全盲の少女が電車に乗る際に人を杖に引っ掛けてしまい、その相手に暴力を受けた、というニュースが世の中では話題になっていますね。
埼玉県立特別支援学校に通う全盲の女子生徒がJR川越駅(同県川越市)前のコンコースで登校中、杖がぶつかった相手とみられる人物から右足を蹴られたと学校に届けた。学校が9日、明らかにした。女子生徒は打撲したといい、近く家族が警察に被害届を出す。
このニュースを見た、主にtwitterというインターネット上のサービスを使っている一部の人たちがこの全盲の視覚障害者に対して差別発言を行っていることがネット上では話題になっています。
「全盲なら乗るなよ」「相当イラつくのは確か」川越線での全盲女子負傷 加害者への同調がツイッターで続出 - NAVER まとめ
このまとめの中で、かなり障害者に対して無知な、そしてツッコミどころ満載な発言をしている方が多いので、少しツッコミを入れていこうと思います。全員にツッコミを入れたいところですが、あまりにも差別者数が多い為、一部抜粋して行います。(というか、匿名だからと油断して差別発言をしたのだろうけれど、炎上した為にアカウントを消して逃げてしまっているので……。)
俺はこの経験から障害者を普通の人間として扱おうとする奴らの愚かさを主張するからな! 全盲の女子生徒の件は都会の混雑駅とかラッシュ時の駅にいる奴が悪い部分もあるだろ!!!全部相手が悪いみたいな被害者面してんじゃねぇぞ!!!!
— 小宮 (@komiya2828) 2014, 9月 10
障害者と健常者を同等に扱うのは逆に障害者が生き辛くなる原因だと私も思っています。「差別」ではなく「区別」はすべきです。
しかし、視覚障害者であろうと仕事や用事の為にラッシュ時の電車に乗らないといけない場合も多々あります。ラッシュ時に電車に乗っていたのが悪いというのならば、世の中のサラリーマンは常に傷害事件の被害者になっても文句を言えないということになります。
視覚障害者だけの問題ではないのですよ、この事件は。健常者ですら、ちょっと肩がぶつかっただけで、傷害事件に巻き込まれる可能性がラッシュ時の電車では高まっている。まず、その危険性について健常者も考えるべきではないでしょうか。
障害者で働かなくても障害者年金貰ったり、生活保護貰ったり、割引きも多いし、路駐しても特別扱いやし 充分特権あるよね。 障害者が生きていけるのは 人間社会だけですよ。生物界に於いては自然淘汰される。 健常者 障害者やというてるうちは、住みよい社会なんか作れない。
— えいきち (@3eikichi3) 2014, 9月 11
障害者は健常者のように生きることができない。ハンデを貰っても健常者以下の生活を強いられている人のほうが多い。働きたくても仕事が見つからないから働けない、という想像は働かないのでしょうか。特権ではなく、「支え合い」の精神から生まれたシステムです。
ちなみに、障害者でも駐車禁止場所に路駐したら普通に罰金とられます。
生物界において、能力の無いモノは淘汰されるという理屈を人間社会にも持ち出したら、勉強が出来ない人間、運動の出来ない人間、なんの取り柄の無い人間、そういった人たちは全て淘汰されることになります。そういった人もいるからこそ、人間社会は成り立っているのですよ。
全盲の人でも腕時計はします
全盲なのに腕時計ってこれは佐村河内的なものを感じる。
— 月永 皓瑛 (@Koei_Tsukinaga) 2014, 9月 10
全盲の女の子が蹴られたやつあったやん? ニュース映像みたら、その子腕時計してたんよ、おかしくない?
— 成松哲平 (@narimarimodarh2) 2014, 9月 10
ニュースで全盲の人が腕時計つけていて違和感をおぼえた
— ち馬しゅん (@basyunbasyun) 2014, 9月 10
全盲の人用の腕時計というものがあります。
見た目は普通のアナログ腕時計と変わらないのですが、蓋を開けて指で触ることで凹凸から時刻を確認出来ます。
差別は時として、「無知」から生まれます。批判するにしても、しっかりとした知識を持って批判したほうが良いでしょう。無知は時として「凶器」になり、そして「罪」にもなりえます。
ぶつかった際に謝罪しなかった?
このような形でネット炎上している背景には、怪我をした全盲の少女がぶつかった際に「謝罪しなかったのでは?」という疑問が浮かび上がっているからということもございます。
点字ブロックの上を歩いていた際、前方から近づいた人と杖がぶつかった。相手が転倒する気配を感じた直後、その人物とみられる足音が近づき、右ひざの裏を硬い靴で蹴られた。
もちろん加害者が一番悪いけど、全盲の女子生徒さんはその躓いた気配がした時、謝ったのかな?
— かじゅ (@miyake_Ar) 2014, 9月 10
全盲の女の子蹴ったのこれどうどっちもどっちな気がするんよなぁ、全盲だから謝罪しないってのはちょっとちゃうと思うけど手は出したら駄目ね
— yuko (@imq_ip) 2014, 9月 10
でもさ〜 誰かがつまづいた気配したら、まず謝るでしょ?大丈夫でしたか〜?とかさ〜…それを知らん顔して行こうとし女子生徒も問題じゃない?だからって、背後から蹴るのは最低の行為だけどね。目が見えない人に、ぶつかってきた方が悪い。だから謝らなくていいって訳じゃないからね。そこは平等で。
— amanatsu (@ama_natsumikan) 2014, 9月 10
全盲女子生徒の事件。 もちろん蹴った犯人は悪いけど 転ぶ気配を感じたのに 謝らなかった女子生徒も 良くなかったと思うよ。 1人の人間として見てほしいというのなら 人としてちゃんと謝るべきだったのでは?
— asuco (@asucoFamily) 2014, 9月 10
ニュースのソースを見る限りでは、謝罪をしなかったように取れなくもありません。または、謝罪をしようとしていたら、その前に蹴られた、とも取れます。そこは、ニュースを見るだけでは、文字情報を見るだけでは分からない部分です。
最後に
引用元のまとめを見てみると、障害者(私)からみても、意外とまともなことを言っているな~、と思える意見も多々ありました。
勝手に悪い方向に想像してしまうのはいかがなものかな、とは思いますが、障害者にも一定数、健常者と同じくらいの割合でおかしな人はいます。そのような人がいるから、この少女を批判するような意見が(誤解などから)出てしまっているのだと思います。
ただ、障害者を擁護するばかりのニュースは現実的ではないのは事実です。時には叩くことがあってこその「リアル」だと私は思っています。ただし、手加減は必要ですよ。
問題なのは、障害者叩きなどを「匿名」で行っていることが問題なのです。本当に自分が間違ったことを言っていないのであれば、実名で、顔出しして発言することだって可能です。
匿名でしか批判出来ない人は、どこかに後ろめたさ、弱さがあるから匿名でしか批判出来ないのでしょう。そういうのは、カッコ悪いですよ。
だいちゃん(∀)