リニア新幹線:JR東海が工事認可申請 10月にも着工
毎日新聞 2014年08月26日 22時04分(最終更新 08月26日 22時51分)
JR東海は26日、2027年に東京・品川−名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線について、工事実施計画の認可を太田昭宏国土交通相に申請した。認可が得られ次第、10月にも着工する。
国交省は工事の安全性などを審査し、妥当と判断すれば認可する。認可されればJR東海は沿線自治体への事業説明会を開き、用地取得を進める。工事は、同社が土地を持つ品川駅や名古屋駅周辺から着手する見通しだ。
JR東海は同日、工事に伴い発生する残土などへの対応について環境相や国交相から出された意見を踏まえ、環境影響評価(アセスメント)書を補正し、国交相と沿線7都県に送付した。
ただ、残土については全量処理の見通しが立っていないほか、工事による地下水流量低下への配慮も求められている。JR東海の水野孝則・中央新幹線推進本部副本部長は「安全面、環境面に十分配慮して工事を進めたい」と述べた。
リニア中央新幹線は品川−名古屋間を先行開業し、45年までに大阪まで延伸する計画。JR東海は名古屋までの工費を5兆4300億円としていたが、リニア車両の照明や空調に使う電力の給電方式を高性能に変更したことなどから、935億円増の5兆5235億円になるとの見通しを明らかにした。【森有正、和田憲二】