先日、日経ビジネスの
ミニバンに乗るの、やめませんか?
カー&プロダクトデザイナー/SWdesign代表 和田 智さん(2)
というインタビューが大変話題になりました。和田さんは日産でセフィーロを開発されたあと(奇遇だけど自分もプロモーションのごく端っこを担当させて頂きました)、Audiに移り、現在では独立されている。
これについては自分のFacebookのフィードで投稿したら議論殺到、NewsPicksでもかなり盛り上がっていた。
この中で和田さんが「どうしてミニバンに乗るのやめましょうか」の理由に
和田:話をもどしましょう(笑)。理由ははっきりしています。ミニバンばかりの自動車の風景は美しくないし、乗っている人もかっこよく見えないからです。
川島:美しくないし、かっこよく見えない!
和田:昨年まで住んでいた家の前に少年野球場があったのですが、週末、子供たちは皆、お父さんが運転するミニバンで送られてグラウンドにやって来るのです。その光景を見ていると、お父さんが子どもたちの運転手に成り下がったように見えたんですね。
と、おっしゃっております。これ、ミニバンに実際に乗られている方から見ると「ムカッ」(笑)といるような言い方ではある。「ほっとけ」と言いたくなる気持ちもわかるし、自分もラグレイトを新車で2台からフリードを乗り継いだミニバン大好き人間なのだ。
ところで和田さんの趣旨は「車は街の風景の一部である。だからみんながミニバンだと美しくない」ということなんであるが、実はミニバンっていまはそんなに売れてない(ツッコミどころが違うというのはおいといて)。
この間も書いたけど、実はミニバンはもう売れてない。8月の自販連のデータでは
順位 ブランド名 台数 前年比
1 アクア トヨタ 14,543 68.8
2 フィット ホンダ 13,369 215.9
3 プリウス トヨタ 10,675 63.7
4 ヴォクシー トヨタ 8,531 315.1
5 ヴェゼル ホンダ 7,985 (25-12)
6 カローラ トヨタ 6,651 96.9
7 ノート 日産 6,622 75.4
8 レヴォーグ スバル 5,391 (26-5)
9 ヴィッツ トヨタ 4,811 90.4
10 ハリアー トヨタ 4,673 (25-12)
ミニバンはベストテンのうち、4位のヴォクシーだけ。いま売れてるのはハイブリッドのコンパクトカーばかりである。4位のヴォクシーも今年1月にフルモデルチェンジして、ハイブリッドでリッター23.8kmのが出て売れているわけ。ここ最近のガソリンの価格高騰でリッター20キロ以上走るハイブリッドに人気集中なんであります。右も左もミニバンだった時代はちょっと前なのです。
ガソリンの価格の推移を振りかえると
こんな感じでした。バブルの頃もけっこう高かったのだが、今はもっと高い。バブルの時より物価は何分の1かなのにガソリンは最高値である。このまま円高が続いて、原発が再起動すれば原油から重油を精製したあとのガソリンがだぶつくことも無くなり、さらにはシリアとかイラクとかイランとかロシアの情勢で原油価格が騰がる。下がる要素ってあまりないから、コンパクトカーのハイブリッドばかりになってるのだ。昔、チェロキーワゴニアとかシボレーのブレイザーに乗っていたが、ハイオクでリッター5kmとかだった。いまじゃあんなのあり得ないわ。
これでは大型ミニバンがフルモデルチェンジをしても、燃費がリッター20kmくらいはないとなかなか売れないです。でもこれはミニバンに人気が無くなったからではなくて、いまの自動車選びの最重要項目が「燃費」になったからだと思うわけです。仮にリッター20kmを達成したミニバンが出たらまた売れるよ。
なんで日本でスタイル重視の車が売れなくなったか
バブルの頃、日本では白のマークIIとかプレリュードが売れまくりました。ハイソカーブームと言われておりました。ハイソカー買うともれなく女の子が付いてくると信じておりました。外車も売れました。このときの車選びの最重要項目と現在では相当に購買における指向が変わっております。
自分が考えてる感じをグラフにしてみました。こちらなんの調査もしておりません。単なる手前勝手な感覚です。しかしリクルート時代はカーセンサーにも在籍してまして、当時は調査データを自社で毎年とっているのを熟読してました。
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