2014年9月11日のニコ生で、「児童性虐待漫画」の規制を主張する土屋正忠議員を招いて【エロ漫画規制は是か非か?公開生討論】が放送されました。Twitterの表現規制クラスタ有志の手で、討論の全発言を文字起こししましたので、公開します。また、番組配信者の廣田恵介氏にお願いして、土屋議員をはじめとした出演者の方々に文字起こし公開の許可を取っていただきました。廣田さん、そして出演者の方々、ありがとうございます。

ニコ生の番組紹介文は下の通りです。

【エロ漫画規制は是か非か? 公開生討論】 自民党の土屋正忠議員を「エロ漫画規制派」としてお招きし、 Twitterで公募した3名の一般人が、「規制反対派」として討論します。 土屋議員の発言は、以下を参照してください。 ●劣悪な漫画を「表現の自由」という理由で野放しにしてよいのか~自民党・土屋正忠議員法務委員会質疑書き起こし http://blogos.com/article/87853/



文字起こしをする動画:
「表現の不自由」第二回
【エロ漫画規制は是か非か? 公開生討論】
http://live.nicovideo.jp/watch/lv192113031

 

以下、文字起こし。



 廣田氏
「今日は武蔵野市の土屋正忠議員の事務所をお借りして第二回目をお送りしたいと思います。えー、とりあえず自己紹介といいますか、集まってくれたメンバーを、えー、じゃあタナカさん」

タナカ氏
「タナカです」

廣田氏
「えー、クレさん」

クレ氏
「クレです」

廣田氏
「サワミヤさん」

サワミヤ氏
「どうもサワミヤです。こんにちわー」

廣田氏
「そして今日の」

土屋議員
「はい、土屋です。よろしく」

全員
「よろしくお願いします」

土屋議員
「よろしくお願いします」

廣田氏
「えーと、音声大丈夫かな、えもう、153名超えてます。それですら、まずまあ、ちょっと時間ももったいないので、土屋先生の今のまあ、お立場から」

土屋議員
「はい。はい」

廣田氏
「今ちょっとどういう状況なのかというのと、えとあと、お考えの方を最初に述べていただくと」

土屋議員
「はい。じゃあ手短に申し上げます。今年の通常国会、1月から始まって6月に終わった通常国会で、児童ポルノ禁止法の一部改正が全会一致で、あ、そっか共産党が反対したのかな、うーあのそうだ、一部の政党が反対したけれども、ほぼ全会一致で決まりました。で、この児童ポルノの禁止法の改正案の中身というのは、いわゆる児童ポルノの単純所持も禁止すると、こういう内容であります。

だから児童ポルノは、よく言われるように、その満18歳未満の子供達に未成年、未成年の子供たちに対して性的虐待を加えたりという内容が多いんですけれども、ま、これらについては、そこに実際に虐待を加えてる人と加えられてる被害者がいるわけで、人権救済っていう意味も含めてこれはやっぱし、禁止しようと、こういう事で決まったわけです。

で、この背景にはね、この背景には今から30年ぐらい前な、え、まっ、えーっと、20年ぐらい前か、ヨーロッパでその、マフィアが、一斉にですね捕まって、それが児童虐待ポルノを大量に売っていた、ま、今みたいなインターネットの時代ではなかったんだけれども、そういうことに対して、えー、ま、あの、ひどいじゃないかってことはあるんだけれども、その時、捕まった側の人が言うには我々が悪いんじゃないと。市場が立って、それを求めてる者がいるから」

廣田氏
「ニーズがあるから」

土屋議員
「ニーズがあるから提供するんだって言う言い方な訳ね。だからそれ以来ずっと、ヨーロッパで議論されてきて、ヨーロッパで、ま、先進国だね、先進国で決まって、さらにまた、私たちの国でもその問題を取り上げて取り組んできた論理ってのはニーズ、ニーズを絶とうと、ね。それはあまりにも人の人間のモラルに反してるんじゃないかと。児童が虐待されてね、最後は殺されたりするわけだけど、そういうことによってね、えー、ま、なんていうか、それを解消してるっていうこと自体がね、それはやっぱし問題あるんじゃないかってことで一致して、それで、人権救済にポイントを当てた法律ができて今日、その、単純所持も禁止しようと、こういうことが合意になったんですね。

 それで現在の状況をいいますとね、これは自民党の公明党以下、えーと最初はね、最初は最初の法律は単純ショリ(注:「タンジュンショリ」と聞こえますが、「単純所持」のことと思われます)児童ポルノの単純ショリを禁止したんだけど、さらに、付則付則の中で、いわゆるアニメとか、CGとか、漫画とか、ま、こういうものでいわゆる児童虐待を描いたものについても、規制することを検討しようと、こういう内容になっていたんですよね。だけど、それはまあ、【音声途絶】の同意がなくて【音声途絶】結局これは、次の、ま、今回は規定しませんと、こういうことになってるんです。

 で、私は自民党だから自民党的立場でいうと、提案した時は、その、そういう検討が入っていたんだけれども、それに自民党も賛成したし、公明党も賛成したし、それからも一つは維新の会も賛成して三党で提案したんですね」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「そして私も賛成者になった。賛成者も三党から出た。だけどその後、ま、今、今の様な議論があって、これは、まペンディング、ペンディングになったというか削除されたと。で、これがですね、現状なんです。ですから自民党的に言うと、いわゆる今日のテーマになっている、その児童ポルノ漫画アニメあるいはCG、こういう物を規制すべきであるという意思決定は全くしてない。自民党的にはね。ただ一度、そういう方向で検討しようよっていう所までは提案したと、言うのがね現状なんですね。これが今の現状です」

廣田氏
「で、ええと、その児童ポルノ、法務委員会の時に土屋先生が、そのマンガについて、ま、その時はもう漫画アニメ、これはもう外れることになっていたと思うんですが、それでも尚且つおっしゃったんですけど、あれはもう自民党という、代表してじゃなくて土屋先生個人のご意見という事で」

土屋議員
「あの法務委員会でね、わたくしが質問したのは、まず自民党、まあ自民党全部を代表してるかどうかは別にして、自民党の枠の中、時間の質問の枠の中で質問した訳だから、私は自民党の議員の立場で質問してることは間違いない。さっき、さっき話したように、問題あるんじゃないかっていう風な問題意識は既にあって、だから原案にはその自民党も賛成して公明党も賛成してそして、維新の会も賛成して、直ちに禁止するって意味じゃなくってどういう所にどういう因果関係があって、どういう影響あるのかってことも含めて検討しようっていうことの、あれがあったわけだから、そこまでは自民党の方向性というか、意思がある程度はっきりしてる」

廣田氏
「あ、はい」

土屋議員
「あの、まあなんていうか、法案を提案したわけだから、正式に国会にね。国権の最高機関である法案、国会に提案した訳ですから、そこまではある程度のアクションを起こしたと。ただ全体の合意をとるには、ちょっとて言う感じなんですね。ですから、わたくしの個人的な意見には違いないけれども、そういう意見が当然のことながら一つ潜在的にあると、いうことなんですよね。で、それ、そういうことをふんまえて、私は法務委員会で、あの、説明したと」

廣田氏
「あのー、これちょっと、言わずにおれないんですけど、こないだTVタックルという、」

土屋議員
「うん」

廣田氏
「TVタックルで土屋先生はあの、言いたい事が言いきれなかったという、」

土屋議員
「はいはいはい」

廣田氏
「あの、ほんとう、美少女アニメのはなしなんでしょうか」

土屋議員
「いやね、うんそうそうそうそう、TVタックルにね出て、9月の8日かなんかに、あの放送されたんですけどね。私はまあTVタックルに出演する事をオッケーしたわけだから、だから企画が悪いとかあるいはどうとかっていうことは言えないけれども、ま、どちらかというと私は、児童ポルノ漫画やアニメについて影響が、重大な影響があるんじゃないかと。だから、だから禁止した方がいいんじゃないかという立場で出たんだけれども。

TVタックルになったら美少女アニメについていいか悪いかみたいな話になってね。まあもちろん私が、私が出たんだから、当然その、それについてはね、あれなんだけど、その何となく、こう、美少女アニメに、その、を規制すべしだーみたいなね、ちょっと印象になったのは、ちょっと残念な気がしたけど、あの念のために言いますけどね、美少女アニメって非常に微妙なとこあるんだけど、だけど美少女アニメ」

廣田氏
「微妙なところですか(苦笑)」

土屋議員
「あのね、あの、ほら、いろんなそのー、美少女アニメたってピンからキリまででしょうから、幅があるんだろうと思うけども。だけど美少女アニメをね、その、所謂萌え系とかまあいろんなことあるんだけど、そういうものをね、禁止するっていう意見は全く自民党には、無いし」

廣田氏
「はい」

サワミヤ氏
「ほぉ」

土屋議員
「それから私も、あの程度、ね、そりゃ、いいか、あの、価値観でいいか悪いかじゃなくて」

廣田氏
「はい」

土屋議員
「法規制をする必要があるかどうかって事になると、そりゃあ、到底無理でしょうと」

廣田氏
「うん」

サワミヤ氏
「うん」

土屋議員
「そりゃあ、あれは一種の許容の範囲っていうか、いや法的に言うとね」

廣田氏
「ええ」

土屋議員
「それをどう評価するかも別の話でして。だから、その法規制という角、角度からいけば、あれは、それはあの番組でもちょっと言ったんだけど法規制をする、ね、えー、やるって考え方は、ないですよ」

廣田氏
「なるほどねー」

土屋議員
「だからもっともっと何ていうのかな、美少女アニメと、んー、街で売ってるようなさ」

廣田氏
「うん」

土屋議員
「ひどいのとは違うんだよな、カテゴリが違うと思うんだよね」

廣田氏
「カテゴリが違う」

土屋議員
「うん」

廣田氏
「何か、3人、何か」

クレ氏
「それであの、TVタックルの件であのー、気になったのがあの児童ポルノアニメだとか児童ポルノ漫画だとかおっしゃってたじゃないですか」

土屋議員
「うん」

クレ氏
「それと、美少女アニメのち、違いといういうのが、ちょっとあの、児童ポルノの条文読んだ限りでは、ちょっとあの、認識の乖離があってど、どういう内容を指しているのかつうのを、ちょっと知っておきたいなとお、思って。児童ポルノアニメだとかそういうものはどういったものを指すんでしょう?」

土屋議員
「あの、条文っていうのは何の条文?」

クレ氏
「あのー、児ポ法です」

土屋議員
「児ポ法?」

クレ氏
「はい」

土屋議員
「児ポ法では、あれはアニメじゃないんだよ」

クレ氏
「そうですね」

土屋議員
「ね、リアルな、リアルな子ども、を虐待したりあるいは、だからそれとはちょっと違うんだよ」

クレ氏
「まあ実写のことですよね、それ」

土屋議員
「実写、まぁ、うんうん」

クレ氏
「TVタックルでそれとあの、児童ポルノ漫画だろとかそういうことをあの、おっしゃってたのは、ちょっとあの記憶に残っておりまして」

土屋議員
「うんうん、もちろんもちろん児童ポルノね。あのー、だからあなたが今仰った、えー、クレくんが、ね、クレさんが仰った、あのー条文を読むとっていうのはさ、そういう条文はないんだよ。だって成立してないんだから」

クレ氏
「ああ」

土屋議員
「わかる?だから成立、成立したのは、そのー、実写。リアルに対する規制を、が成立したんであって。たとえば美少女アニメを含めてアニメに対する規制の法律っていうのはまだ出来てないわけ。ね、だから、あー」

廣田氏
「言い方だと思うんです。児童ポルノ」

クレ氏
「表現が、はい」

廣田氏
「今回、ちょっとエロ漫画だけ言ってしまってるんだけど」

土屋議員
「うんうん」

廣田氏
「すみません、児童ポルノアニメっていうと、児童ポルノは、えー、実在の、じ、実在のじ、児童を指してるんだけど」

土屋議員
「うんうん」

廣田氏
「で、アニメは架空のじゃないかと」

土屋議員
「うん」

廣田氏
「だからあまりくっつけないで、たとえばエロアニメみたいな言い方した方が」

土屋議員
「うんうん」

廣田氏
「通りがいいなあという事です」

土屋議員
「まぁ、エロアニメと言うよりも児童虐待アニメだよね」

廣田氏
「児童虐待アニメ・・・(苦笑い)」

土屋議員
「うん、というのはね、というのはアニメだってさ、いろんな幅が広いわけでしょ。さっき言った美少女アニメもあるし色んなアニメあるよね。だけど、私が問題にして」

サワミヤ氏
「はい」

廣田氏
「はい」

土屋議員
「えー、ま、自民党も検討しようかっていう、議案、議案の提案までしたのは。要は、こうよってたかってさ」

廣田氏
「うん」

土屋議員
「そのー、集団暴行をね」

廣田氏
「うん」

土屋議員
「するような、例えば、そういう漫画があるわけだ現実にね。だからー・・・、そういう事が、果たしてさ、その」

サワミヤ氏
「表現の自由」

土屋議員
「うんうん、そうそう、表現の自由という法益に守られる対象になるのかっていうことだよね」

サワミヤ氏
「えーとあの、その規制をするっていうのは、例えば何かこう、18歳未満が見てもいけないし、読んでもいけないってのは、レイティングされているものを規制するっていう、事でしょうか?」

土屋議員
「あのー、18歳未満は見てもいいとか、じゃなくて」

サワミヤ氏
「やっぱりそこは関係ないと?」

土屋議員
「うん、それはそのー、よく18歳未満はっていう年齢規制するけれども」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「年齢規制じゃなくて、ま、いってみれば、社会的な影響力の」

サワミヤ氏
「ありそうな」

土屋議員
「あの、極めてね深刻な影響をあるようなものをそのものを、規制したらどうかって話だよね」

サワミヤ氏
「うん」

土屋議員
「ちょっとあの、ある?そこに」

廣田氏
「これ何かあるんですか。写して大丈夫なんですか」

サワミヤ氏
「著作権大丈夫ですか」

土屋議員
「いや、ちょっとちょっと」

クレ氏
「確かに名指しで批判はまずいと思うんですよ」

廣田氏
「なんかあの。あ、こういうの。このような」

土屋議員
「うん、ほら」

廣田氏
「えーと、資料としてこちら」

土屋議員
「うん、まあそれは誰が描いたかか○○○○○○(注:聞き取れず)」

クレ氏
「はっきり成年コミックって書いてありますけどね」

廣田氏
「成年コミック、はい」

土屋議員
「うん」

サワミヤ氏
「まぁ、中身はさらさなくてもいいでしょう」

土屋議員
「え」

タナカ氏
「まぁ、表紙を見れば(笑い)」

廣田氏
「表紙見ればわかりますよ、この番組18歳未満も見てるかもしれないし」

土屋議員
「ああ、そうだね」

廣田氏
「はいはい」

土屋議員
「あのー、まあね、このもの、よりも、もうちょっと、ね、あの、あの、このし、視覚に訴えないで、もっとその論理の話としていうとね、今お手元にお配りをしたこういう、資料持ってる? そうそうそうそうそう、そうそうこれね。これはね、えーと、平成22年の、平成22年の5月の4日に、報道があった読売の、朝刊のし、資料なんですね。で、この、この冒頭に書いてあることでもう全てに尽きるんだけども」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「見ず知らずの男たちに女児が襲われ、やがて父親も暴行に加わると。2004年にし、販売された漫画のストーリーだと」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「描いた漫画家の男はその2年後、児童買春・児童ポルノ法違反でつか、捕まったと。でー、まぁ、ずっとこう描いたのは4、06年から07年にかけて41人がね、女児愛好団の、という名にかけて、その、中心人物だったと」

サワミヤ氏
「はぁ」

土屋議員
「で、それで、えー、彼の作品の登場人物さながらの、行為に及んでいたメンバーもいると。ね、それから、別のメンバーはこの漫画家の作風を、構図もストーリーもリアルで群を抜いていたと振り返ると。彼らは膨大な実写のコレクションを基に描いていたのだろうと思うと。まぁ、その、映像にするとさ、極めてその刺激的で、えー、果たしてね」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「まぁ、○○○(注:聞き取れず)どうか分かんないけど、私が問題にしているのは一般的な著作物や、いわゆるその広い意味のね、そのも、萌え系みたいな話じゃなくて。こういうことが、果たしてね、表現の自由の名の下に、許されるのかと」

廣田氏
「うん」

土屋議員
「で、それはねすごくむ、難しい問題なんだと思うんだけど、例えば昨日さ。昨日ね、非常に残念な事件があったよね。あの、視覚障害者」

一同
「ああー」

土屋議員
「視覚障害者が白い杖」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「で、たまたま転んじゃったと、その白い杖にぶつかって。そしたらさ、その視覚障害者を」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「男か女か分かんないんだけども。後ろからこう足で、ね、ひざのとこガーンとやって」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「つんのめっちゃったと」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「こういうことが、あ、あったよね。で、こないだそのまた更にオスカーっていうさ」

廣田氏
「あぁ」

土屋議員
「盲導犬、盲導犬をね、刺したのいるよね。で、じゃ、仮に、仮に視覚障害者、を例えば。あの、視覚障害者に今のような事をね」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「繰り返し繰り返し描いたり。ね、漫画だよ」

サワミヤ氏
「はい、漫画で、描いたら」

土屋議員
「うん、うん。ね、だから、それは、そういう事はさ、どこまで許されるのかと。まださ」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「まだ普通の成人だん、男女とか、あるいは健常者同士か」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「いわゆるその、あなたがね、今言ったエロマンガって言い方したけども」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「エロマンガだって色々あるけどさ」

廣田氏
「ええ」

土屋議員
「そうは、要は成人の男女がね」

廣田氏
「成人同士は別にOKだと」

土屋議員
「うんね、それはさ、それは表現の自由の中で、なー、いいか悪いかは別にしてだ、そりゃ個人の価値判断の問題かも分かんないけれども。ただ、弱いものとか」

廣田氏
「うん」

土屋議員
「明らかにハンデのあるものとかに」

廣田氏
「うん」

土屋議員
「繰り返しね、暴行を加えるような、性的暴行を含めた、加えるような漫画が、さっきのね」

廣田氏
「うん」

土屋議員
「その視覚障害者に対してね」

廣田氏
「ええ」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「じゃあそれをだよ、ね、例えばオスカーみたいな、そのさ、犬をガサガサ刺すようなさ、漫画だとか」

土屋議員
「まぁそれはもうなかなか法的に厳しいんだけれど、そうゆうことはさ。要はあきらかに弱いものいじめして、しかも未成年で、人格がね、まだこれからっていうのに対する、繰り返し繰り返しね、すり込んで、それでいいのかっていう話なんだよね」

廣田氏
「それは、あくまでそういう漫画があっては困るっていうことですよね。弱者を」

土屋議員
「あのね、あのさっきの視覚障害者に対する話はちょっとま置くにしても、非常に残念な話なんだけど。そういう漫画が具体的にそれを読んでいる人のバリアーを低くして、リアルな行動に移らせるってことはないんですかってことを私、言ってるわけよ。現実にね、この次の資料の次のページ。3点セットになってない?」

クレ氏
「資料2ですね。」

土屋議員
「これ、あのね、今、私がここでしゃべってんのは、すでに衆議院の法務委員会という正式な機関でね、資料として提出して意見を述べたものだから、それはもう責任持って言えるんだけども。平成23年の3月3日、ひな祭りの日に、熊本県で3歳の女児が男にトイレに連れ込まれて、スーパーマーケットの中に連れ込まれて、殺された事件があったんだよね。

今言うだけだとピンとこないかも分かんないけど、その時の映像を覚えている人がいると思うんだけど。亡くなった子供をリュックサックに入れて、しょって歩いていた。それが防犯ビデオで見つかって映っていて、公開捜査になってすぐ捕まったんだけども。その男の自宅を捜査したら、いわゆる児童・・・、ここで言うとなんて言うんだい? 児童ポルノ漫画がまずけりゃなんだい、児童虐待漫画がね、多数押収されたと。

そして現場の捜査員はこんなものが世に流通、出回っているからこういう犯罪が起こるんだと、これは現場の捜査員のね、実感だけどね」

サワミヤ氏
「みなさんがみなさん、そうおっしゃるんですか」

土屋議員
「少なくともそういうことが報道にあるね」

廣田氏
「それ今、2つですよね。2件だけっていう」

土屋議員
「いやいや他にも調べればいっぱいありますよ。例えばこないだもね、この質問した時だ、固有名詞は言わないけれども、ある子供が殺されたと。平成17年12月に起きた事件で、それが何年かぶりかで犯人が分かったと。そこのところにね、パソコンから多数の女児のビデオ画像やあるいは猟奇的な画像。ま、こういうことが映っていたと。これはリアルかまだ漫画かよく分からないんだけども、だけどそれらしきものはあると」

廣田氏
「リアルか漫画か分からない。でも、リアルは確かにいけないですけど。今の話の流れでいうと、漫画の話ですよね。漫画かアニメか分からなかったら、それはちょっとまだ」

土屋議員
「まあ、だけどね、これはね――、あ」

タナカ氏
「あ、どうぞ」

土屋議員
「うん」

タナカ氏
「いいですか? ちょっとこういうイメージ図を作ってきました。○が二つあります。エロ漫画を見ている集合と、児童ポルノ犯罪をする集合の重なっている部分があると、こう、犯罪者がいて。逮捕された人の中でエロ漫画を読んでいた人がいると。この重なっている部分があるから、漫画を規制するべきではないかと、そういう風におっしゃっているという認識でよろしいんですか」

土屋議員
「そうそうそう」

廣田氏
「真ん中のここ、ここが、今、土屋先生のおっしゃっていたところだと言うこと。だから要はエロ漫画を読んでいる人はこれだけ、水色のこの○の分だけいても、その人達は犯罪を犯してないじゃないかと。で、一方、性犯罪を犯している人は、これだけいるんだけど、その人達は漫画読んでないんじゃないかと。で、たまたま読んでいるところが、人達がここと。つまり、ここを今論じていると。この緑のこの濃いところを今論じている。実はじゃあ、性犯罪を犯している人達は、ほったらかしになってしまわないかと。その漫画と犯罪が重なっているところだけを問題にしてもダメなんじゃないかと」

土屋議員
「いやいや、それは違うんだよ。あのね、大事なことは、性犯罪を犯している人が、ほったらかしじゃなくて、性犯罪を犯した人で、もちろんそれが分かれば捕まるんだよ。ほったらかしじゃないんですよ。そこはちょっと大事なことだな」

タナカ氏
「だからその重なっている部分があるから漫画を規制するっていうことが、それは有効なのかどうか。犯罪を防止するために漫画を規制するっていうのが、はたして本当に効果があることなのか、っていうことにちょっと疑問があるわけです」

土屋議員
「これは定量的な効果とか蓋然性とかっていうことについてはね、蓋然性って言うのはこうなったらかならずこうなるというのが蓋然性だけども、そういう理屈じゃないんですよね。そもそもね、刑法第175条っていう項目にはわいせつ規定があるわけで、それはなかなか発動しないんだけども。だからもともと世の中、子供達の権利擁護っていうことと同時に、社会的な犯罪防止っていうことについてはね、当然のことながら、一定の合意のもとにそういう規定を作って行くわけですよ。

例えばよく言われるんだけども、じゃあ例えば殺人なんか、よくアメリカなんかで言われるのは、アメリカの子供達は成長するまでの間に2万人くらい殺されるのをテレビで見ているって言うんだよね。だけど、それが極めて問題があって、影響があるっていうんでね、様々な規制を加えてるわけですよ。

性犯罪防止のためにもね、この間の例のTVタックルでもあったけど、日本の漫画はこんなミニスカートだったのが、アメリカやヨーロッパではね、長くなるとか、それは色んな犯罪心理学だとか色んなことがあるんだろうと思うけれども、そういうことを前提にしてね、やっぱし一定の評価を下しているわけだ。予防的措置でね。だからやらない人もいるから規定しなくていいんじゃないかっていう言い方は、それは相当乱暴な言い方で」

タナカ氏
「いや、規定しなくていいかどうかは、まだ分からないんです。自民党のこの条案がですね、せっかく検討規定、あったんですけどれども削除されてしまった、この、児童ポルノに類する漫画等と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を検討しようって書いてあったんですけれども、えーとそれが削除されてしまった訳ですね。このあいだの、改正で。これ、せっかく…あったんですけども、これ、ちょっと、これ、これがなくなったのは残念でしたね。調査研究して欲しかったですね。」

クレ氏
「関連性に対する調査研究。」

廣田氏
「僕も研究してほしかったですね。」

クレ氏
「それを放棄してしまったというのは、あのー、実際の人権擁護の流れでそうなったのかもしれないですが、あの、法案を懸念していた側からすると、あの、それで決定して、後であの…追跡捜査…あ、調査することを放棄してしまったんじゃないかという見方もできるんですが、これは、あの…」

廣田氏
「いや、だからここで、この児童ポルノ法では、あの、落ちたかもしれないけど、ま…まぁ、これ、調…調査しないんですか?今後。」

土屋議員
「あのね、あのー。まぁ調査するかしないかは、これはたとえば所管している、法務省の犯罪心理とか或いは警察庁が、任意でやるべき話であって、ここのポイントはね、法律で義務付けるというところだったんだよ。ね?だから法律で義務付けないから調査しなくていんですかとか、そういう話じゃないんだよ。ね?」

廣田氏
「うん。」

タナカ氏
「はい。」

サワミヤ氏
「あーちょっといいですか?あのー調査研究…を、え?これはなんでなくなったんですか?そもそも。あの、合意が取れなかったっていうことですか?」

土屋議員
「あのね、調査研究…つまり、児童…なんだ、まぁこれはエロ漫画とは言わないけど、まぁ児童ポルノ漫画?」

サワミヤ氏
「はいはい。」

土屋議員
「…みたいなものは、創作物だから、表現の自由に関することだから、これは、その、ここに入れるべきじゃないとか、あるいは表現の自由を最大限尊重して、こういう規定そのものは意味はないとかっていう意見が、その途中過程でいろいろあったということだ。誰がどうだとかは、まだ言うべきじゃないけれど。だから、まぁ一言でいう…うん?」

廣田氏
「先生個人としては、やっぱりこれは、因果関係は研究した方がいいのではないかと。」

土屋議員
「研究した方がいいと思いますよ。だから私は賛成したんだ。いや、賛成したって、これさっき言ったように、いいかい?ここは問題だ。ね?最初の原案には入ってわけだよ。ね?」

サワミヤ氏
「はい。」

土屋議員
「最初の原案には自民党と公明党と維新の党が提案者で、それに、それぞれの党から何人か賛成者…が、議員立法の場合には書くわけよ。『私は賛成します。だから審議しましょう』と。だからその中で賛成、わたし賛成した内のひとりだから。だから…」

廣田氏
「先生ちょっと今コメントで、『児童ポルノ漫画』という言葉は避けてくださいという。…なるべくならちょっと、下品ですがエロ漫画と。」

サワミヤ氏
「性虐待漫画でもいいでしょうけど。」

土屋議員
「児童…虐…児童性虐待漫画か。」

サワミヤ氏
「児童性虐待漫画、ポルノという言葉を使わなければ。」

土屋議員
「え?」

サワミヤ氏
「ポルノっていう言葉を使わなければ」

土屋議員
「なんで、ポルノって言う言葉を使っちゃいけないのはどういう意味なの?」

廣田氏
「ポルノ使っちゃいけないっていうのは、要するに、実際の児童が性虐待にあっているのを、ポルノっていう…ポルノっていうのは、その要するにまぁAVみたいなものですよね。世間でAVみたいなものをポルノっていいますよね。だけど、性虐待にあった子たちの事を、別にAVに出てるわけじゃないですよね。

だから性虐待記録って呼んだ方がいい。そう言わないと、ポルノっていうとどんどんどんどん。あの…あ、ポルノっていえば、あれだよねこれだよねって。例えばあのーエロ漫画が入ってきちゃうかもしれないし。」

サワミヤ氏
「まぁ勝手なイメージが独り歩きしちゃうからっていうことであって。」

廣田氏
「それで僕は署名活動をやっていたんですけど。」

土屋議員
「ああそう。ただ明快なさ、規定があればいいよ。別に僕は児童ポルノに…ポルノ漫画に拘っているわけじゃないから。」

廣田氏
「ポルノって言葉がやっぱり俗語みたいになっちゃってるんで、やっぱり適切じゃないと思いますよ。」

土屋議員
「うんまぁだから、もしだよ仮になんか法案化するなんて話になれば、それは厳密な規定をしなきゃなんだよ。ね?ただ、あのー児、児童ポルノ法…禁止法の枠の中で議論していたから、そういう議論をしているんですよね。」

廣田氏
「言葉の問題と。はい分かりました。」

タナカ氏
「すみません、この、因果関係。えーとその、漫画、エロ漫画と、その…犯罪の、なんか因果関係が。なんかちゃんとしたデータが取れて、ほら漫画を規制すれば、あのー犯罪防止の効果があるんだよっていうことがはっきり言えるのであれば、あの私たちは漫画ファンなんですけれども、あの漫画の規制、その犯罪を防止するために漫画を規制することには、吝かじゃないんです。だからそのデータ、はっきりしたデータが無くって、いま因果関係が、全く分からない状態で…」

土屋議員
「あのね。」

タナカ氏
「はい。」

土屋議員
「ああ、まぁいい。どうぞ。」

タナカ氏
「因果関係ちゃんと調査していただければ、どうだ、あのー規制が必要だとか、やっぱり、いや因果関係がはっきりしないとか、そういう調査結果がない状態では、やっぱりあの、規制に賛成することはできないです。」

廣田氏
「あともうひとつ、ちょっといいですか。あのー、これ2010年の、あのー、コペンハーゲンポスト誌の…これえーと記事なんですけれど。デンマーク国、えーデンマークの、法務省。法務省が、性科学クリニックっていうのがデンマークにあるみたいなんですよ。で、そこで、えー架空の、えーその、児童を犯すような創作物が、それが児童性虐待行為、実際の性虐待行為に、あのー繋がるかどうかっていう可能性を、あの研究するように、まぁ法務省が要請したと。

で、まぁえー、専門家が海外にもあのコンタクトをとって、えー調査した結果、えーデンマーク議会は調査結果を根拠として「架空の児童ポルノは違法なものではない」と。要するに根拠はないと。いうことをこれデンマークは2010年に。あのそういうデータは、逆のデータは出てくるんです。関係がないっていうデータは。」

クレ氏
「これですよね。」

廣田氏
「それちょっとお持ちください」

土屋議員
「あのね。まぁデンマークのことがどういうことなのかね、ちょっとまぁ今はあれだけど。例えばね、あのー…日本から問題のある漫画が世界中に出回っていると。08年11月にブラジルで開かれた第三回児童の性的搾取に反対する世界会議。やっぱしこういうところでね日本は参加者から児童の性的な姿態や虐待を描いたアニメや漫画を規制していないと名指して批判されたと。こういうこのーなんていうか、国際的なね、そういう議論があるわけですよ。

それからそのーなんていうのかな。これはもう、私は別に犯罪心理学の専門家でもないから言えるんだけれども、あのー、だからそのなんていうか、ケース的なものとか、それからその因果関係についてはっきり、なんていうのかな、こうだというのは犯罪心理学だとかそういうので言えるわけじゃないけれども、ただね、ただたびたびどんな分野でもそうなんだけれども、その典型が、その典…あのー…あの戦争の、戦争に行く兵隊のね、意識改革なんていうのはね、例えば殺すところを何回も見せたり、或いはそのー…うーん。

要はその、意識の中にそういうことは大したことじゃないんだということを植え付けるためのトレーニングを何回もやるわけだよね。だから、だからそのことも含めて、それから自分で言わせる。で、例えば殺せ殺せと、海兵隊の訓練のあれをやってたんだけどさ。そういうことは一種のさ、心理的バリアーを低くするための動機付けなんですよ。」

サワミヤ氏
「えっとすみません。あのー結局、なんだろう。漫画が犯罪に影響を与えているっていうデータは無いんですよ。お持ちでないんですよ、結局のところ。あのだから、それ訓練があるっていうことも僕は知っていますし、あのー、なんていうんだろう。あのー主観や経験としてそういう、あっ実感としてお持ちだということは分かるんですけれど。でも実感で規制の理由になるんでしょうか? あのーですから、なんていうんですかね、こう、客観的なデータが無いのに、条例や法律を作るっていうことはできないんじゃないかと思うんですけれど。」

廣田氏
「例えばこのあいだこれ、8月27日の記事なんですけど。えーイギリス・ロザラムで過去16年間1400人の子供が性虐待を受けたというあのー、ニュースが出ていたんですけれど。えー、まぁ例えば一部の子供を銃で射殺するとかガソリンをかけると脅して、多くの被害者が何度も性虐待を受けて。えー最年少は11歳の女の子が、数人の男にレイプされたっていう。これイギリスの事件なんですよ。

で、イギリスってあのー漫画に対してものすごい厳しいんですよ。だけど、だから要するにあのー、漫画に対してそれだけ厳しい国なのに16年間で1400人の子供が犠牲になっているんですよ。こういう記事を僕ら見てると、あっ漫画を厳しく取り締まっている国でも、1400人の子供が。だって日本でありえないですよね、今までそんな大事件ないですよね。1400人…1400人なんて。でも、こういう事起きているわけですよね。漫…漫画を取り締まってる国ですら。」

クレ氏
「さっきのあの国際的な規制の流れの、日本が名指しで批判があったという、そういう延長線。規制した先の国がどうなっているのかというのも、そ…そういうあの、事件を見てきて、調査研究の中で加えていくべきだと思うんです…。」

土屋議員
「まぁ、だから調査研究するのはいいけどさ。ただね、そのー、規制をしたにもかかわらず、ね、これだけ、えー被害があると、いう事なのか。だからそこはさ、論理の話だと思うよ。だってさ、だって規制、では規制しなけりゃどうだったの?ってことだよ。」

廣田氏
「あー。まぁだから規制しても効果がなかった、ってことですよね。その、性…性暴力…性…性犯罪を抑制する効果は…。」

土屋議員
「それは…それ、それはさ…あのー…殺されたとかそういうことじゃないでしょ。ちょっとデータは分かんないけど。いやだけど…。」

サワミヤ氏
「あの、殺されたことが重要なんですか?」

土屋議員
「いやいや、そうじゃなくて性犯罪は、日本だって相当ありますよ。データ、いまちょっと手元にないけど。」

廣田氏
「はい。」

土屋議員
「だから、性犯罪を誘発するんじゃないかと思うようなものを予防的に規制していくっていうのは、どこの…。」

廣田氏
「いまの、そうですね性犯罪のデータが、いま私は持っているんですけれど。えーと、これは、えーと警視庁えー生活安全局の資料ですけど。平成24年、えー児童虐待に係わる事件、検挙自認。で、この中でちょっと性的な事だけ、あのー取り上げますと。

まぁ強姦と強制わいせつ、が、えーこれ合計で、父…父親による犯罪が66名。で、えーまぁその内、実父が20名、えー養父がえー30名。えー母の内縁の夫がえー12名。それ以外の男が4名と。

要するにその、子供の身近にいる、大人たちが、ま、殺さないまでも、そのすごい性的な事をしていると。いう風の方が、僕は、ニュースでこうやってたびたび取り上げられる凶悪犯罪よりも、日常的に起きていると思うんです。」


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(注:ブログを更新しようとしたところ『文字数が多すぎて投稿できない』という警告がでてしまったので、記事をふたつに分けました。ご了承下さい)