土屋議員
「あのね、それは。そのー今の話は、相当ね、一種の社会防衛とは違って、あの聖書の時代からの話なんだよ。」

廣田氏
「あぁそうなんですか。」

サワミヤ氏
「聖書って…なんか関係あるんですか?」

廣田氏
「いや、今の話ですよ。」

土屋議員
「いやいやいやいや、今の話じゃなくって、だから今のような話っていうのは、相当ね、相当根深い話であって…。」

サワミヤ氏
「あーっと、要するに漫…あのー、でも聖書の頃には漫画やアニメは無いわけですよね。」

土屋議員
「だからさ…。」

サワミヤ氏
「いやだから…。」

土屋議員
「だから、だから…。」

サワミヤ氏
「関係なしでも…。」

土屋議員
「いやいやポルノ、いわゆるさ、漫画のあれとは関係ないっていうことを私は言っているわけだよ。」

サワミヤ氏
「あ、関係ないって認めるんですね。」

土屋議員
「いやいや、もっとさ、相当深刻な話でさ。」

廣田氏
「だから、こっちがすごい深刻じゃないですか。」

土屋議員
「いやいや深刻だっていうのはね、例えば、こういう殺…さっき例を挙げたような殺人事件みたいなものとはまた違った意味のさ…。」

サワミヤ氏
「いや、あのー…。」

土屋議員
「で、家族とは何かとかさ、それは、もう昔からあるさテーマですよ。」

廣田氏
「どうぞ。」

サワミヤ氏
「古いテーマだから、古いテーマの時代には漫画やアニメは無いでしょ、ってことを言いたいんです。」

土屋議員
「いやいやいや、だから漫画…。」

サワミヤ氏
「漫画やアニメが犯罪の原因になっているんですね?でも犯罪の原因になっているのに昔からあるっていう事は、だからそういった漫画やアニメと直接的な関係は無い――」

土屋議員
「違う違う違う違う。」

サワミヤ氏
「並行して…昔から起きているんじゃないかなっていう」

土屋議員
「全然物事の、社会的影響とか…。」

サワミヤ氏
「はいはいはい。」

土屋議員
「例えば、家庭内のそういう事っていうのは社会的影響の話じゃないから。」

サワミヤ氏
「あ、社会的影響の話じゃなくって、だから僕は、アニメや漫画が犯罪に影響を与えているかどうかってことにピンポイントで話を聞きたいんですけれども。」

クレ氏
「それに関して要するに社会的な影響力を鑑みて、あのーいわば、ちょっと言葉は悪いですが、見せしめにしてるとかそんな感じですかね?」

土屋議員
「いや見せしめじゃなくてさ。じゃあ例えばさ、普通の常識から考えて、ここにあるような漫画が流通していることが、社会全体とすれば可とすべき、可としているわけ?」

クレ氏
「そうですね、さっきの…に関していえば成年コミックとして…。」

土屋議員
「いやだからさ、分かり…だから、だから、その、コミックをね、規制するべきじゃないっていう方向の理屈は、ね、社会的規制なんて何にもいらないんだと、表現の自由があるから。ね?だから…。」

サワミヤ氏
「いやいや、社会的規制がいらないなんて誰も言っていないと思いますよ。」

土屋議員
「社会的規制をしろって、私はいっているんだよ?」

サワミヤ氏
「いやあの、社会的規制をしろとか、するなとか、あの単純に白黒で語って欲しくないんですけれども。」

土屋議員
「白黒じゃないよ。」

クレ氏
「まぁつまり、あの社会…表現の自由の社会的規制には、ちゃんとしたあのー因果関係とか、理由が無ければいけないとか、そういう話をしているんですよね。それに関してこの、こういうあのー、女児がトイレに閉じ込められて、あのー乱暴されようとして殺されたとか、あのー漫画…部屋から漫画が見つかったとか、そういうの…で、あの情報を流しているのは必ずあのー警察の捜査の過程で出てきているものだから。

本当にそれが目…目標が、目的…因果関係があるのかとか、さらには、それによって起こったのか、そういう関心があって、実際に事件を起こしてしまうような危険な人物が、そういうものを集めていって、欲…欲求が抑えられなくなって…なった結果なってしまったのか、というところの区別が出来ないんですよね。

だから必ずしも、漫画を規制することによって、そういう事件を、防ぐことはできないと思うんですよね。あのー、そもそも漫画やアニメのそういうものを規制するのは見当違いの方向にあるっていう話ですね。」

土屋議員
「うーん、それならね…それならね、例えば町の中に出ている、漫画って色々ピンからキリまでなんだけども、まぁ私も全部見たわけじゃないんだけどもね。例えば相当さ、そのー…これは、虐待事件ではなくってね、虐待事件ではなくって。

ただまぁ、いわゆるポルノ漫画でもいいよね、ポルノの…まぁエロ漫画でもいい。そういうところで、そのー例えば、男女がね、そのあー性的な交渉をしているときに、リアルに描かないでしょう。描いたらね、公然わいせつでやられるよ?」

廣田氏
「あーそれは街中で、普通の誰でも見られるところにやったらということですよね?」

土屋議員
「いやいや。だってさ、今の例えばさ、そのー週刊誌でもいいけども、そういうところに載っているようなのは、ギチッと。例えば浮世絵みたくバチっと描いていないでしょう?」

廣田氏
「はい。」

土屋議員
「ね?なぜ描かないの?公然わいせつの対象になるからですよ。公然わいせつの対象になるっていう事は、ね?それは社会的に、そのー一定の、規範性を超えているからですよ。だから、あーじゃあ、じゃあどうして因果関係あるんだとかさ、じゃあそもそも公然わいせつ罪っていうもの自体がさ、ね?そのー意味がないっていう…。

あの、いまのような話はね、こういう事をここでね、えーと、速記録あるかな?いまの、いま…あのーいまのような話はね、えー、例えば当時の谷垣法務大臣がね、こういう事を言っているわけね。あのー『実在の子供を写しているの…写してね、いるのは、個別の人権救済だ』と。そうだね、個別の人権救済だと。」

サワミヤ氏
「まぁ実写ではそうでしょうね。」

土屋議員
「それと同時に、『表現の自由ということ、例えばチャタレー夫人の最高裁判決もありましたが、性の自由化という風潮もあった』んだと。『表現の自由ということは、それも強く言われておりまして、刑法175条では、児童ポルノのようなものは取り締まるのはなかなか難しいぞという結論になりまして、そうすると175条は善良な性風俗を守る、つまり社会の法益を守るっていう規定ですよね』、と。

社会の法益って…社会の法益っていうのは、ね、個人の人権だけじゃなくって、社会の中に一定の規範性を確立していこうと。ね?それによって、その規範性に従って、一定の社会生活を送れるようにしようっていうのがさ、まぁそれが刑法の概念なんだけども。うーんだから、つまりね、個別の、いまのあなた、えーと…。」

クレ氏
「クレといいます。」

土屋議員
「クレ君の…クレさんの話は、その犯罪に結びつかないからいいじゃないかっていう話なんだよ。あ、いや、いや、まぁ私は結びつくんじゃないかと思っているんだけども、ま、まぁあなたの意見はそういう意…意見なんだよね?」

クレ氏
「とりあえずは、はい。」

土屋議員
「だけど犯罪に結びつくっていうのは個人の人権に影響があるわけだけど。個人の人権に影響が直ちに無くても、一定のここでいう社会的法益という概念ね。社会秩序。こういう角度から、憲法の第17…あっ刑法の第175条がセッティングされているわけですよ。

だからそういう事も含めてね、まぁ私もここで言っているんだけれども、個人の人権救済と、これをもたらす社会的害悪に対する法益性、こういうものはね、えー例え実在…実在しなくても、創…創作物でもそれが、社会に与える害毒が多い場合には取り締まりの対象になる、っていうね。こういう話なんだよね。」

廣田氏
「いや…。」

サワミヤ氏
「いやー、あのー…。」

廣田氏
「最初は、この、えーと、この児童が殺されたりっていう事件が、えっと土屋先生の、あの漫画を取り締まった方がいいのではないかっていう根拠だった。でもいま、175条が根拠になっていますよね。」

クレ氏
「社会法益ですよね。個人法益から社会法益に…。」

サワミヤ氏
「…どんどんずれて行ってないですか?」

土屋議員
「いや、そんなことないよ全然。」

サワミヤ氏
「いや、最初から論点が2つあるっていう主張だったんですか?」

土屋議員
「いやいや、ここで…ここでちゃんと質問しているんですよ、ちゃんと社会的なね法益を――」

サワミヤ氏
「質問を――」

廣田氏
「申し訳ないですけど、あのこの数少ない凶悪事件では取り締まりが難しいから、いま175条に話を移したように見えますよ。」

土屋議員
「いや、そんなことないよ。」

廣田氏
「そんなことないですか?」

土屋議員
「要は、世の中の…世の中の規範性をどう作るかによって、ね?それ…それがひとつの個別の犯罪に繋がったり繋がらなかったりするわけだから。」

廣田氏
「あーじゃぁ…。」

土屋議員
「だってさ、刑法なんてみんなそうなんだよ?基本的には、ね?ひとつの社会性・社会的規範性をイメージしているわけだ。」

クレ氏
「ちなみに刑法175条っていうのはあのー、単なるわいせつ規定であって、あのーチャタレー夫人が問題になったっていうのも、わいせつであるか否かっていうところが、あの表現の自由と抵触するということで、それであの、問題になったんですが。実際それは社会法益を考えてみると、あのわいせつなものを、頒布させないっていうことが社会法益に繋がるか?というところに、あのー俺は疑問を持っていまして。

だから、刑…あのーなんだろう、わいせつだったら例えばあのー、アダルトビデオのようなものだとか、そういうのがあのー、モ…モザイクが入っていたりとか、それだけでクリアできてしまう、実際の、創造力によってもそこは、大体分かるわけだし。そういうものを、あのー結婚したらまぁ当然行うような行為も、わいせつとして取り締まってしまうことに、ちょっと違和感があって」

土屋議員
「ちょっとまって(笑い)。私さ、結婚してやる、あの結婚した後のさ、男女の営みみたいなものをさ、そのー意味がないだとか、そんなこと何も言ってないよ?」

クレ氏
「ただわいせつに関して、どうしてもあのー、焦点を当てて社会法益とか論じるとなると、もうその、性そのものが禁…禁じることがあの、社会的法益を守ることに結びついてしまうんですよね」

土屋議員
「そんなことない…。」

クレ氏
「そんなことないですか?」

土屋議員
「だって、ね?だから、例えば刑法175条のわいせつ罪…公然わいせつ罪とか、それからわいせつ物陳列罪かな? それは、事本的にはさ、その社会のモラルとか社会の基準みたいなものをどこに線引くかって話なんだから。で、それを野放しにすると、いろんな影響が出るでしょうと。

それはどういう影響が出るかっていうのは、いろんな影響が出るでしょうと。私は、例えば、児童虐待…性的虐待を与えるようなものっていうのは、もっとストレートに、バリア…バリアが下がって、えー、心的なバリアが下がって、幼児に対する虐待とかそういうところに繋がるんじゃないかっていうのが、これは私の意見だけども。

だけど、憲法…刑法の175条は、その社会的法益はやがて、そのー、えー守るべき社会的法益があって、それをちゃんとやらないと、やがていろんなところで、あのー性犯…えーあのー性犯罪が、起こったりとかっていう事を、潜在的に誘発するね?っていうことがあるから、社会的法益ということを言っているわけだ。これをやったら必ずこうなるっていうのはさ、それは具体の…具体の事件の摘発の話だから。」

クレ氏
「まぁわいせつなものを社会の全面に出すとそういう風に、性風俗が乱れるとか、そういうことですよね?つまり。」

土屋議員
「いや、わいせつなものってさ。その時代と共に変わるんだけれども、ね?あのー、いや、わいせつなものっていうことは、相当幅広い概念だから、ね?私はわいせつなものを取り締まれなんてことをひとつも言っていないんだよ。ね?もう憲…刑法の175条の規定は、わいせつなものを取り締まれるって規定ですねと。だけど、どこで線引くの?っていう話なんだよ。

だからよくいうように、例えばチャタレー夫人の恋人っていう事件ね。みんな若い人にはほとんど分かんないんだと思うけど。我々の…我々はわか…若かったから。チャタレー夫人っていう人が、まぁそのー、自分のご主人以外と、そのー、性行為をしたっていう話、まぁ単純に言えばそういうストーリーなんだけれども。

それが出されて、で、まぁ公然…あのわいせつ…公然わいせつ罪になったんだよ、その本が…本、本そのものがね。ところが本たってさ、いまみたいにグーッと活字の羅列だから。ね?だからこれを読むのだけでも精一杯でさ、い…いまの感覚から言ったら、それがね何か犯罪に結びつくとか、性…性秩序にね?あのー社会の性秩序を乱すとか、そういう事には到底ならないような代物なんだよ。いま見ればね?

ところが当時の社会的な規範性とか法益性っていうのは、それを、まぁ取り締まったんだねぇ…。ただ最高裁で、相当、一定の判決が出たから。で、谷垣さん…法務大臣も言っているように、そういう事がきっかけになって、えー創作物を直ちに175条で取り締まるっていう事はね、それはなかなか。そのー、捜査の在り方とか、犯…あのー、犯罪捜査の在り方としては、難しいでしょうね?っていうことを言っているわけだ。

だけど…だけど、ね?その、社会の法益を守るっていう事は大事ですねっていう事も、言っているわけだよ。児…個別の児童の人権と同時にね。」

廣田氏
「はい。」

土屋議員
「で、個別の児童の人権っていうのは、実写の場合には当然、AさんならAさん、土屋なら土屋っていうのがあるわけだけど。そうじゃなくて、そのー、児童…な、なんて、性的虐待漫画?っていうのは、そこに個別の人権が無いわけだ。」

廣田氏
「うん、うん…。」

土屋議員
「土屋とか、ね?それからタナカさんとか、ね?そういう個別の人権がないから、個別の人権救済でないことは確かなんだよ。ね?個別の人権救済でないことは…。だけど、それが、その巡り巡って、例えば犯罪を誘発したりとかってことになるんじゃないですか?と。その例として私は幾つか挙げましたよと。

それから、新聞記事の中で、これ20分しか質問できないからねぇ。自ずから限られてくるんだけども、その中でいくつか例を挙げて、それから新聞記事の中に捜査員のね、現場にいる捜査員の言葉とか、そういう事も含めてね。或いはその弁護士とか、賛成とか反対の弁護士も含めてね。…ってことは恐れがあるんじゃないですか?っていう事を言っているわけだ。」

クレ氏
「個人の…個人の人権を守る為には、社会の法益を整えていくことが抑止に繋がると、そういう感じですかね?」

土屋議員
「クレさん。」

クレ氏
「はい。」

土屋議員
「明快だよ。あのね?我々は、ロビンソンクルーソーみたく、ね、そのー、離れた絶海の孤島で生きているわけじゃないから。ね?社会の中で生きているわけだから。テレビを見たり新聞を読んだり。或いはその、漫画とか、まぁ、そ…まぁインターネットとか、いま。我々が子供のころなんてインターネットなんて到底無かったから。そんなことだったんだけど。

そういう、しかし、社会…さっき言ったように、社会の変遷とともに、様々なツールができて、それから感…感じ方も違ってくるよね? 今はさ、そのー、週刊誌でさ、女性の裸なんか見たってさ、みんな驚かないよ。ね? で、しかし、じゃああれが30年前だったらどうだったか、とかね。」

サワミヤ氏
「まぁ社会…あのー社会通念っていうのは時代によって変わるものだっていうことでいいですよね。」

土屋議員
「ある程度変わっていくわけだ。」

サワミヤ氏
「はい。ある程度変わりますよね。」

土屋議員
「だからさっき言ったように、わいせつという概念も相当変わっていくわけだよ。」

サワミヤ氏
「はい。で、わいせつという概念は誰が決めるものなんでしょう? 裁判官?」

土屋議員
「いやいや、それは社会的合意だよ。」

サワミヤ氏
「いや、でも、社会的合意っていうものがあるんだろうなっていう話も裁判官が決めるんじゃないですか?」

土屋議員
「いや、最終…いや、裁判官が決めるのは、いいかな?」

サワミヤ氏
「はい。」

土屋議員
「裁判官が決めるのは、ここは間違えちゃいけないよ? ね? 裁判官が決めるのは、個別的事件に対する、評価を決めるのであって、世の中の一般的価値基準を、決めるのではないんだよ。」

クレ氏
「ただ裁判官が下した判例によって、それがあの、社会通念があのー、リードされてしまうという可能性はありますね。」

土屋議員
「もちろん。だから、そういう事が積み重なればね。あ、そういう事が、積み重なる…。だからいま私が言ったのは、ね?あなたが言ったことの中には、ワンステップかツーステップ位の、あのー、なんか省略があるから、ね? 裁判官が決めるのは個別の事件に対する、いいかな、個別の事件に対して、それが刑法に違反するとか違反しないとか、そういうことを決めるわけで。ね、例えば同じような事例があったとしても、サワミヤさんの事例と土屋の事例が違うかも分かんない。そしたら判決も違うかもしれない。

ところが、今、クレさんが言ったように、そういうものがいろいろ積み重なってくると、その判例が積み重なってくると、共通の、例えばクレさんのケースと土屋のケースとサワミヤさんのケースの中に、共通のものがあるねってなると。いや、だからそれは、積み重ねがならなきゃ、それは、なんて言うかな、○○○(注:聞き取れず)にならないわけだけど。

そうなってきて、そうなるとひとつの、まあ日本の場合には、判例法的なやり方はやってないけれども、最高裁まで行けば、それは確定するんだけれども。まあひとつの基準みたいなものはできてくるし、基準ができてくるし。個別の事件を、あくまでも裁判は個別の事件の判決だけど、だけど、それが積み重なると共通の認識みたいなのが出てくる」

廣田氏
「マンガの方に話を戻したいなと思うんですけど、先ほどは『ポルノ漫画』とおっしゃいましたけど、『ポルノ漫画』はオッケーだ」

土屋議員
「いや、あのー」

廣田氏
「『児童ポルノ漫画』って言うから、なんか話がややこしくなるんで。『ポルノ漫画』と言ったほうがいいみたいです」

土屋議員
「え?」

廣田氏
「『ポルノ漫画』という言葉は適切だ、と」

土屋議員
「いや、ポルノ漫画はさ。・・・まあ、何がポルノ漫画って言われることも問題だけど」

廣田氏
「まあ、結局ちょっと今までのお話聞いてると、漫画を特に規制するっていうことがそれほど大事かなっていう気がしてきてしまったんですけど、いかがですか?」

土屋議員
「あの、これはね、既にあちこちでも言ってる話なんだけども、私は、広く漫画一般を規制するということとか、あるいはアニメとかね。どういう言い方でもいいんだよね、漫画でもアニメでも、CG? まあ、そういうようは、映像、あの、文字じゃないね。

文字っていうのは大変な作業をしなきゃならないわけだ。で、文字で、例えば、なんとかのなんとかでね、切り殺したとかさ、なんたって、それをさイメージして、まあ大変なんだよね。これはね、貴方、廣田さんに言ったのかな。あの、例えばね、こういうことなんですよ。

あの、文字よりも遥かに映像のほうがリアルに近いわけだね。それを一番いい例がね、これは、どこで言ったのかな、あのー、横山光輝、かなあ、三国志を描いてるわけだ、漫画を。ところが、まあ、三国志を描いた人はいっぱいいるよ。吉川英治もそうだし、みんな。

ところがさ、曹操となんとかは出会ったって書けばいいわけだ。ところがそれを劇画で描くとなると、その時どんな服を着ていたかとか。その時に出されたコップ、酒の器はどんなものだったかとか、そういうことを全部描き込まなきゃなんないわけだ。調べて。時代考証して。

だから、何を言いたいのかというと、文言、文章で読むポルノの…、例えばポルノと、それから、映像で見る、その漫画、って創作物であっても、実写じゃなくても、漫画、いわゆる創作物であっても、全然その、なんて言うかな、与えるインパクトが違うよね。

で、さらに、その中で、私が言ってるのは広くマンガやワイセツと称するものを禁止しろって言ってるんじゃなくて。そん中で特に、集団で暴行するとかっていうことについては、ワンポイントでピシっとやったほうが、いいんじゃないですかってことを言ってる」

サワミヤ氏
「ちょっといいですか?」

土屋議員
「うん」

サワミヤ氏
「すみません。あのー、規制をするっておっしゃいますけど、じゃあどういうふうに規制をするおつもりでおられるんでしょうか?」

土屋議員
「それは相当、うん、それは相当難しいよね。まあ文言上どうなるかっていうことなんだけど」

サワミヤ氏
「いやいや、なるべく具体的な制度がどうすればいいんじゃないかな。あの、土屋先生のお考えでいいので、お聞かせ願えませんでしょうか?」

土屋議員
「あのね、あのー・・・、例えば、それは、児童ポルノ法を見てもらえれば分かるけれども。ね、今、出来上がった、実写だよ、実写、実写のね。そこでも相当いろんなことで書き込んであるよ」

サワミヤ氏
「いや、あのー、そうじゃなくて、制度としてどういうものを作りたいんでしょうか?」

土屋議員
「制度?」

サワミヤ氏
「はい。規制の」

土屋議員
「え?」

サワミヤ氏
「具体的な規制って言いますけど、規制をどういうふうに規制するのか。誰がやるのかとか。どこの省庁の管轄でやるのかとか。そういう具体的なプランをお聞きしたいんですが」

土屋議員
「あのね、これは、あえて聞くこともないんだよ。だってさ、それは基本的な問題さ。ね、これは刑法上の刑罰としてやれば、これはもう当然のことながら、警察が取り締まるし」

サワミヤ氏
「いやいや、あの、判断基準がどうなるか、とか。誰が判断するのか、とか」

土屋議員
「いや、その判断基準の下、だからさっきね、言ったように。ちょっと児童ポルノ法の規定はある? (注:スタッフらしき人が書類を持ってくる)だから、あのね、あのー、問題は、その判断基準みたいなものは、仮にだよ、仮にこれを、法律化するとなれば、相当書き込まなきゃなんないよ」

サワミヤ氏
「それはそうでしょうね」

土屋議員
「ね、だって、誰が決めるのかっていうのは、法律が決める」

サワミヤ氏
「法律が決める」

土屋議員
「うん。じゃあ例えば児童ポルノ法なんかの場合も、相当書き込んであるんだよね。例えばね、『衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているもの』とかってさ。つまり、何を実際に取り締まるのかっていうことになると相当難しいから。法律で書き込まなきゃなんないんだよ」

サワミヤ氏
「はい」

土屋議員
「だから、その法律を、今ここでね、こういうのをじゃあ、俺に見せろっつったって、まだ書き込んでないから」

サワミヤ氏
「あのー、要するにあんまり考えてらっしゃらないんでしょうか?」

土屋議員
「いやいや、そんなことないよ」

サワミヤ氏
「ぶっちゃけた話」

廣田氏
「先生のなんかこうなればいいなっていうイメージでも――」

サワミヤ氏
「イメージなんですよ、聞きたいのは。皆さんそれを聞きたがってると思いますよ」

土屋議員
「うーん、それはね。仮に、これはまあ、自民党とかなんとかではなくて。その、私の個人的なね、意見として言えば。まず限定を絞って、そのー・・・、まあ、それをどうするかによるんだけど、まあまあ、通常はまあ、18才未満、と思われるような、っていう書き方をするんだけど。うーん・・・、まあ一定の、そのー、基準を決めて、それに対する、集団でね、性的暴行を加えるとか、そういう規定を、より、あの、精密に、していくっていうこと」

サワミヤ氏
「していって」

土屋議員
「それはあの、法律で決めるんだよ」

サワミヤ氏
「法律で決めるんでしょう」

土屋議員
「だって、だって法律で決めなきゃさ。取り締まれないじゃん」

タナカ氏
「えーと、先生が規制すべきじゃないかっていう、お考えなのは、そういう18歳未満の幼い子が出てきて、その子が乱暴されるような漫画」

土屋議員
「あのね、ちょっと今手元に資料ないんだけれども、条例によってはね、年少児童っていう考え方を取ってる所もあるんじゃないかな。まあちょっといい加減で…、あのね、だから何を言いたいかって言うと、今日は相当、あの、法律技術論をここでやろうと思って来てるわけじゃないし、そういう用意もしてない。だから、書き方としてどういう書き方になるの? っていう。つまり今の、」

サワミヤ氏
「あのー、書き方の問題でもそうなんですけれども、実際だから、規制っていうのは『描いちゃいけない』なんですか? 『描いちゃいけない』なんですよね。販売規制じゃないですよね?」

土屋議員
「ん?」

廣田氏
「漫画を描いちゃいけない」

サワミヤ氏
「漫画を描いちゃいけない。描いたら逮捕するっていうことですか?」

土屋議員
「(笑い)」

サワミヤ氏
「いや、だから、そういう具体的な話を皆さん聞きたいんですよ」

土屋議員
「だってさ――」

廣田氏
「例えば、描いちゃいけないとか、買ったらいけないとか、あとは、見てはいけないのかとか」

サワミヤ氏
「そういう具体的な話をしましょう、まず」

土屋議員
「いやいや、それはさ、犯罪の構成要件だから、私が1人で決めるものではなくて」

廣田氏
「いやいや」

土屋議員
「ただ、児童ポルノ法にもいろんなそういう規定があるんですよ」

廣田氏
「いやいや、土屋先生の考えを聞きたい」

サワミヤ氏
「どうしたいっていうことを聞きたいんですよ。土屋先生のお考えを聞きたい」

土屋議員
「いやそれは、自分で描いてさ、自分でやるのはさ、そんなことはしょうがないでしょう」

サワミヤ氏
「個人としては別にそんな具体的な考えはないっていうことですか?」

土屋議員
「いやいや、そんなことはない」

クレ氏
「それから規制の方向をどういうふうに進めるか。例えば、」

廣田氏
「(注:ニコ生のコメントで)ほらいっぱい来てますよ。土屋先生のお考えが聞きたいって。人気あるなあ」

土屋議員
「いやいやいや、だからね、あのー、もちろん、あのー、これから仮にだよ。法規制するとなれば、もうちょっと叡智を集めて、積み上げた議論をしなきゃなんないんだよね。まあ、ここの読者(注:読者とは討論会の視聴者のことかと)も含めて。これならいいとか、これなら悪いとか。だけど、既に児童ポルノ法で、相当書き込んでる例があるから。例えば、児童買春、児童ポルノの所持その他――」

サワミヤ氏
「ようするに児童ポルノ法を元にして作るということですか? 十分な参考になるということですよね、これね」

土屋議員
「まあ、ある面では参考になるよ。だって、だって、結果としてさ。だから、問題は、自己、自分で自分の、自分が勝手にさ、空想して描いたものなんかさ、そんなの規制のしようがないよ。だって、頭の中にあるものはさ、ね? ただ問題は、社会的規制という以上は、社会的影響を与えるような、販売だとか」

廣田氏
「じゃあ流通とか」

土屋議員
「流通とか、そういう話になるだろうね。一般的に、社会的規制っていうのは」

廣田氏
「じゃあ別に自分で、なんか『俺はこれ好きだから』って描く分には、別に、もう規制しようがないと」

土屋議員
「まあ相当さ、相当そういう趣味は、俺にはないけれども、それはさ。だから、今の話っていうのはさ、為にする話で、そう描いて、そういうことを一生懸命描く人はさ、ね、そもそも、それで、自分の、そのなんて言うか、守備範囲の中にいる人はさ、自己所有、それはさ、こういう論議に乗ってこないでしょう。

元々こういう論議の元は、児童ポルノも同じだけど、全て社会的影響とか流通とか、一番のそれは売春だよ。ね、売春は、例えば、合意、一定の合意の下に売春行為をやってるもので、成人のものは、これは処罰の対象になりませんよ。その時に大事なのは管理買春だから。分かる?

ようは、ある土屋なら土屋という女性がいたと。その女性が、誰かとアレして、それで、まあお金もらったと。これ売春ですよ。だけどそれは規制の対象になってないんだよ」

クレ氏
「確かにそれ自体、売春自体は処罰規定がないんですよね、確か」

土屋議員
「うん、いやいや、処罰規定はないよ。いや、問題は、そこで、社会的規制っていうのはどうかっていうと、管理売春とか、ね、ようはだから、このケースで言えば、物を売ったり、あるいは流布したり、そういうことを、社会的影響として社会的規制を加えてくってことになるんじゃないのかな法の規制としては。だから、その個人が、どういうふうなね、そのものを描く、描いて自分でこう見てるとか、そこまではさ、これ頭の中の問題でもあるんだからさ」

廣田氏
「なるほど。人の頭の中まではもう」

サワミヤ氏
「規制する必要はない」

土屋議員
「規制する必要は・・・、できないじゃん!」

廣田氏
「できない。うん、なるほど。別に家で描いて、一人で観るぶんには」

土屋議員
「まあねぇ、そういうケースがあるかどうかは別にして、だから、だからさっき言った、その、為にする議論だっていうのはそういうとこなんだけど。ね? 自分、自分のとこでさ、そういう、なんかね、何枚も描いてるような奴がいて、自分だけで見てるっていうのがさ、どれだけいるのか分からんが。しかし、今ここで問題なのは、法律っていうのはね、社会的、社会的な規制なんだから。だから、社会的影響のあるものに対して規制するってことだよ」

クレ氏
「個人が別に言い方変えれば、何をしても、っていうことですよね。だから例えば、廣田さんがあのー、エロい絵を描いていて、それが自分で楽しむんじゃなくて――」

廣田氏
「人に見せたりとかね」

クレ氏
「――俺があの見に行ったりとかして、そういうふうに広がってしまうとやっぱり社会的影響が出てくるっていうわけですよね」

土屋議員
「あのね、児童ポルノ法では、単純所持も禁止したんだよ。児童ポルノで、実際にそこに……、実写があってその子どもの人権が侵されてるっていうことにおいては、単純所持も禁止したわけだ。ところがさ、そのー、もっといろんなやり方があるけれども、さっき言ったように、売春は管理買春を規制してるわけでしょう? だから、ものによっていろいろ違うけれども、仮に創作物を、何か社会的影響が大きすぎるっていうんで規制をするとすれば、それは頒布だとか、まあ、どういうことになるのかな、商行為としてどうだとか、そういうことなんだろうね」

廣田氏
「例えば、単純所持禁止じゃないですか。で、僕が、児童ポルノを持っていて、それをクレさんに渡したとしたらもうそこで、もう――」

土屋議員
「児童ポルノはね。だけど、それが漫画だったら。つまり、児童ポルノの考え方っていうのは、さっき一番最初に言ったように、その子どもの人権を守るっていうことを前提にしてるわけだから、だから逆に言えば、ユーザーを絶つことによって、そういう商売が成り立たないようにして、結果としてその人権を助けようっていう話だよね」

廣田氏
「あ、えーと、それが漫画になった場合は」

土屋議員
「それが漫画になった場合にはさ、例えば、廣田さんが描いたのをさ、彼に見したってさ、それはさ、その程度の話でしょう。ところがそれをだよ、例えば、大量に印刷して、『これいいぞ』ってね、という話になるかどうか。それは規制の、あの、まあ規制するかどうかは別にしてね、だからそういう性格のもんだっていうことだよ。だと思いますよ」

クレ氏
「まああのー、個人が児童ポルノを単純所持するっていうことが、あのー、なんだろうな、個人の、制作の過程で、児童の人権が、必然的に侵害されるのと。あとあの、漫画だとかそういうものを広めるっていうのが、そういう、いわば反社会的なものを、広める、社会法益を侵害するっていうことですよね?」

土屋議員
「社会的法益をね、侵害するんじゃないかと。だから、そこはいわゆる、まあ実写っていう言い方が、まあいいのかどうか別だけどさ、実写の実際の児童ポルノと創作物との違いっていうのは当然あるんじゃないのかな」

クレ氏
「ただ、ひとつの児ポ法の中で、そういうものが、あのー、法益がゴチャゴチャになってるんですよね。だからあのー、単純所持まで踏み込んでしまうと、実際の児童の、そういうポルノとして例えばなんかあのー、子供のアダルトビデオのようなものがあったとします。そういうのだったら、作る過程で必ずあのー、児童が性的虐待を受けている。それが、なら確かに、まあそうなんですけど、そのものなんですが。

ただあのー、子供の裸だとか、も、この条文を見て、分かる、性器だとかその周辺を殊更強調して性的な興奮を起こさせるもの、とかいう漠然的なものだと、単純にあのー、裸だけでも触れるわけですね(注:「触れる」というのは「(法に)触れる」という意味合いかと思われます)。だからあの、それを服を着ていても、警察がそういう判断すれば捕まってしまう。その辺が問題なんです」

土屋議員
「あのね、クレさんね、同じような議論は、もっと極端な言い方をするとね、じゃあ自分の子供を、女の子をよしよしってね、入れたらどうするんだなんて議論になるんだよ。だけどさ、そんなことはさ、おのずから。だけど自分の子供の裸をだよ、いかにもこの性、○○○○(注:聞き取れず)のね、それをコピーしてどんどん売れ、売るかってんだよ。そういう話だよね。売ったらそれは問題でしょって話であってね。

だけど、例えば、自分の子供のね、よく、そのね、ちっちゃな頃なんかお風呂なんか入れたりしてさ、よしよしなんてやるわな。そういうことまでさ、この児童ポルノ法は禁止するって趣旨じゃないからね」

クレ氏
「いや、でもそれはあのー、禁止に含まれますよね。例えばあの、自分の娘を風呂に入れたりだとか、あの、プールに入ってる様子を撮影してブログにアップするだとか、そういうものは、例えばあのー、誰かがそれを、保存して、例えばパソコンとかに大量にデータが保存されたりしたら、やっぱりあの、警察が捜査しに来たら、児ポ法の単純所持ということで捕まる。そういう危険なんですね。

だからあの、文脈が、なかなかあのー、違うんですよね。作る、それが、写真のデータができるのと、そのー、そういうのを楽しんでいる人が所持するっていうこと。で、やっぱりあのー、繋がりが、ないですね。またあのー、意味が変わってきてしまうので。だから、その時点で、これで取り締まり対象になるんですよね」

タナカ氏
「ちょっと、すいません、いいですか? エロ漫画の話をしていいですか?」

廣田氏
「ああ、もう、もちろんです」

タナカ氏
「ええ。ええと、ごめんなさい、先ほどの話に戻ります。先生がおっしゃった、えーと、子供がでてきて、大勢で乱暴してるような漫画っていうのは、影響があるんじゃないか。だから規制したほうがいいんじゃないかって、いうご意見だったんですけれども。あのー、社会法益も、あのー、大事な視点だと思うんです」

土屋議員
「社会的法益ね、うん」

タナカ氏
「はい。えーと、安全に暮らせたほうが当然いいですし。私はあのー、幼児教育を勉強して、今保育園で働いてます」

土屋議員
「ああそうなの?」

タナカ氏
「はい。で、えーと、子供達に――」

土屋議員
「実際の、あの、保育士さん?」

タナカ氏
「あのー、いえ、あのー、教員免許を」

土屋議員
「ああ、うんうん、まあまあでもー、実際に保育にも携われる方」

タナカ氏
「はい。えー、それで、子供達は、あのー、いろんな知識を吸収していって、最終的に大人にならなきゃいけない。大人になるために子供の時代にどんどんいろんな情報を与えてあげなきゃいけないんですよ。それで、えーと、実写でそういう幼い子を、あの、乱暴するようなものがあったら、それは、いや、あのー、マズいと思うんですけれども。

そうじゃなくて、漫画で、絵で描いてくれてるんだったら、その情報をぜひ公開して欲しい。あの、子供達にとっても、見る必要がある情報なんです。こういう、あのー、世の中にはこういう犯罪があるっていうことを知る機会。あのー、そういう情報を得る機会を子供達から遮断してしまうっていうことは、とても危険なことで、あのー、それは、表現の規制っていうのは、私はしてほしくないと考えています」

廣田氏
「まあそれは教育的効果もあるみたいな感じですかね」

タナカ氏
「はい。で、それで、いろんなものを見て、これはダメなんだよって、教えてあげるのが、教育するのが大人の役目なんですよ。だから、表現、あのー、表現物、創作物を規制して、見せなくするっていうことは、やめて欲しいんです」

クレ氏
「そうですね。人によっていろいろな見方があるということですね。そういうのを教材に使って――」

土屋議員
「あのね、あのー、今ね、タナカさんが仰ったことは、重大な点が欠けてるよ。それはどういうことかと言うと、今児童とか、言ったんだけれども、これはもう教育学のイロハ、なんだと思うけれども。あのー、そのー、人格の形成途上、様々な育成途上では、様々な段階があって、その段階にふさわしいようなものを、ね、そのー、ま、教育なり、あるいは、あのー、保育という行為を通じたり。

例えば0歳なんていうのは、それこそ、言葉も十分通じないわけだから、それはね、抱きかかえるとか。それから、様々なね、まあ、眼差しをやるとかっていうことによって。それはじゃあ1歳になったらどうなんだ。2歳になったらどうなんだっていうね。それは発達の過程があるわけだから。ね、そのことをきちっと言わないと。相当な誤解を与えますよ。

だから、今の、ね、だから、あのー、どういうものをどの段階で見せたり体験させたりしたほうがいいのかっていうのは、それはもう発達心理学とか、教育、教育のね、専門家たちが十分議論してる過程で、じゃあそれは一体どういう形を取るかって言うと、保育園の設置要領とか、あるいは幼稚園の、幼稚園指導要領とか、小学校では小学校の学習指導要領とか、中学校の学習指導要領とかっていう、そういうずーっと形態があるわけだ。

だから、それは、今あなたがね、仰ったことは大事な、ある面では非常に大事なことだけど、発達の度合いに応じて、情報をきちっと提供すると」

タナカ氏
「はい、それはもちろんそうです」

土屋議員
「だけど今の話を聞くとさ、無条件に、制限しなくてもいいからって聞こえるよ」

タナカ氏
「そうですね。発達段階に合わせて――」

土屋議員
「いいかい、よく考えてごらん。発達段階に応じてっていうことは、制限してるっていうことだよな」

タナカ氏
「それはそうです」

土屋議員
「そうでしょう。だから、」

タナカ氏
「でも規制ではないですね」

土屋議員
「ん? 制限してるんですよ」

タナカ氏
「私はあのー、ごめんなさい、小さい子にも、あの、世の中には強姦っていう犯罪があると。悪い人がいるから、気をつけなさいと。ちっちゃい子だって、社会の一員なので、それはもう、あのー、犯罪の被害者になり得るという危険性があるんですよ、生きている限り。それは教えていかなくちゃいけない」

土屋議員
「いやいや、ちっちゃな子って言うけれども、じゃあ例えば強姦の危険があるよってことを何歳で教えるの?」

タナカ氏
「あのー、今小学校3年生ぐらいで、あの、性教育してるみたいなんですけど。まあ、それが限界かなとは思うんですけれども。ホントはもっと早く教えて――」

土屋議員
「いやいやだけどそれは、やっぱしだから、いろんな知恵があって、ね、経験知と、研究知があって、例えばまあ何年生から性教育を教えるのか。性教育の場合に強姦っていうことまで教えるのかどうかっていう話になるわけで、だから――」

タナカ氏
「性教育で強姦のこと教えられないと思います。無理だと思います。だから、マンガにせっかくそういう場面が出てきて、それを子供が見てショックを受ける。そういう機会があるんだったら、大いに見せてショックを受けさせてあげたい」

土屋議員
「ああー、それは違うねえ。それは教育の根本について、あーのー、問題があるね、そういう理屈は。だってさ、それならさ、若い頃からさ、殺人事件だとかなんだとかどんどん見せろっての? 殺人の危険があるから」

廣田氏
「いや、それはやっぱりドラマとか見てるから、『ああ、人殺しちゃいけないんだなあ』っていうのはあるんじゃないですか?」

土屋議員
「いや、だからね、その、ドラマでは、ね、強姦するドラマなんてさ、しょっちゅうあるわけじゃないんだから」

廣田氏
「いや、結構昔はありましたけどね(苦笑)」

土屋議員
「いや、幼児を強姦する○○○(注:聞き取れず)あるの? 僕は見たことないよ、テレビだったら」

廣田氏
「いや、幼児はないですけどね」

土屋議員
「だから、問題はそこを言ってるわけだ、さっきからね。ね、例えば成人が、成人がいろんなリスクを取って、いろんなことになるっていうのはさ、それは、また別な話でしょう? っていう話をしてるわけだよ。たびたび言ってるように」

廣田氏
「えーと」

土屋議員
「幼児のような」

廣田氏
「分かりました。えー、土屋先生としては、その、幼児、ようするに弱い立場の人間を、そういう力の強い者が、あのー、強姦するような、そういう表現はやめましょうということですね」

土屋議員
「うん、まあある面ではね」

廣田氏
「例えばマンガに限らず。なんでマンガばっかりの話になるのかなあとさっきから」

土屋議員
「そんなことないよ。だって他のものは、この実写でちゃんと規制してるんだから」

廣田氏
「ああ、ああ、はいはい。じゃあ、小説だと?」

土屋議員
「だから、さっき言ったように、小説をちゃんと読むのはさ、それは相当年行ってからだよ。小学校のさ、3年生4年生がさ」

廣田氏
「マンガだって、18才以上の人が読むものじゃないですか」

土屋議員
「だからそれは、今の話はなんでそういうことになったのかというと、彼女が、発達過程でそういうものを見せるべきだって言ったからそういう話になったんでしょう?」

廣田氏
「いやいや――」

タナカ氏
「積極的に見せなくてもいいです――」

土屋議員
「いや、そうじゃなくて、私がね、私が言ってるのは、たとえ成人であろうと、成人であろうと、そういうことを堂々と流通したり流布したりすることはないと。その、それが、例えばAさんならAさんが、今廣田さんでも土屋でもいいけれども、それをどういう嗜好を持つかについては、そこまでは立ち入らないよ。人格の自由、思想信条の自由。生きていく自由だよ。

だけど、そういうものが十分ね、必要以上に刺激をしたり流布したり、そういうことについては社会的法益として一定のルールを作ってくことが必要なんじゃないですか? って言ってるわけだ。それも広く、広く規制しようと言うんじゃなくて、アンチモラルみたいな、誰が見てもアンチモラルと思われるようなものを、について、それは、ちゃんとね、ルール化して規制してったほうがいいんじゃないですか? っていうことを言ってるわけだ」

サワミヤ氏
「ようするに175条ですよね。ワイセツなものは特別法作って禁止するっていうことですか?」

土屋議員
「あ、違う。あのね、175条の・・・、175条はどうやってできたのかってこれはちょっと、私もさ、専門家じゃないから――」

サワミヤ氏
「いや、ようするにどうやってできたのかってことが聞いてませんけれども」

土屋議員
「いや、そうじゃないよ。あなたが言ってるのは立法の趣旨を聞いてるんだから」

廣田氏
「あと3分ぐらいですね」

サワミヤ氏
「立法の趣旨」

土屋議員
「だって、175条ことは、どうしてできたんですか? っていってるわけでしょう?」

サワミヤ氏
「いや、違います」

土屋議員
「どういう、もう1回言って?」

サワミヤ氏
「いや、ですから、えーっとですね、土屋先生がここで仰ってるようにですね、『175条で規制すべきでしょう』とここで仰ってますよね?(注:おそらく雑誌『創』9・10月号に廣田氏が土屋議員に取材して書いた記事を見せている)」

廣田氏
「ああ、あのインタビューの時ですね」

サワミヤ氏
「あのインタビューの時です」

廣田氏
「児ポ法では無理なんで、175条」

土屋議員
「いやあ、それはひとつだよね」

サワミヤ氏
「でもここでは、『だから特別法を作って社会・児童に与える影響という観点から』と仰ってるんで、僕はこれを読んで、あのー、よく分かんなかったのが、だから、175条で規制すべきっていうことは、175条があれば済むわけじゃないですか? だからなんでわざわざ特別法を作るのかっていうことであって――」

土屋議員
「あのね、いやいやいやいや、あのー、これ、これはその前後を読まなきゃダメよ。前後を読まなきゃ。それで、あのー、これはまあ、廣田さんが書いた記事なんだけれども、むしろマンガは規制できないと、そのことについてね、つまり創作物は規制できるのかできないのかって議論なんだよ。

ところがチャタレイ夫人の恋人っていうのは創作物なわけだ。だから、創作物でも、規制する規定はありますね、と。それが公然わいせつになるか、あるいは公然わいせつ物陳列罪に当たるのかっていうことは刑法上ありますね、と。

そうは言っても、この刑法の規定は、さっき言ったように『チャタレイ夫人の恋人』の最高裁判決だとかいろんなことがあるから、いろんなことがあるから。直ちにこれをね、あのー、この175条を使って、そんなガンガンガンガンやるわけには行かないですね、ということを前提にしてるわけだ。

となれば、特別法を作って、広く一般に、わいせつ物だとかなんだとかじゃなくて、この児童犯罪を誘発するのではないかと思われて、誰が見ても常識的にね、良くないと思われるものについて、絞って特別法を作ったらどうですか? ってことを言ってるわけ」

廣田氏
「じゃあちょっと根拠をうかがいたいんですけど、土屋先生は、やっぱり弱い立場の者を守りたいというのがその根拠に、根幹におありですか?」

土屋議員
「いや、それはもう、当然だよねぇ。それは当然だよね。さっき言ったね、私も言いかけたけど、ちょっと問題の本質が若干違うけれども、視覚障害者の、せいでさ、転んだからといってだよ、後ろから行ってね、その視覚障害者のね、その、このね、膝をガンなんてやるなんてさ、そんな奴ね、出てこいっていうんだよ。社会の前でさ」

廣田氏
「ちょっと今、涙目になってらっしゃるのが分かるでしょうか? ちょっと今あと30秒ぐらいしかないんですけど。そこで、弱い者のために社会を良くしていこうっていうのは、ここに集まった3人もそういう気持ちでいるので。あのー、そこで、特にマンガだけを叩かれると、やっぱり反発が、余計な反発がね、起きてきてしまうので。あのー、なるべくね、ちょっとこういう機会を多くして、あのー、世の中どうすればいいのかっていうことを考えて――」

土屋議員
「あのね、うん、もちろんね」

廣田氏
「まとめに入ってしまいましたけど。あと10秒ありません」

土屋議員
「うん、あのね、若い人はね、あのー、こういうインターネットの中継なんかよく見てる(注:ここで放送終了)」



文字起こしは以上です。この記事を元にTwitterやブログ等でエロ漫画規制についての議論が盛り上がることを願って、この記事を公開いたします。