【U21】日本、イラクに完敗!後半2失点、守備に課題
◆仁川アジア大会 ▽1次リーグD組第2戦 日本1―3イラク(17日、韓国・高陽総合運動場)
【高陽(韓国)17日=細野友司】1次リーグD組の日本は1―3でイラクに今大会初黒星を喫した。0―1の前半36分、エースのFW中島翔哉(20)=F東京=が一時同点とする大会初ゴールを決めたが、手倉森ジャパンとして最多タイの3失点で守備に課題を残した。21日の第3戦でネパールに勝てば無条件で決勝トーナメント進出が決まる。
大敗を告げる笛に、イレブンは立ちつくした。手倉森ジャパン発足後、最多タイの3失点。プレッシャーのスピード、強さ。16年リオ五輪を目指す若武者たちは、完敗で多くの課題を突き付けられた。手倉森誠監督(46)は「失点は気分が悪いだけ。イラクの壁を破れれば成長を示せたが、今回は無理だった」と唇をかんだ。
12年U―19アジア選手権(UAE)、14年U―22アジア選手権(オマーン)に続き、また宿敵に屈した。前半12分、DF室屋のクリアミスを相手の18歳MFタリクに決められた。1―1とした後半3分にも室屋が裏を取られて失点。27分にはMFアドナンの直接FKを被弾した。「今までやったことがないくらいフィジカルが強かった。スピードにもついていけなかった」と現役明大生DFは絞り出した。
イラクは中東開催のリオ五輪アジア最終予選で対戦可能性がある、アジア最大のライバル。DF岩波は「3回も勝てないのは力が足りない。そこに目を向けないといけない」と焦りをにじませた。この試合にはオーバーエージ枠(24歳以上)3人を起用したが、得点を許したタリクとアドナンはともに五輪予選に出場可能な21歳以下。年齢は言い訳にならない。
世代間で一貫した強化を目指し、A代表と同じ「4―3―3」を新採用したが、熟成の途中。初陣から2戦4失点のアギーレ・ジャパンと同じく、守備という課題を抱えることになった。指揮官は「弱くて負けた訳じゃない。目指すサッカーはできたけど、勝負で負けさせられた。次に(決勝で)当たれば勝てる手応えもある」と強がったが、イラク戦3連敗は紛れもない事実。現状を直視し、リオ五輪へ改善を続けるしかない。
◆日本の決勝トーナメント(T)進出 1次リーグ最終戦で日本がネパールを下し、クウェートがイラクに勝つと3チームが2勝1敗で並ぶ。この場合、当該の3チームの対戦成績は1勝1敗となるため、3チーム間の直接対決の得失点差で決勝Tに進出する2チームを決める。日本はクウェート、イラクとの2試合を終え、得失点差がプラス1。一方、日本戦での得失点差はクウェートがマイナス3、イラクはプラス2のため、第3戦で直接対戦する両チームが、ともに日本のプラス1を上回る可能性はない。