9歳女児、軽トラと電柱に挟まれ重体 世田谷区の通学路で惨事
17日午後1時半ごろ、東京都世田谷区代沢2丁目の路上で、軽トラックが小学校3年の女子児童3人に突っ込んだ。9歳の児童1人が心肺停止の状態で病院に搬送され、意識不明の重体。警視庁北沢署は、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、運転していた自称自営業の男(61)を現行犯逮捕した。現場道路は通学路だが、いわゆる“抜け道”として使われていた。
「頑張って! 頑張って!」。事故直後、心肺停止状態で搬送された児童の母親は、現場に駆け付け、娘に声をかけ続けたという。北沢署などによると、現場から約100メートル離れた区立池之上小から下校中の3年生の女子児童3人に軽トラックが突っ込んだ。児童のうち、9歳の1人が電柱と車の間に体を挟まれて心肺停止状態となり、搬送されて意識不明の重体。一緒にいた9歳の児童が右肘を骨折する重傷で、もう1人は8歳で右膝に軽いけがを負った。
軽トラは、電柱に追突して止まった。前部が大きくへこんだ軽トラを降りた運転者の男は事故直後、取り乱した様子で、近くの男性に「ギアを入れ間違えた」と説明したという。
通行人らが協力して車体を押し、挟まった児童を救出したが、既に意識はなかった。他の児童2人は、座り込んで泣いていたという。現行犯逮捕された男は、北沢署の調べに「大変なことをしてしまった」と容疑を認めている。男も負傷しており、いったん釈放され入院。北沢署は、回復後にあらためて逮捕する。男は「子どもが飛び出してきた」とも話しており、同署は、事故状況を慎重に調べている。
現場は京王井の頭線池ノ上駅付近の、見通しがいいまっすぐな道。付近には住宅地が広がるが、住民によると「淡島通り」と「井ノ頭通り」をつなぐ、いわゆる“抜け道”として使われており、幅が狭いにもかかわらず、大型車が走ったり、スピードを出す車も見られ、通学路となっていることの危険を指摘する声もあったという。歩道を除くと幅約3・5メートルで、一方通行ではなく、車両が対向する度に、歩道側までせり出して通るケースがほとんどだ。
重体となっている女子児童の一家と家族ぐるみで付き合いがあるという女性は、「3人きょうだいの末っ子で、おばあちゃんともすごく仲がいい朗らかな子です…」と声を震わせていた。