【動画】米国の展示会「メーカーフェア」。3Dプリンターでつくった作品が展示されていた=嘉幡久敬撮影

 1980年2月。名古屋市工業研究所に勤務していた小玉秀男(64)が、後に3Dプリンターの技術につながるヒントを得たのは、新聞の印刷プロセスからだった。

 名古屋市で開かれていた展示会。

 ガラス板の台座に液体樹脂が塗られていた。樹脂は光が当たった部分だけが固まる性質があり、洗い流すと固まった部分だけが盛り上がった。文字の形に光をあてると、その部分だけが盛り上がってハンコのようになり、そこにインクをつけて新聞を刷る――という仕組みだった。