小樽に比べて、観光地はほとんどないし、駅前周辺もそんなに栄えてはいないし、札幌からも結構遠いですよね。
北海道にとって苫小牧港は非常に重要な港です。
苫小牧港は太平洋側にありますので津軽海峡をわたらずに東京、名古屋、北米に出ることができます。小樽港は津軽海峡もしくは宗谷海峡をわたらなければ出ることができません。その分、時間と燃料が余計に必要になります。
かつて小樽港は天然の良港として栄えました。開拓当時は陸路も整わず物資の輸送は主に船で川をのぼりましたので、海から石狩川、豊平川を遡ることのできる小樽港は非常に重要でした。
しかし、現在の運送はトラックと貨物列車が中心となったので小樽港に優位性はありません。むしろ海路で余計な時間がかかることから敬遠されるようになっています。
その後、鉄道と国道36号線、道央自動車道が整備され、苫小牧港の整備も進み、現在では苫小牧港の方が重要な港湾となっています。
また政府の石油備蓄施設や自動車メーカーなど本州資本の工場進出などもあり苫小牧は大きく成長しています。このあたりは空路(新千歳空港からのアクセス)の利便性も大きく影響しています。
現在、苫小牧市の人口は足踏みをしていますが長期的にはまだまだ発展をすると予想しています。
ただし、苫小牧は札幌へのアクセスが良すぎることが逆にネックとなって商業施設が発展できない場所と言えます。首都圏では千葉県、中京で言えば三重県のような位置づけです。工業地帯ですが商業は将来性が高いとはいえません。現在、苫小牧にある大きな商業施設はイオンモールくらいです。
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また、製紙業・自動車部品製造業・石油関連事業という基幹産業が発展しており、
これらの産業に従事する労働者の人口がかなりあります。
積雪量は北海道の中では少ないため、雪害による産業への影響も小さくなっています。
一方、小樽市は観光産業以外にこれと言った基幹産業がありません。
札幌のベッドタウンの要素も多少はありますが、石狩市・江別市・北広島市・千歳市
というような、他の有力なベッドタウンと比較して、距離や不動産価格で見劣り
することは否めません。
実際、苫小牧市は人口が増加しておりますが、小樽市は人口が減少しております。
人や物流の中心を鉄道(札幌駅)で考えた場合は、確かに苫小牧より小樽の方が近いですが、
人や物流の中心を航空機(千歳空港)で考えた場合は、
小樽よりはるかに苫小牧の方が有利です。