学力テスト:下位道府県が底上げ 沖縄は小学校伸びる
毎日新聞 2014年08月25日 17時56分(最終更新 08月26日 02時01分)
文部科学省は25日、今年4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。応用問題の正答率は例年同様低かったが、都道府県別の平均正答率は基礎、応用問題とも下位層と全国平均との差がさらに縮小し、同省は「学力の底上げが進展した」と分析。例年最下位層だった沖縄県が順位を上げ、小学校算数の基礎問題では6位に浮上した。また、昨年同様「総合的な学習の時間」に積極的に取り組む学校ほど平均正答率が高く、相関が明確になった。
テストは小学6年と中学3年の全員が対象(私立は希望校で参加率47%)。科目は国語、算数・数学で、それぞれ基礎知識を問うA問題と、応用力をみるB問題がある。国公私立計約3万校の約215万人が受けた。
公立校の正答率の全国平均は小学校国語Aが72.9%▽同B55.5%▽算数A78.1%▽同B58.2%。中学校国語Aは79.4%▽同B51.0%▽数学A67.4%▽同B59.8%だった。
都道府県別の公立校の平均正答率について、下位3位までの平均値と全国平均との差を2009年度、13年度と比較したところ、4科目とも縮小傾向にあった。小学校国語Bは09年度4.1ポイント→13年度3.3ポイント→今年度3.0ポイント。中学校数学Bは09年度7.7ポイント→13年度7.3ポイント→今年度6.5ポイントで、回数を重ねるごとに差が縮まっている。
全国平均を5ポイント超下回った都道府県が昨年同様、小学校の全科目でなくなり、同省は「学力の底上げが進展」と分析。要因として(1)過去の結果分析に基づく指導の改善(2)書く習慣や実生活との関連を意識した授業の普及(3)家庭学習の習慣が定着−−を挙げている。
一方、上位3県の平均値と全国平均との差は8.4〜3.8ポイントで、同省は「上位県はレベルを維持している」とみている。
「総合的な学習の時間」の探究活動を進めている児童生徒のほうが、すべての科目で成績が良く、中学校数学Bでは平均正答率で5ポイントの差があった。
都道府県別では、毎回小中とも成績が最下位層だった沖縄県が、小学校の結果を大幅に伸ばした。小学校算数Aの平均正答率が初めて全国平均を上回った(プラス2.8ポイント)ほか、他の科目でも、前回4ポイント近くあった全国平均との差が1ポイント前後にまで縮小した。【三木陽介】