(2014年9月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
スコットランドは独立しても英ポンドを使い続けたいと考えている〔AFPBB News〕
ウェストミンスターの英国議会の3大政党が独立後のスコットランドとの通貨同盟に反対しているのは、はったりだろうか?
境界線の北側では、多くの人がそう思っている。筆者は人の心の奥底を見通すことはできない。こうしたスコットランド人は正しいのかもしれない。
だが、筆者は3大政党の反対がはったりではないことを願っている。どんな条件であっても、通貨同盟の可能性が排除される必要はない。しかし、残る英国にとって意味をなす通貨同盟は、極めて不平等なものになる。新たに独立した国家がなぜそんな同盟を受け入れるのだろうか?
ユーロの経験は、通貨同盟というものに関係する多くの問題をはっきりさせた。一部の問題は、スコットランドと英国の通貨同盟には、ある程度しか関係しない。石油に依存するスコットランド経済は英国経済とは異なるものになるが、3世紀以上の連合の歴史を経た今、両者の経済、特に労働市場の統合は、通貨同盟を実行可能にするのに十分だと言っていいだろう。
これが独立に対する熱意が理解しがたい理由の1つだ。オックスフォード大学の経済学者、ポール・コリアー教授が主張したように、独立熱は本当に資源強奪以上のものではないのだろうか?
独立したスコットランドと英国の通貨同盟の姿
狭い意味での経済的な観点から通貨同盟が機能し得ることを受け入れたとしよう。これで話は終わりなのか? 絶対に違う。
通貨同盟の重要な点は、ユーロ圏の経験から明らかなように、それが経済だけの問題ではないということだ。法定不換紙幣(つまり、政府が発行したお金)の共有には、高度な制度的、政治的統合が必要になる。名目上独立した国家間の通貨同盟が極めて困難に満ちているのは、そのためだ。
(どれほど無分別だったにせよ)ユーロの場合がそうだったように、同盟深化に向かうことを提案している国々にとっては、そのリスクを冒すことは理にかなっているかもしれない。だが、連合の解消を決めた国にとっては、一体どう意味をなし得るのか?
イングランド人に向かって、あなたたちと別れたくて仕方ないと言いながら、続けざまに、あなたたちを非常に信用しているから、自分たちが去ろうとしている国の中核的な活動を共有したいと言うのは、おかしい。