小さいことは、かわいいこと。
YUKIの最新アルバム「FLY」に収録されているKAKATO(環ROY、鎮座DOPENESS)とのコラボ曲「波乗り500マイル」のPV。映像は立ち並ぶビル群を漫然と映し出している。そしてカメラはだんだんとあるビルの一室に向かってズームしていく。光学ズームからからさらにデジタルズームに切り替わり、映像にノイズが乗り始めた頃、ようやくその一室でYUKIとKAKATOの二人が歌い踊り回っていることがわかる。デジタルノイズによる画の"劣化"がむしろエフェクトのような効果を果たし、小さな部屋で暴れまわる3人はまるで顕微鏡で見た微生物のようだ。
これまでのYUKIといえば野田凪によるアートワークのようなファンタジックな、ガーリーな世界観の「かわいさ」を演出してきた。一方で「小さいもの」に人間はかわいさを感じる。このPVもまたかわいさを、等身大の人間と広大な景色との対比で生まれる「小ささ」で表現しているように感じる。