友清哲|ライター
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情報収集の形が変わる。ニュースキュレーションサービス「NewsPicks」のソーシャルな活用術
情報収集はビジネスの要。そして、情報が氾濫する世の中だからこそ、そのスキルが問われます。
そんななか、経済やテクノロジーに特化した良質のニュースメディアとして、いま多くのビジネスパーソンに愛用されているNewsPicks。その最大の特性は、キュレーションサービスである側面とソーシャルメディアである側面を巧みに融合させている点です。
NewsPicksのアプリ画面。(左)立ち上げるとまずはタイムラインが表示され、フォローしている人たちがpickした記事が流れる。(右)さまざまな識者や著名人がユーザーに存在しているので気になる人をフォロー。ちなみにライフハッカーもいます。
気になる人をフォローすると、その人が読んでいる記事や、コメントしている記事だけを読むことができます。つまり、「選ばれた今話題のニュースを読める」ことに加えて、それに付随するコメントを読むことで「記事の裏側や多面性を知ることができる」のです。さらにいえば、ニュースに対する「専門家や識者、著名人の考え方やリアクションにいち早く触れる」ことができます。
また、上記のような効率的な情報摂取だけでなく、ユーザーは読者であると同時にニュースをpickし、コメントをつけることで、情報の発信者になることもできます。
今回、ライフハッカーでは、日々NewsPicksを使いこなす業種のことなる4人のユーザーにご登場いただき、それぞれの使いこなし術をお聞きしました。
自分自身の意見が磨かれ、客観性が養われるアプリです。
まずは、NewsPicksの人気ユーザーランキングで見事1位の座に君臨する(2014年9月9日現在)、牧浦土雅さん。ブリストル大学在学中の牧浦さんは、イギリスで暮らしながら日本のニュースチェックを怠らず、NewsPicksをフル活用するユーザーの1人です。
「僕はモバイルで毎日、朝昼晩と3回チェックするようにしています。朝起きたらまず、コーヒーを飲みながら総合ニュースを上から下まで一通り読んで、気になった記事にコメントします。その後、ロイターや東洋経済オンライン等々、フォローしているメディアをざっとチェックしていくんです。あ、ライフハッカー[日本版]も読んでますよ!」
ここでは挙げきれなかったものの、「"知らないこと"があるのが好きではない」と、毎日膨大な数のメディアに目を通している牧浦さん。大学に籍を置く傍ら、Needs-One Co.,Ltd.のCo-founderという肩書きも持ち、日本企業の東アフリカ進出へのコーディネートや、国際教育支援NGO活動などにも取り組んでいます。そのため、新興国関連の記事にはとりわけ敏感で、ついついコメントも長くなってしまいがちなのだとか。
「以前はグノシーとBBCを毎朝チェックする程度だったのですが、もう少しバラエティ豊かな記事を読みたいと考えていた時に、NewsPicksを知りました。各分野の専門家だけでなく、様々な考え方や背景をもった人たちの意見に触れることができるのがいいですね。とくに意見が真っ二つに分れそうな記事は、コメントまでじっくり読んでいます」
最近の例でいえば、日本テレビが手がける夏の風物詩『24時間テレビ』についての、次のような議論に注目されたそうです。
「チャリティ番組でありながら、出演者に高額なギャラが支払われていた件について、"それによって多額の寄付が集まっているのだからいいじゃないか"という肯定派と、"チャリティなのだから無償で出演するべき"という反対派の間で議論されていましたよね。僕自身は後者の立場なのですが、コメントを読んでいくと、"受け取ったギャラを寄付するか懐に入れるのかは出演者次第"といった意見もあるし、他のユーザーがPickした他の情報から、トータルで28億円集まったはずなのに、チャリティ委員会の予算書の受取寄付金には13億しか上がっていない事実が提示されていたりする。こうした情報を受けて、"集めた寄付金が実際にどう使われたのか、翌年の24時間テレビでドキュメンタリーを流せばいい"といった提案型のコメントが多々見られたりするのも、NewsPicksならではでしょう」
ちなみに牧浦さん自身は、「人の意見に流されないようにコメントする」ことを意識しているそうで、記事を読んだあと、まずは他の人のコメントを一切読まずにコメントを書き込むのがセオリー。それにより、専門家の見解に流されることなく、自分自身の考え方を磨くことにも繋がるのだと語ります。
「NewsPicksを使い始めたことで、実際に人とニュースについて話す際、より客観性のある意見を述べられるようになったように感じています。毎朝テレビでニュースを見ているだけの人よりも、何十倍も効率のいいアプリだと思います。正論に聞き飽き、刺激を求めている人に、ぜひお勧めしたいです」
情報収集の所要時間を劇的に圧縮してくれるツールです。
2人目は、Web制作会社「ビットエー」のディレクター兼CMOとして働きながら、日本ディレクション協会の会長としてWebディレクション講座のワークショップなどもこなしている中村健太さん。毎日、東京都青梅市から職場がある品川までの通勤時間に、NewsPicksを使って情報収集に勤しんでいます。
「他のニュースアプリやサービスでは、たいてい記事本文に誘導しようとする"煽り"があるんですが、NewsPicksの場合、頭に10行くらい冒頭文があって、わかりやすく解説してくれるコメントがあるので、ぱっと見でニュースの内容がだいたい把握できるんです。
つまり、『続きを読む』必要がない(笑)。おかげでかなりの時短につながっています。最近はもう、他のニュースサイトは読まなくなってきていますね。ニュースハック的というか、短時間で様々なニュースがわかったつもりになれるのは、おいしいですよ(笑)」
もともとは、興味のある記事ばかりに偏ってチェックしてしまう傾向が強かったという中村さん。しかし、NewsPicksと出会ったことで、「自分がすごいなと思っている人が、いま何に興味を持っているかという観点で記事を読むようになった」とか。
「こういったニュースサイトの本質は、記事本文以上にコメント欄での議論にあると思うのですが、僕のお勧めは、カテゴリーを登録するのではなく、ユーザーベースで登録して、Facebookのような使い方をすること。結果、個人にひもづいた記事を追いかけることができ、僕自身、いままであまりチェックすることのなかった金融系の記事などにも接するようになりました。また、僕はIT業界以外の業種との交流があまりないのですが、たとえば自動車業界で過去に実施されたキャンペーンなどもチェックでき、車に興味がない人に対してどうアプローチするか、といった情報が打ち合わせの時に生かせたりもする。Web制作会社は様々な商材を扱うので、こういう情報源を押さえておくことは重要ですね」
そして、操作性や使用感について、こんなお墨付きも。
「とにかく早いということに尽きます。気になるニュースを"後で読む"に溜めているものの、結局読まないで終わる人ってけっこう多いと思うんですが、それなら要約とコメントだけでも、その場でさっと読んでしまったほうがいい。NewsPicksはそういう使い方ができるんです」
自社で発信する記事をNewsPicksで拡散
つづいて登場するのは、有望なベンチャーの創造・急成長を支援するインクルージョン・ジャパン株式会社代表の服部結花さん。時事ニュースの総ざらいというよりは、その都度、話題になっているニュースのチェックにNewsPicksを活用しているそう。
「ニュースアプリとして使いやすいし、見やすいですね。知り合いにもユーザーが多いので、彼らがpickしている記事を追いかけていくことも多いです。いうなれば、リッチなSNS感覚で使っています」
そんな服部さんは、自らも記事を発信する立場であり、NewsPicksのこんな活用法も。
「自社でリリースした記事の反響を、NewsPicksでチェックしたりもしています。どんな人がPickしているのか、今何位くらいにあるのか。最近では、DODA編集部といっしょに取り組んでいる「"未来を変える"プロジェクト」のサイトコンテンツとして『レジリエンス 〜ビジネスパーソンが押さえておくべきキーワード〜』という記事を自社サイトに掲載したところ、NewsPicksのトップ20に入りました。Facebook上で5000近い"いいね!"が集まった記事なのですが、多くの人がNewsPicks経由でニュースを読んでいることを実感させられました。
また、『インフルエンサーだけが知っている:情報発信4つの誤解』という記事は、リリースした翌日にNewsPicksの総合1位になり、サイトへも膨大な流入が得られました。こうしてフィードバックサイクルが強まることで、1つの議題やテーマをより深めていけるのはありがたいですね」
日頃から、自社の記事を積極的にPickし、拡散の手段としてNewsPicksを活用している服部さん。手がけた記事に対するコメントから、賛否を含めた幅広い意見を知ることができるわけです。
「NewsPicksは、誰が何に興味を持っているかがわかる、"個人"が見えるニュースキュレーションサービスですよね。相手が著名人であっても、注目している人がいま何に興味を持ち、どの範囲までニュースを見ているのかを知ることができるのは、非常に有益だと思います。Twitterでも同様のことは可能ですが、NewsPicksのほうがずっと簡単。今後はぜひ、NewsPicks編集部がpickする記事を読んでみたいですね」
希少な情報にふれられる貴重なメディア
4人目に登場するのは、PR・広報の専門企業、エポックシード株式会社の代表を務める森下麻由美さん。国内外の企業や政府関係機関などに対して、広報戦略の企画立案から実践までを手がけるPRのプロにとって、最新情報のキャッチアップは不可欠です。
「普段はTwitterやFacebookのタイムラインを見ているのですが、ノイズが多く、あまり効率的ではないと感じることが増えてきたので、最近はSmart NewsやLINEニュースなどのアプリを使うようになりました。なかでもNewsPicksは専門的な情報が多く、他のソーシャルメディアにはなかなか流れてこない情報に辿りつけるので重宝しています。たとえば通販新聞や日刊工業新聞といった、日頃目にする機会の少ない専門紙の情報に触れられるのはありがたいですね」
希少な情報にアプローチできる点こそ、NewsPicksの大きなメリットと語る森下さん。自らコメントをつけたり、pickしたりといった能動的な使い方はあまりしていないそうですが、自身の引き出しを増やすことに大いに役立っているとのこと。
「職業柄、誰がどういうポジションで何を発言しているのか、という部分をかなり注意深く見ています。というのも、イベントを企画する際など、登壇者やパートナーを見つける材料になるからです。ある発言に対して、どういう挙動をする人なのかがチェックできるのは、NewsPicksならではですよね。これはPRを生業にしている人間だからこその、かなり専門的な使い方かもしれません(笑)」
PRとは、"発信のお作法"を見極める仕事でもある、というのが森下さんの持論。NewsPicksは使い方次第で人材発掘の場にもなり得るわけです。
「クライアントが多業種に渡っているので、ある特定の分野の情報を求めている場合は、カテゴリーも重視しています。あるいは、他のメディアの"中の人"が発信している情報というのも、興味深いものがありますよね」
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幅広い情報に対して、迅速かつ正確にキャッチアップすることは、ビジネスパーソンの大切な手腕。それは自分1人の視点を、いかに広げていけるかということでもあります。NewsPicksには、まだまだニーズや立場にあわせて様々な活用法が考えられるはず。自分のためのツールとして最適化できるのも、ソーシャルメディアの要素を持ったニュースキュレーションサービスだからこそでしょう。
(文/友清哲、取材・写真/米田智彦)