枝野幸男新幹事長が隠したい“成績表”と隠し切れない軽さ
もうすぐ下野して2年になる野党第1党の民主党。海江田万里代表は9月29日から始まる臨時国会に向け、執行部の入れ替えにようやく踏み切ることになった。
大畠章宏氏に代わって、幹事長に就任するのが枝野幸男氏だ。枝野氏は、『6人衆』と呼ばれる反主流派の1人と見られてきた。6人衆とは、枝野氏、野田佳彦元首相、前原誠司、岡田克也両元代表、安住淳元財務相、玄葉光一郎元外相を指し、海江田執行部とは距離を置いてきた面々だ。
「枝野氏は6人衆の中で唯一、表立った批判をしなかった点が評価された」(政治部記者)
だが実は、9月9日、新幹事長にとって「不都合なデータ」が集計されていた。来春の統一地方選に向け、党が全国の地方組織にノルマを課した党員・サポーター集めの結果である。
「全体的には微増しましたが、目標の約31万人に約8万人も届かなかった。都道府県別のリストを見ると、岡田氏がいる三重以外、6人衆の府県は軒並みノルマを達成していません。中でも枝野氏が県連常任顧問を務める地元埼玉は惨憺たる結果でした。これで党勢回復のかじ取りを任せられるのか大いに疑問です。付け加えれば、海江田降ろしに動いた前原氏が府連常任顧問を務める京都も、ひどい結果でした」(民主党議員)
枝野氏といえば、菅内閣で官房長官を務め、説明能力の高さには定評があるが、一方で“軽さ”も懸念される。
昨年5月、党青年委員会がトークイベント「民主党公開大反省会」を開催。「言い訳が多い」と批判を浴びたが、枝野氏も菅直人元首相らと出席していた。
「青年委員会の中心人物は枝野氏に近いさいたま市議です」(民主党関係者)
この青年委員会は、5月から「民主党大学」なる政治家養成塾を立ち上げている。
「地方選の候補者発掘のためだったはずが、講師陣は“尾木ママ”で知られる教育評論家の尾木直樹や漫画家の小林よしのり、タレントの春香クリスティーンなど。党として、どんな政治家を育てたいのか、さっぱりわかりません。枝野氏が党の先頭に立てば、これらと似た、サークルのノリのような軽い取り組みが増え、世論の遠心力が働くのでは」(同前)
幹事長就任は2度目の枝野氏。前回は参院選に敗れ、短命に終わったが、リベンジは簡単ではなさそうだ。