続・佐々木俊尚はどこまで感情的なのか
2014/09/18 08:49:00


元記事についても少し述べる。

  ★ — ネトウヨに絡まれたことについて(閲覧注意)
  http://muzigetari1984.tumblr.com/post/97464908936

在日だから「ゴキブリ」と呼ばれるのが我慢できないという。それは誤解だろう。別に在日はゴキブリと呼んでいいということではない。日本では日本人をゴキブリと呼ぶ権利もあるということ。

むろん誰でも自分がそう呼ばれれば不愉快だし、耐え難いケースもあるだろう。それは俺も含めて日本人も同じ。ついでにいえば「社畜」とか呼ばれるのも不快ではある。しかし不快だからといって言動をどんどん制限していけば、互いに不自由になるだけだし、もともとの、不快な言動の背景となる問題は何も変わらない。むしろ顕在化しなくなった分、問題の解決が遠のくかもしれない。

ということで俺は言論・表現の自由は無制限に認められるべきだという立場。言論や表現の自由を制限しても何も問題は解決しない。

   *   *   *

なんらネット上で政治的・社会的発言をしていないのに、なぜかそういう問題に巻き込まれたというなら同情するが、ブログを読むと、差別デモに対する意見を述べたことがきっかけだという。

社会的・政治的な発言をすればそれに対するリアクションが返ってくるのは当たり前。それが政治問題・社会問題の議論の範囲を超えて、発言者個人の生活に不利益をもたらすものになった場合、それは(発言者の)言論の自由を脅かすことになるから、言論の自由を保証するために、そうした行為を取り締まることは必要。

しかし単に「不愉快だ」というだけでは、誰だって自分の意見に反論されれば愉快ではないわけで、不愉快という理由だけで相手の主張を制限しようというのは、今度は逆に相手の言論の自由をする行為となるから、聞くわけにはいかない。

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すなわちこの問題のポイントは、単に不愉快だという以上の発言者個人の生活が看過できないほど不利益を被っているか否かという点になる。

ひとつ言えることはこの人がこの問題について積極的に発言している間は、一方的な被害者とはいえないこと。望んでボクシングのリングに上がっているのだから、リング上で殴られるのはルールの範囲。リングの外で殴られているか、つまり私生活やこの問題の論争とは関係のない仕事で不利益を被っているか否かが重要。

ネット上であっても、こうした論争とは無関係の話題を知人と楽しく話しているところに、「ネトウヨ」が乱入してきて、楽しくすごく機会を奪われてしまったとかなら、それは被害といえるが、自分から積極的にこの論争に参加している場で、不愉快な相手から言動をされるからといって、直ちに被害者だということにはならない。

したがって「被害」を訴えるなら、論争とは無関係な場で、すなわち論争を望んでいない状況で、いかに一方的な不利益を被ったかを主張しなければならない。

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発言者が差別デモと呼んでいるものについては、被害の有無は微妙。論争の場と違い望まないのに差別デモの様子や声が耳に入ってきて、自分の日常生活の平穏を乱されたというのであれば、被害といえるかもしれない。しかしたとえばわざわざ差別デモに抗議しに行き、その場で罵声を浴びたというなら、それは被害とはいえないだろう。

また日常生活の平穏についても、一定の社会運動は認められているわけで、たとえば原発反対だとか東電の経営幹部の責任を追求せよといった政治的主張のデモは、批判されている当人から見れば同様に心の平穏を乱される。しかしそれらをすべて禁止したら社会運動などできなくなってしまう。

したがって明らかに問題というほど明らかではない。社会全体の利益のために国民の社会運動は認められるべきだし、それによって個人が一定の不利益を得るのもしかたない。これは日本人同士であっても同じこと。国民やマスコミの批判にさらされて自殺した政治家や企業の幹部も少なくない。しかしだからといって批判を禁止するわけにはいかない。

元発言者は当事者だから「自分は社会の敵ではない、批判されるようないわれはない」という立場なのだろうが、それは政治家や企業の幹部とて同じこと。自分が良かれと思ってやってきたことが、社会の敵のように批判されるのは誰しも辛い。しかししかたのないことだ。批判を禁じたら社会がもっと困ったことになる。

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自分の私生活を守りたいなら、ある程度頭を使うべきだと思うけどね。国政選挙だって「匿名」だよね。人間の弱さ・醜さを考慮し他システムになっている。自分の私生活を守りつつ、自分たちの政治的主張をする方法はいくらでもあるはず。

逆にあえてそうせず、自分の私生活まで材料にして捨て身で、自分たちの主張を訴えるのも、それはそれで1つの方法ではあるが、それなら相応のリアクションが返ってきても仕方ないんじゃないですかね…。ある意味予定通りなんだから。


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