9月10日発売のサザンオールスターズの新曲「東京VICTORY」ジャケット写真

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9月10日発売のサザンオールスターズの新曲「東京VICTORY」ジャケット写真
 1978年に「勝手にシンドバッド」でデビューしてから36年間、音楽シーンのトップをひた走り続け、老若男女、幅広い世代から愛される国民的バンドとなったサザンオールスターズ。通常、ベテラン・アーティストのコアファン層は活動歴とともに高くなっていくものだが、サザンの場合は10代、20代の若いファンも多く、ライブなどでは親子2世代、3世代にわたるファンも見受けられる。そこで今回、ORICON STYLEでは、10代・20代の若者を対象に、知ったきっかけや楽曲にまつわる思い出などについてリサーチし、若者からも支持される理由を探った。

【特集】10代・20代の「思い出のサザン」エピソード

■若者にとってもサザンは「青春の1ページ」

 まず、『サザンオールスターズを知ったきっかけ』では、全体の51.3%が【音楽番組】と回答し、続く【親が好きだった】の20.0%を大幅に上回った。「勝手にシンドバッド」(1978年)、「いとしのエリー」(1979年)、「チャコの海岸物語」(1982年)、「エロティカ・セブン」(1993年)など、各年代で数々のヒット曲が生まれてきたなかで、2000年代に入ってからも「TSUNAMI」(2000年)がトリプルミリオンに迫るセールスとなったことをはじめ、「HOTEL PACIFIC」(2000年)、「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」(2003年)など、リリースしたシングル全てが2桁ヒットを記録。過去の作品のみならず、最新曲がコンスタントにヒットしていたことで、リアルタイムで目にする機会が多かったようだ。

 そのため、『思い出の曲』を挙げてもらうと、1位は【TSUNAMI】、2位は【愛の言霊〜Spiritual Message】となったが、10代は2000年発売の「TSUNAMI」、20代は1996年発売の「愛の言霊〜Spiritual Message」が多く、それぞれリアルタイムで触れていた曲にハッキリ別れる結果となった。「TSUNAMI」に関してのコメントを見ると、10代は「小さい頃に親がよく聴いていて、一緒に歌った記憶があります」(埼玉県/10代/女性)など、親が聴いていて鮮明に記憶に残っている、という人が多かった。20代の「愛の言霊〜Spiritual Message」は「香取慎吾さん主演のドラマで知った。カラオケで歌うと盛り上がります!」(兵庫県/20代/男性)と、ドラマ主題歌の影響が大きいようだ。

 また、2曲に次いで票が集まった【勝手にシンドバッド】、【いとしのエリー】に関しては、もちろんリアルタイムで聴いていたわけではないが、「吹奏楽部で演奏したことがあるので。今年の文化祭でも3年ぶりに演奏する予定です!」(「勝手にシンドバッド」/岡山県/10代/女性)、「小学校の音楽の教科書に楽譜が載っていた。そこでサザンを知りました」(「いとしのエリー」/福井県/20代/女性)など、学校の授業や部活で仲間とともに歌い、演奏し、形は違えど40代以上同様、“青春の1ページ”として心に刻まれている人が多いことがわかった。

■普遍的かつ最先端 いつ聴いても感じる新しさ

 次に『サザンオールスターズのイメージ』について自由に回答してもらうと、【夏】【海】が圧倒的に多い結果に。夏や湘南の海をテーマにした名曲が多いことから、「夏になると聴きたくなる」(神奈川県/20代/男性)、「ビーチで聴きたい!」(東京都/10代/女性)といったコメントが多かった。こうした爽やかなイメージとは対照的に、【お祭り】【面白い】【ちょいエロ】といったワードも多く、「名曲が多い一方で、ふざけた曲もある」(兵庫県/20代/女性)など、対比を楽しんでいる人も。「エンターテイナー」(熊本県/20代/女性)、「エンタテインメント性に優れている」(東京/20代/女性)とのコメント通り、幅広い音楽性はもちろん、ライブでのパフォーマンスや演出、テレビ番組でのキャラクターなど、“良質なエンタテインメント”として楽しんでいる人が多いように見受けられた。

 最後に、『5年ぶりのサザン復活から1年を経て思うこと』について尋ねると「また新しい音楽を聴けること、また観られることがすごく嬉しい」(佐賀県/10代/男性)、「昔の曲ももちろん好きだけれど、活動を続けて、新しい曲を発信してもらえるのは嬉しい」(群馬県/10代/女性)といったように、“新曲を聴けることが嬉しい”というコメントが多く見られた。30年以上も現役で活動を続け、時には世相を捉えたメッセージを入れ込むなど、普遍的かつ最先端の音楽を常に発信してきたことで、「昔の曲を聴いても古いと感じない」(福岡県/10代/女性)、「いつも新しいことに挑戦して、時代に合ったメッセージを送ってくれる」(東京都/20代/男性)といったイメージを持ち、それがサザンが若者から支持されている理由のようだ。

 なお、サザンは6月に「進撃のサザン!2014」として、年内の活動内容を発表。9月10日に発売されたニューシングル「東京VICTORY」は好調な滑り出しとなっている。このほか、年末の年越しライブ、オリジナルアルバム制作と、全部で3つのトピックが発表されており、今後も精力的な活動が続く。次はどんな新しい展開で楽しませてくれるのか、ワクワクが止まらない。

【調査概要】
集計期間:2014年8月25日(月)〜9月1日(月)
調査対象:合計400名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査