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【MLB】田中将大が“最終試験”で5回無失点 ヤンキース投手コーチ「明日痛みがなければ今週末にメジャーに戻れる」

Full-Count 9月16日(火)7時0分配信

ヤンキース監督らも視察

 右肘靱帯部分断裂からの復帰を目指すヤンキースの田中将大投手が15日(日本時間16日)、タンパで行われている教育リーグに参加しているマイナーリーガーを相手に、シミュレーティッド・ゲームと呼ばれる実戦形式の投球練習に登板した。5回を投げて6安打無失点、4奪三振無四球。地元メディアは、最速は92マイル(約148キロ)だったと報じている。

 順調ならば今週末にヤンキースタジアムで行われるブルージェイズ戦でメジャー復帰を果たすと見られていた田中。本人は登板後、通訳を介して「今、答えるのは難しいですね。明日どういう状態かを見てみないと」と慎重な発言を残しているが、視察したジラルディ監督は地元メディアに対して「次のステップがメジャー復帰? 大いにあり得る」。ロスチャイルド投手コーチも「明日痛みがなければ、今週末にメジャーに戻れる」と話している。

 試合は気温30度を超えるフロリダ州タンパのジョージ・スタインブレナー・フィールドで行われた。田中が復帰できるか否かの注目の実戦練習を地元紙ジャーナル・ニュースなども速報。田中は初回に2本のヒットを打たれたが、ダブルプレーで切り抜けた。2回も先頭打者からこの日初の三振を奪うものの、2安打を許すなど、久々の実戦形式の練習で立ち上がりに不安を見せた。それでも5回まで無失点で切り抜けている。

 これを受け、ニュージャージー州最大のニュースサイトNJ.comは特集で「あまりいいニュースではない。田中はシャープに見えなかった」と速報。「ヤンキースのプロスペクト(若手有望選手)は田中の投球にフィールドの各所に痛打を浴びせた。この日の彼の速球は最速92マイルだったが、米野球専門データサイトのファングラフによると、田中のファストボールの最高時速は今季、95・6マイル(約154キロ)を記録している」と分析している。

ブルージェイズ戦でのメジャー復帰へ首脳陣は好感触

 ジャーナル・ニュースなど他の複数のメディアも「何度か痛打された」として「シャープではなかった」という表現を使っている。もっとも、田中自身は本当の公式戦ではなかったため、本気で投げることが難しかったと登板後に語っている。

 この登板はメジャー復帰に向けた最終調整と捉えられており、順調ならば田中は今週末(18〜21日)のブルージェイズ戦で登板すると見られていた。中4日以上を明けた20、21日(日本時間21、22日)が濃厚。最終判断は一夜明けた16日(同17日)の状態を見て下される見込みだが、ジラルディ監督やロスチャイルド投手コーチはメジャー復帰に好感触をつかんだようだ。

 ESPNは、田中に待ち受ける今後のシナリオを予想。すでにヤンキースはプレーオフ進出が絶望的になっている状況だが、田中の将来を見定めるために、チームは田中を今季中にメジャーのマウンドで登板させたい方針だ。もしも、トミー・ジョン手術が必要という結論に達した場合、リハビリは2016年シーズン開幕後まで要することになる。

 記事では「田中とヤンキースは今季中のメジャーでの登板を目指し、アグレッシブな調整を進めているが、日程上は9月28日でレギュラーシーズンは終了してしまう」と指摘。田中自身が肘の完治に確信が持てない場合はレギュラーシーズン終了後もタンパでの教育リーグで投球を続けることになると、ブライアン・キャッシュマンGMが語っていることにも触れている。

 だが、手術を行わずに地道にリハビリを続けてきた田中はここまで着実に階段を上がってきた。この日の“最終試験”の内容も首脳陣は前向きに捉えている。果たしてブルージェイズ戦でのメジャー復帰はあるのか。結論は近日中に出される見通しだ。

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

最終更新:9月16日(火)7時0分

Full-Count

 

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