日銀の黒田東彦総裁は16日、大阪経済4団体共催の懇談会後の記者会見で、円相場が対ドルで約6年ぶりの水準に下落していることについて「米国経済が順調に拡大して、量的金融緩和の縮小が最終局面に入り、いずれ金利が上がっていく。その下でドルが高くなり円が下落したのは自然なこと」との認識を示した。その上で「日本経済にとって困ることはない」との従来の判断を繰り返した。
黒田総裁は「為替レートは安定が望ましいが、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映すべきだ」と指摘。今の動きについて「行きすぎた円高が是正されるなかで、米国経済が順調に成長を加速させている」ことが背景にあるとの見解を示した。総裁は懇談会で円高是正が進んだことを受け、企業経営者が生産拠点の海外移転のスピードを緩めるとの期待を重ねて示していた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
黒田東彦、日銀