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愛が藍超え!涙の最年少初V「実感がないです」

2014年9月15日6時0分  スポーツ報知
  • 大会最年少優勝を果たしカップにキスをする鈴木愛

    大会最年少優勝を果たしカップにキスをする鈴木愛

 ◆女子プロゴルフツアー国内メジャー第2戦 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日(14日、兵庫・美奈木GC=6645ヤード、パー72)

 ニューヒロインが誕生した。単独首位で出た鈴木愛(20)=フリー=が5バーディー、4ボギーの71で回り、通算5アンダーで逃げ切りV。ツアー初優勝をメジャー制覇で飾った。20歳128日での勝利は06年の宮里藍(29)=サントリー=の21歳83日を抜く大会最年少記録となった。2打差の4位から逆転を狙った成田美寿々(21)=オンワードホールディングス=は1打及ばず2位。上田桃子(28)=フリー=は74と伸ばせず、1アンダーの7位に終わった。

 数十センチのウイニングパットを沈めた鈴木は、ギャラリーに向かって深々と頭を下げた。「自分でもビックリしています。実感がないです」。2日目から首位を守り抜き、大会史上最年少&初の初出場V。ヒロインの座を射止めたルーキーは、高見明弥キャディーと抱き合うと涙が止まらなくなった。

 1番のバーディー発進で流れに乗った。2番の第3打は右カラーから残り約20ヤード。「寄せようと距離を合わせた」と強気のストロークでパターを押し出すと、ボールはピンが刺さったままのカップに吸い込まれた。後半も粘りに粘り、ボギーを叩いた直後の17番でバーディーを奪い返した。「これで18番が楽になったと思った」。2打差をつけ、勝利を確信した。

 ゴルフ人生で初めて味わう極度の緊張。前夜(13日)は疲労で寝付きはよかったものの、最終ラウンド(R)を前に朝食を半分以上も残した。「あんなの初めて」。大好きなオレンジジュースにも手がつけられず、ヨーグルトをお茶で流し込むのが精いっぱいだった。

 美奈木GCには特別な思いがあった。昨年の最終プロテストで3位となり、晴れてプロとなった地だ。今週は「あの時の自分に勝つ」をテーマにプレー。3日目にはプロ転向後の念願だった同期の成田とのラウンドが実現した。「圧倒されました」と2連続ダブルボギーなどで苦しんだが、そんな状況でも首位をキープできたことが自信になった。

 憧れの藍を超える快挙を成し遂げ、来季から3年間のシード権もゲット。高校進学時には米国留学も希望したほど海外志向は強いが、「今は考えていません」と早期の米ツアー参戦は否定した。“女子プロNO1”となったプロ2年生は「まだそこまで実力はない。たくさん練習して、みんなにトッププロと言われるように頑張ります」。おごることなく、すぐさま次の戦いを見据えた。(吉村 達)

 ◆鈴木愛(すずき・あい)

 ▼生まれとサイズ 1994年5月9日、徳島・三好郡。155センチ、58キロ。出生時の体重は3840グラムと大きかった。

 ▼幼少期 自然の中を走り回るのが大好きで、クワガタやカブトムシ採りにも没頭。毎年、計100匹ほどを捕まえては家で飼っていた。

 ▼ゴルフとの出合い 小学5年の時、1歳年下の妹がやっているのを見て。中学2年の「エビアンマスターズジュニア杯」出場後にプロを志す。

 ▼性格 負けず嫌いで頑固。中学時代は父の助言に納得がいかないと返事をせず、よく怒られていた。そのせいで練習場に置いてきぼりを食らい、キャリーバッグを担いで約2時間かけて歩いて帰宅したことも。

 ▼家族 父・健司さん(46)、母・美江さん(43)、姉・志歩さん(22)、妹・花奈さん(19)、弟・宏典さん(15)。

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