北京=斎藤徳彦
2014年9月17日19時15分
「日本のiPhone6が世界一安い」。米アップルのスマートフォン新機種の発売を前に、中国のネットがこんな盛り上がりを見せている。日本での購入を請け負うサイトが続々登場。中国より発売の早い隣国で進む円安に、消費者が熱視線を注いでいる。
12日に日米などで「6」の予約受け付けが始まると、中国のIT情報を扱うサイトではすぐ、各国の端末価格を比べる表が出現した。中国のどの通信業者でも使えるタイプのうち、低価格の機種を10日の為替レートで人民元換算すると、日本が3917元で最も安かった。急激な円安の影響が大きいようだ。
「一番安いのは、なんと隣国だった」(有力サイト「中関村在線」)。それで脚光を浴びたのが、「代購(タイコウ)」と呼ばれる、代理で海外で端末を買ってもらう方式だ。
ネット通販最大手、アリババ・グループが運営するサイト「淘宝網(タオバオ)」には、日本での代理購入を手がけるネット業者がずらりと並ぶ。100台近い購入を受け付けた業者も出てきている。
中国でもiPhoneは若い世代を中心に人気だが、「6」については中国国内の発売が未定だ。当局からの認可が遅れているといい、サイバー分野を巡る米中両政府の関係悪化が影響している可能性も指摘されている。機種本体はほとんど中国で生産しているだけに、工場から流出したとみられる製品も地下市場では売られているが、価格は1万3千元(22万6千円)以上するという。(北京=斎藤徳彦)
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