸する改良も施しているが、これについては 2013 年末の試射で検証済み。(Raytneon 2014/7/14)
  • Raytheon Co. は、米空軍から MALD-J (Miniature Air Launched Decoy Jammer) のロット 7 量産分を $80,768,012 で受注した件 (FA8682-14-C-0004) について発表した。デコイ×200 発、データ、ミッション プランニング、プロセス検証プログラム、ソフトウェアといった内容。(Raytneon 2014/7/14)
  • Raytheon Co. と米海空軍は、F-35・F/A-18E/F・F-16 を対象とする SDB (Small Diameter Bomb) Increment II のインテグレーション作業を開始した。機種ごとの状況は以下の通り。
    • F-35 : 適合性検証とピット試験を完了、機内兵器倉に 8 発を搭載できることを確認
    • F/A-18E/F : 適合性検証を完了、インテグレーション作業の計画立案を済ませて着手したところ
    • F-16 : 飛翔試験にかかっており、SDB II IMV (Instrumented Measurement Vehicle) による試験を完了したところ
    2010 年からインテグレーション作業を進めている F-15E については、すでに何回かの投下試験を成功裏に実施、固定目標と移動目標の双方について、命中させられる能力を実証できたとしている。一連の飛翔試験が完了すると、その先にマイルストーン C が控えている。(Raytneon 2014/7/14)
  • 米空軍が所定の審査作業を終えて、C-130H が装備する T56 エンジンのアップグレード改修を承認。Engine Enhancement Package として T56 Series 3.5 パッケージを、220 機分・880 基について適用するが、さしあたり FY2014 分として 1,570 万ドルの支出が決まっている。仕様では 7.9% の燃料消費削減が可能ということになっているが、C-130 と P-3 を使った地上試験や飛行試験では 13% の削減を達成している。この改良により、20 億ドルの経費節減効果が見込めるとの説明。すでに NOAA (National Oceanic and Atmospheric Administration) の WP-3D が Series 3.5 の導入改修を進めていて、改修初号機は 2015 年初頭のデリバリーを予定。(Rolls-Royce 2014/7/14, Forecast International 2014/7/10)
  • GA-ASI (General Atomics Aeronautical Systems Inc.) は、2014/6/27 に Castle Dome Airfield (Yuma Proving Ground Range Complex, Yuma, AZ) で Predator XP の初飛行を実施していたことを明らかにした。離陸〜運用高度まで上昇〜基本的な機動飛行の実施〜着陸という内容の、35 分間のフライト。今後、機体の設計・安全性・自動離着陸機能・ペイロード・通信といった分野の試験を進めていく。(GA-ASI 2014/7/14)
  • 米陸軍は 2014/6/2-19 にかけて Great Salt Lake Desert (Dugway Proving Ground, UT) で、UAV 搭載型の AEA (Airborne Electronic Attack) 機材に関する試験を実施した。計画名称は NERO (Networked Electronic Warfare Remotely Operated)、すでに 2009 年から実戦投入して実績がある C-12 搭載用の通信妨害システム・CEASAR (Communications Electronic Attack Surveillance and Reconnaissance) を、MQ-1C Gray Eagle に搭載したもの。全部で 32 時間の飛行試験を実施、うち 20 時間でジャマーを作動させた。この計画の資金は JIEDDO (Joint Improvised Explosive Device Defeat Organization) が負担している。(US Army 2014/7/10)
  • Kaman Corp. の Aerospace Segment が米空軍から、JPF (Joint Programmable Fuze) のオプション 11 契約を 850 万ドルで受注した。2015-2016 年にかけてデリバリーする予定。米空軍向け JPF の累計受注額は 5,040 万ドル、2002 年から独占供給している。(Kaman 2014/7/14)
  • Northrop Grumman Corp. は同社 Baltimore Campus (Baltimore Washington International Thurgood Marshall Airport に隣接) で、M-SAT (Maryland Space Assembly and Test) 施設の起工式を実施した。設備投資額は 2,000 万ドル、この事業所では最大規模のクリーンルームなどを設置する。(Northrop Grumman 2014/7/14)

今日の報道発表 (その他編)
  • 英海軍 (RN : Royal Navy) が 8 億ポンドを投じて Merlin HM.1 からのアップグレード改修を進めている Merlin HM.2 が、予定を 4 ヶ月前倒ししてデリバリーと就役を実現。さっそく、HMS Illustrious に乗艦して 6 月半ばから演習 "Deep Blue" に参加、対潜戦 (ASW : Anti Submarine Warfare)・洋上哨戒・負傷者後送の演習を実施している由。(MoD UK 2014/7/14, Lockheed Martin 2014/7/14)
  • GDUK (General Dynamics UK Ltd.) は AgustaWestland と組んで、Merlin HC.4 用の戦術情報処理装置を改修するための開発作業を実施した。MLSP (Merlin Life Sustainment Programme) の一環となるもので、Secure Data Recorder を導入してセキュアなデータ保管機能を実現する。Merlin HC.4 は洋上運用のための派生型で、AgustaWestland が 2014 年 1 月に 25 機の改修を受注している。(GDUK 2014/7/14)
  • 英国防省が Sentinel R.1 について、2015 年の退役予定を覆して 2018 年まで運用継続を決めたのを受けて、Raytheon UK Ltd. では「同機を対象とする能力維持・改善を図る」と表明。ソフトウェアの改良で洋上監視能力を強化するとのこと。また、地上側の支援体制についても見直しを進めている由。(Raytheon 2014/7/14)
  • MBDA (Matra BAE Dynamics Alenia) は スペイン空軍 (FAE : Fuerza Aerea Espanola) 参謀総長の F. Javier Garcia Arnaiz 大将を迎えて、Meteor 空対空ミサイルの量産開始式典を実施した。(Spanish Air Force 2014/7/14)
  • Airbus Defence and Space は、A400M を使った初めての空挺降下試験をフランスとスペインで実施した。降下を担当したのはスペイン陸軍の部隊で、全部で 11 回の飛行試験を実施。フリーフォール試験では、20 名が左右のドアからそれぞれ 10 名ずつ、1,500ft の高度から降下した。A400M は完全装備の歩兵 116 名を搭載可能。(Airbus Defence and Space 2014/7/14)
  • Northrop Grumman Corp. は、豪 DMO (Defence Materiel Organisation) の Global Supply Chain プログラムについて、「これまでに 15 社の地元 SME (Small and Medium Enterprise) と契約を締結、累計発注が 1,400 万ドルに達した」と発表した。(Northrop Grumman 2014/7/14)
  • シンガポール海軍 (RSN : Republic of Singapore Navy) の Formidable 級フリゲート・RSS Intrepid が 2014/7/12 に、RIMPAC 2014 演習の席で Aster 艦対空ミサイルの実射を実施した。同艦は S-70B ヘリを搭載して RIMPAC 2014 演習に参加しており、チリ・ノルウェー・アメリカの艦 4 隻を指揮下に入れて任務群を編成、対潜戦 (ASW : Anti Submarine Warfare) や対空戦の訓練を実施している。RIMPAC における RSN の参加は 4 回目、任務群の指揮は 2 回目。(Singapore MoD 2014/7/12)
  • カタールが Patriot×10 個高射隊・AH-64×24 機・FGM-148 Javelin 対戦車ミサイル×500 発を総額 11 億ドルで調達する計画を立てており、2014/7/14 に両国の国防長官ならびに国防相が LoA (Letters of Offer and Acceptance) に署名した。(AFPS 2014/7/14, DefenseNews 2014/7/14)
  • IAI (Israel Aerospace Industries Ltd.) は、ヘリコプターが DVE (Degraded Visual Environment) 環境下で安全に飛行するための支援機材を開発した。レーダー、先進処理アルゴリズム、多機能ディスプレイ (MFD : Multi Function Display) の組み合わせで、地形や障害物に関するレーダー映像を得てディスプレイに表示するもの。送電線でも 95% の確率で探知でき、消費電力は 250W と少なく、機材は 30cm×40cm のものが 2 個で重量 30kg と小型軽量。(IAI 2014/7/13)
  • アルゼンチンの Cordoba にある FAdeA (Fabrica Argentina de Aviones) で、ブラジル・アルゼンチン・エクアドル・ベネズエラの代表が会談した。議題は UNASAR (Union of South American Nations) 諸国向けの初等練習機開発計画・Regional Flight Training initiative。機体の設計にはブラジル企業 4 社が参画、さらにブラジルの BNDES (National Bank for Economic and Social Development) が資金を確保する。これを受けて、2014 年後半に Unasur Aero なる新会社を設立、ここが資材の発注やその際の支払を担当する体制とする。技術・兵站・産業面の要求仕様はまとまった。開発費は 6,000 万ドルを見込み、うち 60% がブラジルの負担。国別の分担比率はブラジル 62%、アルゼンチン 28%、ベネズエラとエクアドルは 5% ずつ。ブラジルでは Novaer が降着装置、Akaer が主翼、Avionics and Flight Technologies が計器盤まわりを担当。アルゼンチンは扉・プロペラ・発動機架・射出座席を担当する。調達機数はアルゼンチン 50 機、ベネズエラ 24 機、エクアドル 18 機。(Brazilian MoD 2014/7/16)
  • ブラジル海軍が、H-XBR 計画の下で国内製作した EC725 の受領を開始した。海空軍の間の合意に基づき、COPAC (Coordinating Committee of Combat Aircraft Program) を通じて実現したもの。訓練や救難などに使用することになっている。H-XBR 計画は 2008 年に伯国防省と Helibras (Helicopteros do Brasil S.A.) の間で合意が成立したもので、EC725×50 機をブラジル軍向けに生産するというもの。2017 年末までに、三軍にそれぞれ 16 機ずつを配備、残る 2 機は大統領専用機とする。(Brazilian MoD 2014/7/11)
  • AgustaWestland はバングラデシュ国防省から、同国空軍向けの AW139×2 機を受注した。2015 年の末にデリバリーする予定。洋上救難ならびに汎用ヘリとして運用する。包括的サポート業務と訓練業務も契約に含まれる。装備は、捜索/気象レーダー、FLIR (Forward Looking Infrared)、サーチライト、救難用ホイスト、緊急浮揚装置、4 自由度飛行制御システム。(AgustaWestland 2014/7/11)
  • 海上保安庁が、救難型 S-76D の初号機を領収した。(Sikorsky Aircraft 2014/7/14)

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人事・組織

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戦争・紛争

最近のニュースいろいろ
  • オーストラリア国防軍 (ADF : Australian Defence Force) がアフガニスタンの Kabul にある中央補給処 (Central Supply Depot) で実施していた、兵站関連の訓練が終了した。これを担当しているのは ISAF (International Security Assistance Force) の LTAT (Logistics Training Advisory Team) で、それに対する ADF の派遣が終了したもの。(Australian DoD 2014/7/16)
  • イスラエル空軍 (IAF : Israel Air Force) は、Gaza Strip から領空侵入した UAV を Patriot 地対空ミサイルで撃墜した、と発表した。Hamas の武闘部門・Izz-al-Din al-Qassam Brigades は 2014/7/14 に、自主開発した UAV・Ababil 1 の存在を明らかにしている。偵察用の A1A、攻撃用の A1B、自爆突入用の A1C と 3 種類の派生型があると説明。また、このうち A1B が飛行している模様を撮影した動画も公開した。箱形断面の胴体に高翼・ツインブーム・プッシャー推進という構成。(IAF 2014/7/14, IHS Jane's 360 2014/7/13)
  • フランス政府は 2014/7/13 に、マリにおける戦闘任務を終了してフランス軍の撤収を進める、と発表した。当初、"Operation Serval" は 5 月で終了する予定だったが、Kidal で政府軍と反政府勢力の衝突が発生したため、終了が遅れた次第。フランス軍のマリ派遣部隊は、18 ヶ月間の作戦で合計 8 名の戦死者を出している。Jean-Yves Le Drian 仏国防相によると、3,000 名のフランス軍を投入、うち 1,000 名がマリ北部に、残りが周辺の 4 ヶ国に展開している由。(DefenseNews 2014/7/13)

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こぼれ話

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AFPS : American Forces Press Service
DID : Defence Industry Daily

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