ローラ整形指摘問題と10代モデルの虐待がらみで
山本 一郎 | 個人投資家
山本一郎です。ようやく少し熱が下がってきました。今年のインフルエンザは喉に来るようです…。
ところで、先に石原真理という真正面から目を見てはいけない類の女優さんのブログで、自身の写真映りの方法を真似たかどでタレントのローラを罵倒し、騒ぎになっておりました。
妬みそねみの撹乱錯乱作戦。妬みそねみのキツネが住まう日本国。キツネの正体をお知り下さり、魂と心をやられないで下さい。(石原真理“ふわっとした瞬間” 14/9/15)
魚拓はこちらになります。
確か詐欺容疑で逮捕されたローラの父親については嫌疑不十分となり処分保留で釈放になったので、犯罪家族云々は石原真理の踏み込みすぎにしても、整形云々についてはちょっと行き過ぎたショービジネスに対する問題提起の部分もあるのではないかと思う次第です。
舞台となったのはポップティーンというティーンエージャー向けのファッション雑誌の読者モデルにローラが登板したところからなんですが、出始めの画像は2007年はじめであろうとのことです。ローラは公称1990年生まれだそうですので、16歳17歳ぐらいのときに出始めた感じでしょうかね。
しかし、そこから7年が経過するうちに大きく面相が変貌し、面影以外は総取替えのような状態になっています。美容整形の世界でも、標準的な術式でうまくいった例としてカンファレンスで題材に挙がるほどのものだそうですので、興味深いところではあります。
痩身や成長によって改善する部分はいじっておらず、内容としては複数の医師が指摘するとおり目頭切開、鼻プロテーゼ、鼻尖縮小、エラから顎にかけてのボトックスあたりが施術内容ではないかと思われるわけです。表情に関わる神経や筋肉を残しているので面影は完全に残っているとはいえ、行われた施術はある意味で典型的な全面入れ替えであることは見る人が見れば見抜けるものであります。
良い顔がもたらす好感度で売る芸能界に打って出ているわけですから、多かれ少なかれ若い女の子が少しでも美しくなろうと整形手術に踏み切ること自体は本人の同意や覚悟が至るところであれば仕方の無いところではあります。また、例えば歯茎や歯列のように、生きていくうえで機能的に悩ましい場合だって整形手術のお世話になることを考えると、美容整形の是非については線引きの難しいところは多々ありましょう。
一方で、ローラの件では特徴的に言えることかもしれませんが、彼女においては読者モデルとしても当初から頭角を現していたわけではなく、ある局面で飛躍的に売れていったタレントです。おそらくは、その間に何らかの「投資」があって、上記のような美容整形に打って出たのでありましょう。そのとき、彼女の本当の意志はどこまで確認されたのか、また、その決して安くは無いはずの手術費用はどこから捻出されたのかといったところは、当然人口に膾炙する部分です。
この読者モデルで10代から上がってきて一山いくらの状態から、何かの大人の力が働いて本人の意志が省みられないところで顔に手が加えられてしまうという事案については、業界全体の構造としてある種の虐待に近いものを感じる場合もあります。何しろ、取り返しがつきませんから。ある程度分別のつく年齢において、自身の判断と財力で美しい身体を手に入れるのだ、もう少し機能的な状態にしたいのだというのは理解するんですけれども、このあたりはもう少し全容をきちんと把握して変な略取が起きないように考えていくべきなのではないでしょうか。
この手の芸能関係で「デビューできるから」などとして整形手術を薦める手口で被害を受けたなどとして、警察他当局に寄せられる相談は年間20件程度あるようです。こういうの、れっきとした虐待とか犯罪の類だと思うんですよね。
ローラの場合は、売れたから良かったんだとは思いますけど、他の大多数の場合は… お察しください。何しろ、取り返しがつきませんので。