広島に勝利し、ヒーローインタビューで笑顔を見せる阪神の(右から)メッセンジャー、福留、西岡=甲子園球場で(潟沼義樹撮影)
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◇阪神5−0広島
阪神が3カードぶりに勝ち越し。7回に福留のソロで均衡を破り、西岡の三塁打などで加点。8回にはマートンの2ランで突き放した。3投手が無失点で、メッセンジャーはリーグトップタイの12勝目。広島は九里の交代が裏目。
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ここ一番で存在感を見せつけた。苦しいチーム状況の中、福留と西岡がともに値千金の一打を放って虎を救った。
均衡を破ったのは福留だ。7回1死だった。「今シーズンで一番いい手応えだった。ランディ(メッセンジャー)が頑張っていたし、前の打席(4回2死二塁)で打てなかったから何とかしたかったんだけど、一番いい形になった」。右翼席へ、勝ち越しの6号本塁打だ。
4月29日の広島戦もひと振りで勝負を決めていた。メッセンジャーとバリントンとの投手戦で、唯一の得点となる本塁打を放った。まさにその再現。8月21日の中日戦では、プロ初先発だった同郷・鹿児島の後輩、金田を助ける一発も放った。今季6本すべてがチームの勝ちにつながっているという事実が、勝負強さを際立たせている。
「あそこまでメッセがよく投げてくれても点が取れなかったんだけど、さすがにベテラン。あれしかないという一打」
和田監督の歓喜は、この本塁打だけにとどまらなかった。「その後も1点だけじゃなく、ツヨシが打ったのが大きかった」。直後の2死二塁、西岡が代打で右中間を破る適時三塁打を放ち、勝負をありだ。
「代打になって関本さん、新井貴さんの大変さが分かったけど、あそこで打てるのは自分だけ。給料ドロボーになっているけど、残り試合全力を尽くすことを誓います」
度重なる故障で15試合の出場にとどまる西岡は、福留、メッセンジャーとともに上がったお立ち台でファンの心をくすぐった。
昨年、ともにメジャーから日本に戻り、阪神に加入した。ちなみにメッセンジャーもメジャーで投げた経歴を持つ。シーズン終盤、メジャー経験者3人衆が、なえかけたチームに活力を与えた。 (中山隆志)
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