年収100万円のキムタクと年収1000万円の温水、結婚するならどっち?
という記事があった。まあ、今さらこんな記事に突っ込んでもしょうがないのであるが、
どうせ調査するなら、もっと心理学的に正しい手段で調査してはどうだろうか?
1つ目は、年収100万円という数値があまりにも現実的でないことである。 これが年収300万円くらいだったとしたらかなり結果が変わってきた可能性が高い。 2つ目は、前提となる比較対象がなく、キムタクが温水よりも男性的魅力があることを暗黙の了解としていることである。 常識的に考えてそうだろ!、と言われるかもしれないが、それではダメなのだ。比較対象を用意することは大前提である。 3つ目は、人物名と年収だけでしかも2人だけ、というあまりにも項目を絞った形での質問では、 被験者にも「ああこれは年収とイケメンのどちらを選ぶかって質問なんだね」ということがバレバレなところである。 被験者に実験の趣旨がバレてしまった段階でもはやダメ。被験者にはそれとわからない形で実験しなくてはダメである。
1、被験者となる女性をグループAとグループBに分ける。人数は多いほどよいが、最低でも10人。可能なら年齢を揃えたほうが良い。 2、10枚程度の男性のプロフィールを用意。プロフィールには、全身写真、職業、年齢、趣味、好きな食べ物、などなるべく詳細なプロフィールを用意。 ただし、この段階ではプロフィールには年収の項目は含めないでおく。 3、グループAの女性たちにプロフィールを見て理想的な結婚相手を決めてもらう。被験者1人に男性を3人まで選出してもらう。 4、グループBの女性たちに同様の事を行う。ただし、今回は、年収の項目を追加し、3の実験で不人気だった男性ほど年収が高くなるようにする。ただしあまりに前実験の人気そのままに年収をつけると人気男性ほど年収が低くなるようにしていることがバレてしまうので、多少は前後させること。それ以外は全く同様である。もちろん年収を追加したなどと被験者には一切話さない。年収の範囲は高すぎても低すぎても良くないので300万円~800万円の範囲内に収める。 5、グループAの結果とグループBの結果を比較する。もちろん注目すべきは年収を追加したことでどのように順位が変化したかである。
1、グループをわけて比較対象を用意するという基本中の基本。年齢を揃えるのは、年代による違いが出ないようにするため。被験者をたくさん用意できるならむしろ被験者の年代別に集計できると理想的だが。 2、プロフィールを詳細にすることで、実験の趣旨が年収であることが被験者に気が付かれにくくなる。 3と4、3人を選んでもらう理由は、1番には選ばれないが2番には選ばれやすいタイプの男性が選ばれなくなってしまう事態を防ぐためである。 また、結婚したい順に並べる、にしない理由は、そうしてしまうと被験者は自然と数値になっていて並び替えやすい年収を意識してしまいがちになるため。 また、年収の最高額を800万円にするのは、1000万円だとインパクトが強すぎるためである。 5、結果を粛々と統計的に分析するだけである。心理学に統計学は欠かせません。
これで正しく実験できるはず。どんな結果になるかは個人的にも興味があるが、
予想としては「年収が高くても低くても人気が高い男性」「年収が高くても低くても人気が低い男性」「人気が年収に比例する男性」の3タイプにわかれるんじゃないだろうか。要するに、イケメン、ブサメン、フツメン、ということだが。さらに全体的な傾向として、年収が高いほど人気、ではなくて、年収が低いほど不人気、という傾向になる予感がする。600万円あたりを境として、それ以上は年収が高くてもあまり関係ないのではないか? また、例えば全体的な傾向が年収に左右されるとしても「優しそうな男性は順位が下がりにくい」とか「00系の趣味の男性は順位が上がりやすい」などの傾向を見いだせれば実際の婚活でも活用できる情報となる。逆に言えばこういった正しい手法によらずに実験して00だからxxみたいな情報は参考にしてはダメなのである。もちろん結果は実験するまでわかりませんけどね。
ぜひとも実験して結果を測ってほしい