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2014.9.17 WED
ILLUSTRATION BY PATRICK HRUBY
TEXT BY WIRED.jp_W
1964年のオリンピックが東京にもたらした最も大掛かりなインフラは「首都高速」だった。59年に首都高速道路公団が誕生し、64年10月10日の開会に向けて、建設が急ピッチで行われた。東京が世界に名だたる都市へと成長するための、それは不可欠なビッグプロジェクトだった。
それから半世紀。再び開催される2020年のオリンピックを控えて、50歳をとうに超えた「東京」の若返り施策は急務となる。コンパクトでエコロジカルなオリンピックを謳っている以上、開催都市もまたそうした観点からの再編が必要なのは言うまでもない。都市とモビリティとの新しい関係を築くべく、グランフロント大阪などで実験的な試みを主導してきた「イノラボ」(電通国際情報サービス オープンイノベーション研究所)の渡邊信彦所長は、2020年を見据えたとき、都市交通を「自転車」を軸に再編することこそが現実解だと語る。
「これまで自動車をベースにしたマイクロモビリティの可能性を探ってきましたが、製品開発に時間とコストがかかるうえ、実際に都市で走らせようと思ったら法制度の整備にとてつもない改革が必要となります。それを終えてからサーヴィスを実装するとなったら、もはやまったく時間がない。けれども自転車であれば、すべてが一気に解決する」
イノラボの提案はこうだ。自転車はシェアバイクというかたちで、都市内各所に置かれる。「オリンピック開催期間中は、銀座エリアの自動車の進入を禁止にしてもいいかもしれない。こうした都市設計はヨーロッパではすでに見られますが、日本で導入を検討している自治体もあります。今後東京でも自転車専用レーンは増えていくでしょうから、積極的に利用しない手はない」
さらに渡邊は、電動アシスト自転車にLEDパネルを貼ったり、Wi-Fiでコミュニケーションができるようにすることで、移動手段としてだけでなく、新しい情報インフラとして活用することを目論む。
「観光客を競技会場へとナヴィゲートするのはもちろん、その人が東京滞在中にどんな場所を訪ねたかの履歴をもとに、観光地をリコメンドするようなこともできます。同じ国の人とすれ違うとそれが通知されたりとか、自転車を通じて、街と人と新しいかたちで繋がることができる。しかもエコでカッコいいじゃないですか」
自転車都市・東京。その実現のためには、いますぐにでも動き出さなくてはならない。東京の未来は、待ったなしの決断にかかっている。
今年のテーマは「未来の都市を考える TOKYOを再インストールせよ」。テクノロジーの視点から“未来の東京”“未来の都市”のあり方をとらえるべく、自転車ブランド「Biomega」のイェンス・マーティン・スキブステッドや、デンマークの気鋭建築家ビャルケ・インゲルス、WIRED初代編集長のケヴィン・ケリーら豪華な面々が登壇する。開催は10月10日(金)。お申し込みはお早めに!
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2014.09.17
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